INTERVIEW

  1. HOME
  2. ブログ
  3. インタビュー
  4. 新旧代表インタビュー 【後編:Vison&Values】

新旧代表インタビュー 【後編:Vison&Values】

(前編の記事はこちら

これから駐妻キャリアnetに期待されること

彩香

「キャリアを継続する為に帯同期間中どのように過ごせば良いか?」「現地就労に必要なビザや納税手続きは?」等の情報共有は、今もこれからも会員から期待されていることかなと感じています。梓さんは駐キャリの活動を通じて感じていることはありますか? 

2020年7月〜12月入会時アンケート(58名)の入会理由を見ると1位が「本帰国後の再就職事例紹介・支援」、2位が「帯同中に行える仕事紹介・支援」となっています。本帰国後のキャリアも念頭に帯同中にどんなキャリアを積むか、この辺りの自分自身の解を皆さん探されているのだと思います。
駐キャリはここで駐妻らしいキャリアのロールモデルをつくっていくことが求められていると感じています。また今の駐妻である自分の状況を見て、仕事は週5が普通だから働けない、と思ってしまっている方がいるかもしれません。そこで例えば、週5働かないといけないと思っているところに週2の仕事があることを知ったらどうでしょう。
今はまだ構想段階ですが、企業から仕事を受注して、駐妻個人ではなく駐妻チームで仕事を受ける仕組みも考えています。今もあるキャリアサポートチームが介在し、会員の皆さんの本当にやりたいことを引き出しながら様々な活動、就労につなげるサポートをしたいと思っています。 

彩香

キャリアカウンセリング、仕事紹介、再就職サポートというフルサポートがすごい!私は梓さんに仲間に入っていただき駐キャリのサポート可能な範囲が広がると感じたんです。梓さんに引き継ぐことで、より多くの駐妻が実際に働けるようになると感じています。 

ありがとうございます!アンケートやイベントなどから会員の方々の成長意欲の高さを感じています。だからこそ、その主体性をキャリアサポートで引き出してアクションにつなげる支援が必要だと思っています。 

これから実現していきたいこと・課題

彩香

改めてこれから実現していきたいことをシェアして頂けますか。

代表就任の挨拶でお伝えしましたが、
「駐妻自身の【主体性】と駐妻キャリアnetを通じた【活動機会の提供】により持続的なキャリア形成を行い、駐妻時の活動による帰国後のキャリア価値の向上を目指す」
というのが今後の方向性です。ここで大事にしたいのが先程も述べた主体性。会員になろうと手を上げた時点で主体性がある方のある集まりだと思っています。その主体性をキャリアプランニング、帯同中や本帰国後の就労サポートなどで駐キャリは支援する。ビザの関係で就労はできないという方もいるので「活動機会」としてプロボノも含みました。

彩香

自分が何をやりたいのかをはっきりさせることは大事ですよね。ありたい自分の姿が見えてくれば、今何をするべきか、何をしたいのかも徐々にわかってくる。
自分の気持ちに蓋をせず、働きたい人は働けるようになるといいですよね。皆が働くべきだと言っているわけではなく、皆が自分らしく生きられるように駐キャリが今後もサポートしていけたら良いと思っています。

はい!その結果、企業から駐妻経験者を採用したいと言われる社会をつくりたいと思っています。それには様々な活動機会が実績として評価される、海外でも仕事を得られるのが当たり前になる、駐妻や元駐妻で評価される人が増える、といったことが実現すればいいかなと。
企業側から本帰国を控えた人がいませんか?と問い合わせが来ると、尚いいですよね。駐妻の方には優秀な方が多いので、何も不可能なことではないように感じています。

彩香

それはすごい!ダイレクトリクルーティングしてもらえたら嬉しいですね。実現にあたって感じている課題はありますか。

例えば、仕事はあるけれど、駐妻に届いていないというマッチングの問題。大手人材会社に求人はあるものの駐妻=ブランクだからと紹介されなかったり、案件自体が海外対応を想定しておらず、求人自体が埋もれてしまっていたりすることがあります。
実はある会社の役員から「海外在住で日本の夜中稼働できる」という駐妻の強みを活かした仕事の相談を受けています。またコロナでリモートワークが当たり前になってきているので、このことをうまく繋げていくことができればと思います。

彩香

リモートワークの見つけ方というコラムを以前公開したのですが、そういうのも古くなっていくので、どんどん更新していきたいですね。(【働くお悩み相談室 Vol.3】〜どうやって仕事を探したの?〜 – 駐妻キャリアnet (hatenablog.com))。

それはいいですね。あとは夫・会社の理解が追いついていない問題。今後は駐妻だけでなく周りを巻き込んだ活動が求められるかなと思っています。

彩香

海外の会社では配偶者の帯同中のキャリアまでサポートするところがあるので、日本の会社も同じようになっていくかもしれないですね。

そういう時代の流れを後押しできるといいですね。もう一つは再就職にあたって企業自体がブランクNGと判断することをいかにクリアするか。人材紹介会社で、登録時にブランク1年以上あると人材紹介会社の担当者との面談にも進めず、自動的にお見送り連絡が入るシステムがあると聞き、衝撃でした。

