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高橋理恵さん

【会員によるリレーエッセイ / Vol.5】高橋理恵さん〜本帰国後の就職活動経験談

「Our Voices ~ 会員によるリレーエッセイ」 駐妻キャリアnet会員のリアルな経験談を、会員と会員がバトンタッチしてゆくリレー形式でお届けしていきます!等身大のロールモデルに出会うことが出来るかも!?
Facebookの会員限定グループ内では、リレーエッセイにご登場いただいた方と会員の皆さまとの交流の場を設けています!

初めまして。高橋理恵と申します。2年9ヶ月の駐妻生活を経て、2018年10月に本帰国いたしました。帯同前は、新卒で入社した日系企業(損害保険業)に約12年間勤務し、営業推進や業務改善、人材育成などを担っておりました。夫の駐在先メキシコでは現地語の習得と趣味に没頭していましたが、メキシコ人の友人たちがキャリアアップを続けていく姿に刺激を受け、「私も、もう一度働きたい!」という思いが強くなっていきました。本帰国後すぐに就職活動を開始し、11月末、外資系企業(生命保険業)2社から内定をいただきましたが、この約2ヶ月間は予想以上に苦しい日々でした。私の周りには転職歴のある元駐妻の知人がおらず、経験談などを知る機会がないまま活動をしていたので、その点も心細さや辛さに拍車をかけていたのかもしれません。私の経験を皆様と共有することで、本帰国後の就職を検討中の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

駐妻生活中に抱いていたキャリアビジョンと就活イメージ

メキシコは帯同ビザでは就労できず、かといって就労ビザを取得する気合もなかったため、私の中では「駐妻期間は、本帰国後のキャリアについて考える時間」と位置付けていました。駐妻キャリアnetをはじめ、インターネットを通じて情報収集をするうちに、今の時代にはさまざまな働き方があることを知りました。「リモートワーク、いいなぁ!」「フリーランスもカッコイイ!」などと思ったこともありますが、自分の性格を考えると、私に向いているのは前職と同じような「朝から晩まで毎日オフィスで過ごすサラリーマン」であるという結論に至りました。

次に考えたのが、業種・職種についてです。未経験の業界(メーカーや商社)で、未経験の仕事(人事や調達など)をすることに憧れを抱くようになりました。このようにワクワクする一方、「本当に就職できるのだろうか?」という不安でいっぱいになるときもありました。ただでさえ年齢的に心配であるのに加えて、友人から「日本での転職は、ブランクがあると厳しいよ!」と言われていたからです。「駐妻期間はブランク=不利。このデメリットをメリットに変えるために、「『メキシコでは〇〇を頑張りました』と胸を張って言えるよう、何かで結果を出さなければならない!」と必死になっていました。

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本帰国直後、まさかの初戦敗退

本帰国の内示が出た頃から、仕事を探し始めました。とは言っても、転職サイトや興味のある企業のホームページを眺めたりする程度です。そんなとき、大手メーカーの採用ページで求人を発見!しかも職種は人事!本帰国後、荷物も片づけないうちに応募フォームに入力、送信しました。入力項目は、前職の企業名、簡単な業務内容、年収、年齢など、驚くほど簡易なものでした。「きっとこの後に、詳細情報を求める別フォームが届くのだろう」などと暢気に構えていました。翌日、早速メールが着信。その内容は、まさかの不採用通知でした。あまりのショックに「私のことを何も知らないのに落とすなんてヒドイ!」と家族に愚痴を言いましたが、これが現実。気を取り直して作戦変更です。まずは転職サイトへ会員登録をすることにしました(会員限定で開示される求人があるからです)。登録の際は、学歴や職歴、資格、転職理由、希望職種、アピールポイントなど、たくさんの情報を入力しました。

求められるのは「即戦力」という現実

転職サイトに登録してからというもの、閲覧可能な求人情報が増えただけでなく、転職エージェント(以下エージェント)からオファーメールが届くようになりました。メールの内容は、「転職サイトに登録してある経歴を拝見しました。我々はA社やB社をはじめ、あなたにお勧めしたい求人票を持っています。ご興味があれば一度面談しませんか?転職のお悩み相談だけでも構いません。」といった感じです。転職活動の作法すら知らず、何から始めれば良いのか分からない状態だった私にとっては非常に有難いお申し出でした。ご連絡いただいた中から数社のエージェントと面談させていただきました。担当者の方々との会話の中で痛感したのは、「中途採用=経験を買う」という現実。考えてみれば当たり前なのですが、企業側は即戦力を得るために、新卒ではなく中途採用をしているのです。それなのに私は「未経験だから挑戦してみたいこと」にばかり目を向けていたなんて…そりゃ~落ちるはずだよね、と苦笑いしてしまいました。ここで2度目の作戦変更。希望職種は「前職の経験を活かせる仕事。金融も可。」に変えて再発進することにしました。

