INTERVIEW

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プロフィール:経済学部卒業後、独立行政法人にて東南アジアのインフラ整備に関する業務に従事。約2年勤務後、配偶者の帯同のため退職、渡英し現地出産。現在、Birmingham大学の1年制フルタイム修士コース(MSc Investments)にて、投資理論、計量経済学等の理解を深め、修士論文ではESGに関する研究を予定。

自分の居場所を愛する、それを楽しめばいい

今回イギリスに帯同中の大学院生Kさんにインタビューしました。国内での地域活動や留学、海外派遣など、様々な場所で経験を積まれてきたKさん。出会いを大切にする姿勢が、現在のポジティブな帯同生活を引き寄せたそうです。

内向きだった世界が外向きに

初めに、学生時代のお話から伺ってもよろしいですか?

はい。私は、高校生になるまで電車の乗り換えすらしたことがないほど、とても狭い世界で生きていました。しかし、高校で国際科に入学したことをきっかけに、徐々に外の世界の広さに目が向くようになりました。

高校時代に勉強し始めたドイツ語が面白く感じ、1年間のドイツ留学を経験しました。帰国後は、地元を離れ、国内大学の経済学部に入学しました。大学の放送研究会に入り、最初はラジオ放送を軸に活動していたのですが、地域に密着した活動に魅力を感じ始め、地域のお祭りや文化イベントの司会、さらには運営に関わる機会もいただきました。また、休学中には、内閣府の国際交流事業で世界中から集まった若者と1カ月間の船上生活をしたり、その後もフィリピンやベトナムでのインターンシップを経験したりしました。

ーファーストキャリアはどのように選ばれたのですか?

内定をいただいていた中から独立行政法人への入構を決めました。ベトナムでのインターンシップの記憶が色濃く残っており、途上国開発に携わりたいと思ったからです。最初は東南アジアを所管する地域部署に配属され、円借款事業を担当しました。ベトナムの現地事務所への派遣も経験しました。2年目からは、職務の幅が広がり、案件の組成から携われるようになりました。日々の業務に特にやりがいを感じるようになった時期でした。

ー学生時代から、国内外問わず、様々な「地域」に向き合ってこられたのですね。

私たちにとってはグローバルな場所でも、そこで生活する人々にとってはローカルです。知らない土地に出向き、溶け込んでいく中で、その地域ならではの新たな経験を積むことができました。新しい人やモノに出会い、自分の世界が広がっていく感覚がとても好きです。

帯同先を愛し、前向きな気持ちに

ー配偶者の駐在帯同も「新たな経験」だと思いますが、渡英の際はどのようなお気持ちだったのでしょうか?

2年目に結婚し、夫の駐在が決まりました。当初はあまり深く考えていませんでしたが、仕事が充実していたので、渡英直前にはすっかりネガティブな気持ちになっていました。一言では言えないくらい、色々と考えたのですが、最終的には行くより行かない方が後悔すると思ったので、退職して渡英する決断をしました。特に、出産してからは気持ちが紛れていますが、正直なところ、今でも仕事への未練はあります。

ー現在も複雑なお気持ちを抱かれているかもしれませんが、ポジティブな感情の変化はありましたか?

そうですね。現在住んでいる街は留学生が多いこともあり、新しく来た人をとても温かく迎えてくれるんです。カフェでお茶をしたり、持ち寄りパーティーをしたりと、近所付き合いを楽しむようになりました。また、日本での経験がないので比較はできませんが、子育てがしやすいと感じます。老若男女問わず、子どものことを可愛がってくれる方や、困っている時にすぐに助けてくれる方が多いと感じます。最初は、帯同に伴ってネガティブな気持ちが大きかったのですが、今では子どもが大きくなるまでここで生活したいと思うほど、この場所が好きになり、徐々にポジティブな感情が増えていったと思います。

先に待つのは無限の可能性を秘めたキャリア

ー今後のキャリアに向けて取り組まれていることがあれば、教えてください。

はい。現在はイギリス大学の大学院に通い、金融の勉強をしています。というのも、将来的には前職の業界に戻りたいと考えています。専門知識を身につけた上で、ファイナンスの側面から国の発展に貢献することが目標です。

ー卒業後にキャリアの再スタートを切られる、ということですね。

そうですね。良くも悪くも、目の前には無限の可能性が広がっていると感じています。当面は学業に集中しながら、いろいろな可能性を探っていきたいと思います。

ーこれから駐妻になる人に向けてメッセージをお願いします。

私は、渡英直後は妊娠もあって鬱々としていて、何かにつけて帰国しようとしていました(笑)。しかし友達や知り合いができたり、逆に新しくこの国や地域に来られた方にサポートできるようになってきたり、実際に大学院に通い始めたりと、自信となるパーツを少しずつ集めていったことで、最近やっと前向きに考えることができるようになりました。もちろん、事情や滞在国にもよりますが、駐妻は比較的自由な立場なので、新しいことに挑戦ができる可能性があると思います。そして、ぜひ帯同先の良いところを見つけ、現地を愛することを楽しめればいいなと思います。

学生ライター感想:

「現地を愛す」というKさんの言葉が印象的でした。これから訪れる環境の変化を楽しみ、前向きに過ごしていきたいと感じました。

取材・執筆:笠原菜々子

 津田塾大学英語英文学科 3年 

 

校正:長崎亜弥香

文責:三浦梓

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