彩香

それは衝撃ですね。これまでの経験がゼロになってしまうというのは、働く側にとっても雇う側にとっても本当にもったいないと思うんですよね。ブランクがない人達と比べて勤続年数が少ないのは事実ですが、ブランク期間の過ごし方によっては得ているものもあると思うんです。海外経験というものは、得たくてもなかなか得られない場合もあると思いますし、この機会を活用してキャリアを豊かにしている人もたくさんいると思います。

そうですよね!それに駐妻でなくても育児や介護などでキャリアを中断するケースは多くあるはずです。一方で先日「ブランク5年10年でも就職できる方法」という内容を人事マネジャーの男性が発信する記事を発見し、世論の変化も感じます。ブランクがいけないことだという考え自体を変えていく発信も強化していきたいですね。
駐妻のロールモデルをつくっていくことは、育休、介護、地方転勤など様々な理由でキャリアを中断した人たちのロールモデルをつくっていくことにもなると思います。そうすることで働けなくなった人たちが再び働ける社会を目指す、という社会からのミッションを駐キャリが果たしていくことができると思います。

大事にしていきたいこと

今後、駐キャリ代表を引き継ぐにあたって私自身大事にしていきたいことがあるんです。それは駐妻自身のリアルな観点です。駐キャリの良さは利益主義に走らず駐妻一人ひとりの成長に寄り添っていることにあると思います。私自身駐妻であるからこそ一人ひとりに共感し寄り添って状況に応じた必要なアクションを行なっていきたいなと思っています。

彩香

ブランクで振り出しに戻ってしまったと感じたり、夫のサポートと自分のキャリアの狭間で葛藤していたり、駐妻にはいろんな悩みがありますよね。駐在帯同でブランクができても何も無くしてないし、スキルアップなどブランクを活用する選択肢はたくさんあると思うので、自分の強みに目を向けて、自信を持ってやりたいことにチャレンジできるように、駐妻を勇気づけられるような団体でありたいと思ってきました。
あと、なかなか経験できない海外生活だと思うので、今だからこそできる経験をたくさん積んで帰国できたら良いのではないかなと思います。
私達駐妻が、仕事でも勉強でもプロボノでも海外生活を楽しんでハッピーでいることは、家族にとってもプラスになると思うんです。そういうプラスの循環を創っていきたいですね。

まさにそうだなと感じています。例えば週2や週3などで海外での生活も楽しみながら現地ならではの働き方も提案できると思うんですよね。
これからもしなやかで継続的なキャリアを育て続けることを応援していきたいと思っています。駐妻自身のリアルな観点を持ち続けることで、普段感じるちょっとした違和感、不便さが原動力になるのでそういった感覚も大事にしていきたいなと思っています。
あと、もう一つ大事にしていきたいこととして、駐キャリのCore Valuesがあります。駐キャリの居心地の良さって、このCore Valuesがつくっていると思うんです。以前イベントの参加者やサポートした会員の方からも居心地がいいという声が挙がっていて。駐妻歴の年数での上下関係もなくてフラットで。

彩香

このCore Valuesは、いつも思っていることなんですけれど、見える形にしないと伝わらないと思って作ったものなんです。
様々なバックグラウンドの人達が集まって協働するにあたって、皆が楽しく効率良くタスクを進める為の指標が必要だと思いました。特に、お互いにポジティブな声掛けをするのって大事だなと思うんです。日本は、褒められたり褒めたりすることが少ないなぁと感じています。もちろん改善点を指摘されて認識することも大事ですが、むしろ強みのほうが自分には当たり前すぎて人に言ってもらえないと気づかないこともあると思うんです。
人を褒めすぎると、どういう意図?と相手から不審がられることもあるかもしれませんが(笑)私は良いところを良いと伝えたいんですよね。それでみんながポジティブに楽しく働ける世界を創っていきたいです。

是非、声に出して褒めていきましょう(笑)これからもこの Core Values が会員の方々にも伝わっていくようにしたいですね!

彩香

ありがとうございます。今回梓さんに引き継ぐことを決めたのは、代表という役割を通して得られる貴重な経験の機会を他の運営メンバーにもシェアしたいと思ったのもありますが、先ほども話したように、梓さんに出会って私たちが実現したいことが実現できると確信が持てたからというのもあります。梓さんがこれまで情熱を持って活動されてきたことが、駐キャリの新しいフェーズにつながって、とても嬉しいです。バトンを受け取ってくださり、ありがとうございます。今後私も一会員として見守り続けたいと思います。 

ありがとうございます!彩香さんやこれまで運営に関られた人の思いを受け継ぎながら、自分の専門性を生かして、駐キャリのビジョンを実現していきたいと思います。今日はありがとうございました!

<了>

(企画・インタビュー・編集:坂本智子、校正:秋元かおる)

関連記事

インタビュー

SNSもチェックしてみてください!