INTERVIEW

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プロフィール:大学卒業後、食品メーカーの営業職などを経てヘルスケアメーカーに転職。OTC医薬品の企画・プロダクトマネージャーなど経験後、経営企画室にて広報に従事。2017年夫の留学に伴い退職し2年間アメリカボストンで生活。帰国後再入社。2021年より夫のワシントンDC駐在に帯同。現地でフリーランスとして就労中。

新たな価値観とともに

今回は、現在2回目の海外帯同中でいらっしゃる竹中はる花さんにインタビューしました。2回目だからこそ感じる、新たな価値観についてお聞きしました!

大きな枠組みで自分の知識を生かす

ー海外帯同前のキャリアについて教えてください。

大学で食品栄養学を学んで、管理栄養士の資格を取りました。専門職として資格を活かせる病院や施設に進む友人が多い中で、私は市場や社会に触れるところから食と健康に携わってみたいと思い、食品メーカーに就職して、営業職を始めました。その後、健康食品の商品企画という求人を見つけ、医薬品や健康食品を取り扱うヘルスケアメーカーに転職しました。管理栄養士としての知識を生かせるかもしれないと思い応募しましたが、専門的な研究や開発の経験よりも、一般消費者に近い感覚を持つ営業経験のある人が欲しかったとのことで、会社が注力しようとしていたOTC医薬品に携わることになりました。

その後は今の仕事につながる、広報の担当になりました。広報の仕事では、自社や自社の商品に注目してもらうために社会に価値ある情報を発信することを意識して取り組んでいて、会社の存在意義と社会の課題解決をまたぐ架け橋のような役割を担えることに魅力を感じていました。今思うと、大学で学んだ食や健康の分野を、社会という俯瞰したところから関わりたいと思ったことと、広報も社会を俯瞰してアプローチする職種なので、通ずるものがあったと感じます。

社会から遠のく感じがした海外生活

ー海外帯同中の生活を教えてください。

夫の留学に伴い、退職して2年間アメリカで暮らすことになりました。その後、アメリカで出産し育児に奮闘して充実した日々を送っていたのですが、周りに勤め先の休職帯同制度を利用して渡米してきている駐妻も多く、私も社会との接点を取り戻したいという気持ちが強くなりました。はじめは帰国したら転職活動をしようと意気込んでいましたが、アメリカで出産したことで「子育てをしながら働く」という新たな価値観が生まれました。そこで、子育てと両立して働けるイメージがつく元の職場でもう一度仕事をしようと思い、再入社することを決めました。

ー帰国後も広報のお仕事をされていたとのことですが、帯同前との変化はありましたか?

どんなメンバーに変わってもきちんと機能する部門にしなければと思い、広報の組織体制の構築をすすめました。

企業にとっての広報活動の重要性を上層部に伝え、社内の存在感を高めることも意識していました。徐々に組織体制がいい方向に向かってきたところで、2回目の帯同が決まりました。

ー2回目の海外帯同中の生活を教えてください。

1回目の帯同中に、社会から遠のくような寂しさや焦りを感じたため、今回は現地から働き続けることで、海外帯同とキャリアを両立できないかと考えました。職場に相談したところ、コロナ禍でテレワークが急速に普及していたこともあり好意的な反応でした。結果フリーランスとしてアメリカから、広報の仕事を続けられることになりました。

現在は、自分の仕事のほかにも夫の仕事を介した出会いや交流、子供のプリスクールでのコミュニティも広がり充実した生活を送っています。

子育て、海外生活、キャリアの両立

ー仕事を続けるということは竹中さんにとってどのような意味を持つのでしょうか?

仕事をすることでもちろん負荷もストレスもありますが、海外生活にメリハリがつくだけでなく自分が家庭以外の側面からも必要とされていることを実感できるので、マインドフルネスの1つになっていると思います。1回目の帯同経験から、社会との繋がりを求めるという自分の特性を知ることができたため、今回の帯同では働き続けたいと思いました。また会社にとっても、今まで私のような海外帯同者との個人業務委託は実績がなかったので、今後の社員がより柔軟で多様な働き方を実現していく上での、ひとつの前例を作れたのではないかと感じています。

ー今後のキャリアプランはどのように考えていますか?

ようやく形になった広報の組織体制を軌道に乗せていくべく依頼される仕事を責任持って進め、アメリカという離れた場所からではありますが、元職場の企業価値向上につながる広報活動を進めたいと考えています。また日本にいるときよりは時間にゆとりがあるので、今後はCSRやESGについて学びたいと考えおり、複数の国際資格の取得に挑戦しています。新たな学びを開拓して、帰国後のキャリアアップにつながることを目指しています。

またフリーランスの利点でもある、1つの企業に限定されることなくさまざまな企業と接点が持てることを活かして、アメリカ帯同中にチャンスがあれば新たな仕事にも挑戦したいと思っています。

ーこれから駐妻になられる方にメッセージをお願いします。

私自身が感じたことですが、海外に旅行することと海外で暮らすことは全く違うので海外で暮らすことについての新しい価値観を養っていく必要があると思います。もちろん自分がやりたいことを決めてから海外に行く必要は無いですし、途中で変わっても良いと思います。現地に渡航してから見つかったり、帰国後に見つかっても、どのようなタイミングでも良いと思うのですが、海外で暮らす上で何か新しい価値感を得られたり、視野を広げられたら自分の心地よい方向へと進めるのではないでしょうか。

学生ライター感想: 

竹中さんの強い向上心と、仕事とプライベートの両立について伺えて、大変勉強になりました。新たな価値観を養い続けることは、どのような生活においても重要なことだと感じました。

取材・執筆:鎌田睦美

 津田塾大学2年

校正:室田美鈴

文責:三浦梓

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