INTERVIEW

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プロフィール:大学卒業後、静岡、鹿児島、東京の専門商社や総合商社にて、アジアおよび北米営業、米州市場調査、現地法人管理などに携わる。2016年よりコロンビアの首都ボゴタに在住。同年より日本貿易振興機構(ジェトロ)ボゴタ事務所で、管理、渉外、調査に携わる。

一歩踏み出し、進みながら考える

コロンビアに滞在する茗荷谷奏さんにお話をお聞きしました。茗荷谷さんは、大中小さまざまな規模の商社にお勤めになったあと、コロンビアに移住し、現在は日本貿易振興機構にお勤めになられています。

国際的な仕事への興味

―学生時代はどのようなキャリアを描いていましたか? 

もともと演奏家か音楽教師になりたいという希望があり、大学では音楽を専攻していました。しかし、大学4年間で英語を学びいろいろな人と交流を深めていくなかで、今までは興味を持っていなかった日本の外の世界に興味を持ちました。そこから貿易など英語を使う国際関係の仕事につきたいと思うようになりました。

―これまでどのような企業で働いてきましたか?

日本ではさまざなな規模の商社で貿易の仕事に携わりました。はじめは、静岡の商社で働きました。その後、静岡の別の商社に入り、東京に本社を起こすとのことで東京に異動しましたが、この仕事は非常に大変で体調を崩してしまい退職しました。約3ヶ月の休養後、東京で大規模な商社に入社しました。その数年後、地元である鹿児島に帰って食品系の商社で働きました。

―複数回働く場所や環境を変えていますが、異動や転職に関して不安はありましたか?

仕事や環境を変えることに対して嫌な気持ちはありません。大学卒業後、静岡の商社で1年程働いたとき、突然「明日から会社に来なくて良いよ」と言われたんです。就職活動をしてやっと入った会社なのに本当にショックでした。しかし、会社に入ったからといって雇用が保証されるわけでもないし、会社のなかには自分ではどうしてもハンドリングできないことがあるから、そういうときに1人で思い惑うよりは、自分のベクトルを変えていこうと吹っ切れました。

南米への関心

―現在コロンビアにいらっしゃるとのことですが、南米にはもともと興味があったのですか?

私が初めて南米と接点を持ったのは、3社目の商社です。そこで南米の文化や歴史、人に魅了されました。それからは、白い地図に色を塗っていくような、新しい世界が広がっていくような新鮮な感覚で仕事をしていました。また、夜間に大学に通ってスペイン語の勉強も始めました。そのようななかでしたが、地元の商社から人手が足りないという話があり、鹿児島に戻ることに。

しかし、仕事はほぼアメリカ関係だったため、リーマンショックの打撃を受け、仕事が全くなくなってしまいました。そのとき、自分のなかに眠っていた南米への興味を思い出し、休職して数ヶ月エクアドルに語学留学をすることにしました。

その後、鹿児島の大学院で研究をしていたコロンビア人の今の夫と結婚しました。夫はコロンビアに帰って仕事を探したいという気持ちがあり、私は結婚したときいつかコロンビアに行くかもしれないという心の準備ができていたので、コロンビアに行こうと決心しました。

―キャリアが中断してしまうことに不安はなかったんですか?

昔からの性格と1社目での経験から、悩んでいても仕方がないので、とりあえず一歩進んでみる、歩きながら考えるという考え方になったので、特に不安はありませんでした。しかし、いつかまた働くことができたら良いなとは思っていたので、スペイン語の公認試験を受けておき、機会を逃さないように下準備していました。

―現在はどのようにお仕事を見つけ、働いているのですか?

東京の商社で働いていた時の人との繋がりで、現在の職場である日本貿易振興機構(JETRO)に巡り合いました。コロンビアに行く前に、東京で働いていたときの上司と会ったんです。その上司がコロンビアで働いていたことがあり、キャリアを心配して人を紹介してくださいました。

すると、コロンビアに行って数ヶ月で「JETROで人が辞めることになったので応募しませんか?」というお誘いをいただきました。当時は1歳半の娘と過ごす時間が楽しかったので少し迷いましたが、やはり「いただいた機会は逃したくない」という気持ちがあったので、働くことにしました。

今のステージで輝く自分を求めて

―今後のキャリアについて教えてください。

ライフプランやキャリアプランを長い目で見て、設計できる人を非常に尊敬しています。一方、私は目の前の今のステージで期待以上の成果を出すことにフォーカスしています。今のステージの中で最大限頑張って、求められているところの少し上まで頑張ろうと思って仕事をすると、やりがいもあって楽しいです。

今は女性の活躍が雑誌にとりあげられたりしますが、みんながみんな雑誌で取り上げられるようなキラキラしたハイキャリアである必要はなくて、そうではない今のステージでコツコツ頑張る自分でも良いと思ってあげることが大切だと思います。

取材者コメント:

学生として就職活動をしていると、ハイキャリアを目指すべき像として描きがちですが、自分は本当はどうありたいか、どんな自分が好きかを考えながらキャリアを設計していきたいと考えさせられました。

取材・文:渡辺璃香

 慶應義塾大学大学院社会学研究科/修士1年

校正:長崎亜弥香

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