INTERVIEW

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プロフィール:1981年生まれ。大学院卒業後、リクルートにて営業、企画、人事を経験。その後A.T Kearnyにて採用責任者経験後、人事コンサルの傍らスタートアップCOO就任。2020年1月、夫のブラジル赴任に帯同。同年11月駐妻キャリアnet代表就任。「女性が働きたい時にいつでも働ける社会の実現」を目指す。慶應義塾大学大学院SDM研究科研究員/LinkedIn認定クリエイター

前例のないことに挑戦し、新たな自分を、世界を、切り拓く。

日系・外資双方の大手企業での勤務に加え、フリーランサー、起業家等、幅広いキャリア経験を持つ三浦梓さん。揺るがぬパイオニア精神と強い好奇心を軸に、キャリアのプロフェッショナルとしてご活躍をされています。

人との出会いを大切に、険しい道を選んで進んだ海外滞在前

―学生時代は、どんなふうに過ごしていましたか?

「前例のない事をしたい、パイオニアになりたい」という思いが強かった幼少期。大学の進路選択を考えていた際に高校の恩師から『意志あるところに道あり』という言葉を教えていただき、「自分自身で意志”を持って、キャリアを形成していこう」と決心したのを覚えています。

キャリア選択を迷っていた際には大学の恩師から、「自分で道を切り拓きたいなら、10年単位の人生計画を立てると良い」というアドバイスを貰いました。そこで、将来政治家になることをゴールに据えつつ、まず20代の10年間はリクルートで働こうと決めました。

―ご自身の人生を切り拓くにあたって、様々な人との出会いや助言を大切にされてきたんですね。入社後は具体的にどのようなキャリアプランを立てられたのですか?

入社してすぐ上司に「10年で辞めて政治家になります。」と伝えると、営業部長に話が伝わり営業部長から「政治家に必要なスキルと経験を得るために、営業・企画・人事をそれぞれ3年やりなさい。」と言われたんです。その当時、10年で3職種を担当した方はおらず、未知なキャリアプランでしたが、言われた通りの計画を実行した後、予定通り10年経過した時点で会社を辞めました。その後、何かのプロとして立ち位置を確立した状態で政治家になる為に、フリーランサーとして活動していた所A.Tカーニーからスカウトメールが来たんです。自分のこれまでの経験を活かした新しいチャレンジが出来ると思い、入社を決意しました。

―やりたい事を自ら発信することで、次々とキャリアが繋がっていったのですね。

はい。加えて、自分が選んだ選択肢を正解だと信じ続け、自ら正解に導くことも大事だと思います。自分を信じて動いていると、その姿に共感・賛同した人々が自然と集まってきて手を差し伸べていただく経験を何度もしました。一方で自分を信じるためには、自分がどうありたいのか、自分らしさとは何かを考え続ける事が大切だと思います。

―なるほど。そうして積み上げてこられたキャリアや人脈を活かして、会社の設立もされたんですね。

はい。私とは真逆の発想を持っており、お互いの弱みを補い合えるCM監督をしている友人とA.Tカーニーの仕事をやり終えたタイミングで“Torch”という会社を設立しました。この会社では人々が明るく働けるような社会を目指し「ヒューマン・ブランディング」を行っており、過去には安倍総理を中心とする自民党のブランディングプロモーション制作も担いました。

過去の積み重ねが強みとなり、思いがけない未来に繋がる

―帯同のお話が持ち上がった時、迷ったり悩んだりはされましたか?

実は当時、政治家になる話も貰っていたのですが、駐妻として海外に行く方がより未知で新しい道が開けると思ったので、あまり迷わずに決めました(笑)。“Torch”で海外進出の話が出ていた事もあり、ブラジルの市場調査をしようと意気込んでいるくらいでした。

―ここでも険しい道を選択されたのですね!実際ブラジルに行ってみて、どうでしたか?

夫の3年間の任期のうち、ビジネスレベルの語学習得には2年かかり、1年しかブラジルでビジネスをできる期間がないことに気付きました(笑)。またこれまで自由に働いていた分、現地で働きたいのに働けないモヤモヤを感じ、このモヤモヤする世界を変えていきたい思いから、駐妻キャリアnetの運営に興味を持ちました。

―駐妻キャリアnetに所属してから、新しく出来たプランはありましたか?

初めは人事経験を活かして、転職に関する情報を、駐妻キャリアnet会員に向けてのみ発信していました。しかし次第に、対企業の視点にも目がいくようになり、働きたい人が働ける環境にするために“企業側を”どう変えれば良いか、“企業が”新しい仕事を作り出すにはどうすればいいか、考えるようになりました。この方向性においては特に、自分が過去積み上げてきた経験や人脈が活かされました。

―その時々でやりたい事や興味のある事をしているうちに、ある時、点と点が繋がるような瞬間が訪れるんですね。

そうですね。しかも初めから意識しているわけではない。目の前のことに全力で取り組んでいるうちに、ある時それらの点が繋がったり、経験したものが強みになっている事に気付くんですよね。

ひとり一人が可能性に満ちた社会へ

―今後のキャリアをどのように描いているのか、教えていただけますか?

まず、駐妻キャリアnetとしては、世界中に認知を拡大したいですね。働きたいけれど発信できない、機会がない、キャリアについて話す仲間がいなくて孤独を感じている駐妻の方々に、「あなたはひとりじゃないよ、居場所がここにあるよ」と伝えたいです。同時に、企業に向けて、新しい場所で経験を活かせずにいる人々がいる事や、遠隔だからこそできることがある事を伝えたい。そして、最終的に女性達の心に火が灯り、やりたい事を積極的に発信して働く場所を見つけられるようにしたいと思っています。

個人としては、会社の事業を拡大し、大学での講義や企業の人材開発などを通して多様なキャリアを支援したり政治家として発信し続けることを実現したいです。

―インプットしてきた事をアウトプットするフェーズに移行したいとお考えなんですね。

そうですね。日本では答えのある画一化された教育が行われていますが、キャリアはその真逆。答えがなく、自分で切り拓かねばならない現実があります。キャリアを形成していくためには、特に女性達は、複数の選択肢と、何歳からでもやり直しが出来るスキルが必要だと思っているので、そのような社会をつくれるように、さまざまな事を伝えていきたいです。

学生ライター感想:

強い意志のもと前例のない事に挑戦し続ける姿勢と、全ての人の可能性を広げようとする他者貢献の精神が大変魅力的で、感銘を受けました。

取材・文:吉岡千咲

  津田塾大学学芸学部国際関係学科/4年

校正:中山斉奈

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