INTERVIEW

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プロフィール:在学中にNGOやJICAでインターンを経験。大学卒業後、人材総合サービス会社にて派遣・紹介・研修・新規事業に携わる。その後、ベンチャー企業に転職し、トータル13年間働く人をサポート。2018年から夫の中国・広州赴任へ同行。マインドフル駐妻カウンセラーとして活動し、30カ国以上の駐妻が参加。二児の母。

「自分の存在価値とは?」考え続けて見えてきたこと。

オンラインヨガサロンやClubhouseで駐妻のための企画を行う牛口さん。国際協力に携わりたいと考えていた学生時代から、現在日本でワンオペ育児を行うまでの道のりや価値観の変容についてお伺いしました。

「存在価値」を感じたいという思いから選んだ道

ー海外帯同前のキャリアについてお伺いしてもよろしいですか。

もともと自分の存在価値は何だろうと考えており、大学時代にNGO(非政府組織)やJICA(国際協力事業団)でインターンを行っていました。しかし、実際に働くとして自分に何ができるか考えると「何もできない」と思い、まずは自分自身の自立が重要だと考えました。そこで、人と関わりながら自分が成長できる環境のある人材サービス会社に入社しました。そこでは営業が長かったのですが、いろんな業務に携わり、会社がどのように人を見ているのか、いろんな働く現場を実際に見ることができました。そして30歳の時に当時の上司の独立についていく形で転職しました。

ー転職先ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

企業の教育研修の会社で、ヨガを取り入れたセルフケアの研修を提案していました。法人営業が主な仕事でしたが、会社からヨガのインストラクターと産業カウンセラーの資格をとってみないかと声をかけてもらい、取得しました。実際にカウンセラーとしての仕事をしていたわけではないのですが、それらは楽しいというより時間を忘れてほっとでき、自分にフィットしている感覚がありました。

ー国際協力に携わりたいという思いはどうなりましたか。

その思いが消えていたわけではないので英語を少しずつ勉強をしていました。ただ、会社も忙しく自分の語学の能力の限界も感じており、たまにインターンを行っていたところでボランティアをさせてもらっていました。

ーそのモチベーションはどこにあるのでしょうか。

他人の役に立ちたい、という思いが私はすごく強いと思うんです。自分って何のために生きるんだろうか、どれだけ貢献できるのか、というところが頑張れるモチベーションなのかなと感じます。

自分にできることを探しオンラインヨガサロンという選択

ー育休をとったのち帯同されたとのことですが、行ってみてどうでしたか。

広州は中国第3の都市とも言われており過ごしやすく、アイさんと呼ばれるお手伝いさんの文化が一般的で子育てもしやすかったです。

ー行ってみて不便だったことはありませんでしたか。

もちろん言語の不便さはありましたが最低限なんとかなりました。それよりショックだったのは駐妻の方で、駐妻であることをネガティブに感じている方が多いということでした。皆さん、素晴らしい経験や才能があるのにもったいない、と思いました。ストレスを感じている方もとても多く、ここで私ができることは何だろうと考えるきっかけとなりました。

ーそのように考えてからどのようなことをされたのですか。

駐妻カフェというコミュニティの運営メンバーだったので、そこでストレスケアをやろうと考え、オンラインヨガサロンを始めました。コロナ前でオンラインがあまり主流ではない中で人が集まるのか不安はありましたが、少しずつ増えていきました。また、より交流できる機会を、ということでClubhouse(音声SNS)で駐妻ライフを開催しています。

まずは自分を満たすことから、心身の健康を。

ー現在はどのように過ごされているのでしょうか。

第2子の妊娠に伴って私と第1子で一時帰国したのですが、コロナで戻れなくなってしまい2年たちました。その間にProject MINTのリパーパスプロジェクトに出会い、4泊5日で参加したんです。その時に自分の思い込みがあることに気づき、もっと自由に自分の可能性を信じていいのかなと思うようになりました。自分の進みたい方向に少しずつ進めていることも実感できましたし、一時休止していたオンラインサロンも再開することにしました。

ーはじめに存在価値というお話をされていましたが、そこに変化はありましたか。

今、日本のド田舎でワンオペ育児をしているのですが、とても満たされている感覚があり、それを皆さんともっと共有したい、と感じています。その変化は突然起きたわけではなく、少しずつ自分の行動や習慣からくるものだと思っています。自分に素直に自分が喜ぶこと、心地がいいことを選んでいくと自然と満たされていくのかなと思います。

ーひとりのためというよりその前に自分を満たすことが大切なんですね。最後に駐妻の方にメッセージを一言お願いします。

心身の健康というのはとても大切なので、そこを整えながら、自分の人生を意味があるものにしていけたらいいのかなと思います。事実をどう解釈するかでこれからがとても変わってくると感じています。長い人生なので自分を大切に、なりたい自分に向かっていくような今を生きる駐妻の輪を広げていきたいです。

学生ライター感想:

タイトルにさせていただいた「存在価値」への思いが強く伝わってきました。そしてそれを満たすためには、「まず自分が喜ぶことを」というお言葉が胸に刺さりました。

取材・執筆:村山彩

 筑波大学大学院 修士2年

校正・文責:三浦梓

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