想像以上に過酷だった選考過程

エージェントの方々の口癖の1つに「書類選考の通過率は2割」というものがあります。「10社受けても二次選考には2社しか行けないのだから、とにかく多くの企業にエントリーしましょう!」と言われるのです。しかし私は、むやみに受験したくはありませんでした。新卒のときもそうでしたが、本当に興味のある企業にしか応募したくなかったのです。はじめは「応募ゼロ」の状態が続いていましたが、しばらくすると、いいなと思う求人票が舞い込み、エントリーしました。私が受けた2社は、書類選考のあとに、適性検査(という名の筆記試験)、面接(複数回)、バックグラウンドチェックがありました(順序は企業により異なります)。私が最も苦しんだのは適性検査(SPIやSCOAなど)です。数学や化学などをすっかり忘れている私は、本屋さんで問題集を開いた瞬間、泣きそうになりました。面接については、通過率は各回3~5割だと言われ、大学生の頃の緊張感を思い出しながら進んでいった…という感じです。

「駐妻生活=ブランク=不利」は思い込みだった!

面接対策としては、新卒時と同様、ひたすら自己分析を行いました。前職でのエピソードはもちろん、駐妻生活で得たことについても準備万端で面接に臨みました。しかし実際の面接では、前職での業務内容詳細や学生時代のこと、人柄や人生観を知るための質問等ばかりで、駐妻生活についての質問は一切ありませんでした。また、離職理由についても「やむなしですね。退職することになって大変でしたね。」というお言葉をいただき、正直驚きました。エージェントの方々から、転職において「離職理由」は重要ポイントである一方、「配偶者の海外赴任帯同のため退職」は正当な理由として扱われる旨聞いていましたが、企業側にとって興味があるのは、駐妻生活ではなく「前職での成果&今後も戦力になるかどうか」であるということを実感しました。それと同時に、駐妻生活=ブランク=不利だという考えは完全に自分の思い込みであったと知りました。駐妻の皆様には「就職活動でアピールするために、(気が進まないけど)〇〇をやらなきゃ!」ではなく、本当に興味のあることに時間を使いながら駐妻生活を楽しく過ごしていただきたいと個人的には思います。

就職活動を始める前に準備しておくと良い(と感じた)こと

最後に、活動準備についてお伝えしたいと思います。海外在住中に応募するのは厳しいかと思いますが、準備は可能です。帰国後すぐに動き始めたい場合、事前準備がモチベーション維持や将来の時間短縮に繋がるかもしれませんので、ご参考までに記載いたします。

  1. 自己分析
  2. 職務経歴書の推敲
  3. 適性検査の準備
  4. 資格取得・TOEICスコア更新
  5. 企業分析

1. 自己分析

面接では新卒時と同様、あらゆる角度から深く質問されますので、自己分析はやればやるほど効果的だと思います。エピソードの整理には時間がかかるので、時間のある時早々に準備しておくと後が楽です。

2 職務経歴書の推敲

エージェント面談や書類選考の際に必要です。自分の経歴をアピールする最初の書類になりますので、とても重要です。職歴が長い方は特に、いつ何をやってどのように成果を出したのか等を思い出すのは大変なので、自己分析と同様、早めに準備して損はありません。 

3. 適性検査の準備

前述の通り、試験の種類は企業によって異なりますが、中学・高校の学習内容が含まれている試験もあります。私の場合は約1週間での詰め込み準備になってしまい、疲労困憊…でしたので、可能であれば一時帰国の際などにテキストを入手してコツコツ勉強しておくと気分的に楽だと思います。

4. 資格取得・TOEICスコア更新

希望職種に就くために必要(または有利)な資格や、アピールしたいスキルがあれば、時間があるうちに取得をしておくことをお勧めします。TOEICは、2年以内に取得したスコアを求められることがありますので、適宜受験しておくと安心です。(ちなみに私はメキシコで、スペイン語に関する資格を取得しTOEICのスコアも更新しました。)

5. 企業分析

進路を考える際はもちろん、面接の場でも、しっかり企業分析ができていることが大切になります。なお、中途の場合は新卒と違って、内定出し~受諾までの期間が短いのが特徴です。(内定が出てから5営業日以内に受諾の返事をしなければならない企業が多いそうです。)複数の企業を受験している場合は、短期間で各社を比較し進路を決定する必要があるため、その点でも早めの企業分析・情報収集ができていると良いかと思います。

長くなりましたが、以上が私の就職活動報告となります。皆様の駐妻生活と就職活動が充実したものになることを祈願しております。最後まで読み進めていただき、ありがとうございました。

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