INTERVIEW

  1. HOME
  2. ブログ
  3. インタビュー
  4. 自分の強みを理解し主体的にキャリアを築く

自分の強みを理解し主体的にキャリアを築く

プロフィール:6人兄弟の5番目で海育ち。立命館大学法学部を卒業後、大手日系メーカー、製造業向けSaasを提供するスタートアップにて就業したのち、配偶者の仕事の都合でフィリピンへ転居。Covid-19の流行により帰国。現在は、大手ヘルスケア企業で新サービスの企画業務を担当し、プライベートでは行政書士として活動。

自分の強みを理解し主体的にキャリアを築く

スタートアップ企業での就業を経験後、フィリピンに帯同し、現在は再び日本で働く中谷さん。キャリアの変容についてお伺いしました。

スタートアップへの転職で得た経験とは

ー海外転勤帯同前のキャリアについて教えてください

法務職採用として、メーカーに入社しましたが、入社後に人事上の都合で営業職に就くことに。希望していた職種とは違う職種でのスタートとなり残念でしたが、会社組織としての最大公約数を考え、気持ちを切り替えました。

営業として働く中で、自社の技術者や取引先の方々が持つ技術・製品への誇りに強い感銘を受け、製造業全体の役に立ちたいという想いが芽生えました。また様々な経験を積みたく、転職を決意しました。

ー転職先はどのような会社ですか。

メーカー同士のマッチングサービスを提供するスタートアップです。小規模な会社で営業からバックオフィスまで何でも取り組むことができました。

ー前職とはどのように異なっていましたか。

1社目では会社の全体像や将来像が見えず、また女性の総合職が非常に少なかったため、自身の将来像も描けず、漠然とした不安がありました。他方で、2社目は会社自体がコンパクトで将来像も明確でした。また業務への裁量が大きく、様々なトライができる社風でした。「会社と一緒に成長する」イメージで、主体的に業務に取り組むことができました。

今までとこれから、キャリアを見直す。

ー帯同後はどのように過ごしていましたか。

はじめの2カ月は毎日休日みたいな感じで、のんびりと新生活を受け入れていましたが、生活に慣れてくると時間を持て余すようになり、MBA取得なども考えました。

悩んだ結果、海外で働く経験を積みたく、日系大手建設法人で営業事務の仕事を始めました。職を持つことで、帯同というどこか受け身の感覚が強かった現地での生活が、より主体的に楽しめるようになりました。同僚の子供の誕生日会やクリスマス会に参加したり、一人でショッピングやカフェ巡りをしたり。

しかし就職から約半年後、、新型コロナウイルスの流行により、仕事がほぼできない状況に。当時のフィリピンでは生活範囲が非常に制限されており、閉塞感から一時帰国を決めました。

ー帰国後はどうされたのですか。

前職から業務委託を受けて仕事をしていたのですが、まもなく完全帰国(フィリピンへ戻らないこと)が決まりました。そのまま前職で正社員として働くこともできたのですが、結果としてキャリアを見直すきっかけとなりました。

ー見直した結果見えてきたことはありましたか。

自身の性格上、バックオフィス業務が合っていると感じました。であれば、ユーザーに良い製品・サービスを届けるために、サービス設計やオペレーションを考えていくような仕事をしたい、と感じました。大手企業では専門的に職務経験を積んでいけることや社会情勢もふまえ、大手ヘルスケア企業に入社しました。

人に寄り添い自分の心の充実をはかっていく

ー今後のキャリアやライフプランをお伺いしてもいいですか。

今の会社では新規事業部におり、新規製品・サービスの企画業務を担当しています。またプライベートでは一時帰国した頃から行政書士として海外の方々の在留資格取得支援をしています。どちらもまだ日が浅いので、まずはそういった仕事にきちんと取り組んでいくことですね。また、実はボランティア活動にも興味があります。会社に所属するだけでなく、今後は私個人としての活動でも社会に役立ち、心の充実をはかっていきたいと思っています。

ーその心境の変化はなぜなのでしょう。

幾つかありますが、一つは滞在したフィリピンでの実体験です。現地の方々の多くは、お互いに損得なく助け合っていました。例えば、勤務した会社である社員の父親が亡くなった際にお葬式資金のカンパを行ったのですが、まだ若い十代の女性社員が、彼女の多いわけではない給与から捻出してくれました。現地ではごく普通のOL女性が、道端の子供たちに食べ物を買い与えるのはよくある光景でした。現金を渡すと彼らの両親が、彼らを学校に通わせず道端に立たせるようになってしまうので、その場限りの食べ物を渡すそうです。そういった彼女たちの意識に感化されました。

ー最後に駐妻の方にメッセージを頂いてもいいですか。

多少の葛藤や壁があったとしても、今の自分にやれることをやり抜くことが大事だと思います。できること、任されていることを本気でやり抜くことです。やり抜くことで可能性が広がっていき、それが将来のキャリアに繋がっていくと私は思っています。

学生ライター感想:

現状に満足せず、自分の役割を探し続ける中谷さんの姿がとても素敵でした。自分のこれからの仕事にも重なる部分があったのでお聞きしたことを生かしていきたいです。

取材・執筆:村山彩

 筑波大学大学院 修士2年

校正:中山斉奈

文責:三浦梓

関連記事