INTERVIEW

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プロフィール:大学卒業後、海外勤務の可能性のある大手メーカーの営業職につき、入社4年目で海外研修制度を通して海外勤務を経験。結婚を機に海外転職、香港にて現地就職をする。その後夫のシンガポール転勤に帯同、ボランティア活動を行いながら初めての子育てを海外で経験。さらにニューヨークへ移り、3人の子育てをしながらパートタイム勤務をする。

3カ国での帯同生活とキャリア形成ー英語を使って役に立つことー

香港、シンガポールに帯同経験があり、現在もニューヨークで帯同中の松原さん。ご自身の豊富なキャリア経験から、出産・育児経験まで幅広くお聞きしました!

英語を活かせる仕事を

ー帯同前のキャリアについて教えてください

学生時代は教員免許を取得しましたが、社会経験を積んでから教員になろうと思っていたので、就職活動をしました。就活中、当時の「文系=営業職」という強いイメージに疑問を感じ、全く異なるSEの仕事に興味を持ちましたが、なかなかうまくいきませんでした。就活の軸としては、アメリカに住んでいた経験から、英語を使って役に立つ仕事をしたいと考えていました。そして、海外に駐在員を派遣していることに魅力を感じ、富士フイルムビジネスイノベーション㈱(旧富士ゼロックス)の営業職としてキャリアをスタートしました。

4年目のときに、社内の海外研修制度に参加し、アメリカでMBAを取得して香港で業務研修を行いました。現地の香港人メンバーと協力し合いながら仕事を進めて、時には広東語を教わったり、日本語を教えたり、とても楽しい経験でした。研修後は東京に戻り、外資系の金融の営業を担当していましたが、結婚を機に退職しました。主人がいる香港に移って、現地採用で仕事を探そうと思っていた時に研修時のお客さんから声をかけていただいて、郵船ロジスティクスに入社しました。

3カ国での”キャリア”と”出産・育児”

ー香港での帯同中はどのようなお仕事をされていたのですか?

会社のIT部門で、会社内のネットワークの管理と運営、会社が提供しているシステムの不具合への対応を行っていました。顧客のニーズに応えてカスタマイズをするところが営業の仕事と似ているところがあったため、前のキャリアが役に立ちました。その後、三井住友海上に転職し、営業経験や海上運輸の知識を活かして、営業職のサポートを行っていました。営業担当が商品やサービスを売りやすくするために、ハンドアウトの作成やメルマガ配信を受け持っていました。

ー香港での日常生活はいかがでしたか?

まだ子どもがいなかったので、楽しいばかりの生活でした。帯同という形でしたが、現地で働いていたので、自分が「駐妻」という意識はありませんでしたし、華やかそうな「駐妻」というものにあまりいいイメージを持っていませんでした。

ーご主人の転勤でシンガポールに帯同されたのですね。

シンガポールでは、出産や育児も考えていたので、仕事は難しいと思い、ボランティアとして、博物館の日本人観光客向けのガイドをしていました。今までなんとなく「駐妻」を恐れていましたが、ここで出会った駐妻の方々はとても親切な方ばかりでした。初めての出産、育児も大変でしたが、周りの方々に助けてもらいながら、息抜きの時間としてガイドのボランティアを続けていました。

ーその後は、ご主人の転勤でニューヨークに帯同されたのですね。

主人は転勤が決まってすぐにニューヨークに行ってしまったので、私1人でシンガポールの家の引き払いや手続きをすることになりとても大変でした。ニューヨークに来て、翌月に子どもを保育園に通わせるようになり、やっと自分だけの時間を持てるようになって落ち着きました。

近所に英語に困っている駐妻さんが多かったので、個別の英会話レッスンをしていました。その後、2人目を出産して育児に追われましたが、1人目と同じように1歳過ぎで保育園に入れました。そしてまた自分の時間が持てるようになったので、パートタイムで現地の仕事を探し、日系ホテルの事務を始めました。北米のお客様も多かったので、日本語と英語は半々くらいで電話やメールのやりとりをしていました。その後、3人目の出産と、ちょうどコロナの時期も重なり、退職しました。

これからも英語を活かして

ー今後はどのようなキャリアを考えていらっしゃいますか?

今は、日本に帰国した時のために、小学校の英語指導者の資格をとって、最後の論文を書いています。帰国後、機会があれば小学校で英語を教えられたらいいなと思っていますし、個人的に英会話スクールを持つこともいいなと考えています。また、日本に駐在している海外の方で、日本での生活に困っている人も多いので、そういう方のサポートもしたいと考えています。

ーこれから駐妻になられる方にメッセージをお願いします。

海外帯同のためにキャリアが中断したり、女性だと出産や育児によって大きく人生が変わってしまう機会が多いかもしれませんが、自分が心地よくいられる方法を探すことができる人であれば、どこにいても楽しく生きていけると思います。私も初めは「駐妻」を恐れていましたが、仕事と家庭のバランスをうまく取りながら充実した日々を送っているので、自分を見失わないように気をつけながら駐妻生活をぜひ楽しんでほしいです。

学生ライター感想:

ご家庭を持ちながら、社会や誰かの役に立ち続けたいと行動されている姿が大変印象的でした。私も自分を見失わずに、さまざまなことにチャレンジし続けたいと思います!

取材・執筆:鎌田睦美

 津田塾大学2年

校正:長崎亜弥香

文責:三浦梓

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