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「今できること、自分がしたいこと」を優先し、後悔のないよう全力を注ぐ

プロフィール:大学卒業後、総合商社にて海外のインフラ開発・事業管理に従事。2018年に夫のドイツ赴任に伴い退職し、渡独。現在はフリーランスとしてリモートで日本企業の海外事業展開をサポートする傍ら、キャリアに悩む駐妻を中心とするドイツ在住女性のコミュニティ運営に携わっている。

「今できること、自分がしたいこと」を優先し、後悔のないよう全力を注ぐ

総合商社勤務を経て、現在はドイツで積極的に活動をされている木村あゆみさん。悩みや葛藤をしながら、後悔のないよう今できることに全力を注ぎたいと思うようになったキャリアの変遷や思考の変化をお伺いしました。

「今できること、自分がしたいこと」を優先する

―大学時代は法学部ということで法律をかなり勉強されていたのでしょうか? 

強いこだわりがあったわけではなかったのですが、以前から海外や国際社会に興味があり国際法や国際政治の勉強をしていました。思い返せば小さい頃から、日本と異なる文化圏の人と話すことが楽しく、自分と違うことが面白いと思っていました。海外に行くと多様な価値観に触れることができ、日本と全く異なる世界が広がっているのだと刺激的に感じていましたね。

―卒業後に商社を選ばれた経緯やキャリアをお伺いできますでしょうか?

海外と関わる仕事ができる会社を考えた際に、まず始めに思い浮かんだのが商社でした。その後、社員の方たちに話を伺い、商社の仕事は「人と人を結びつける仕事」だと気づきました。仕事を通じて「より多くの人を幸せにできる仕事をしたい」「誰かの生活をより楽しく、より便利にするのではなく、本当に必要とされているもの、生活に無くてはならないものを提供したい」と考え、総合商社でインフラ関係の仕事に携わりたいと思い、入社しました。

最初は分からないことだらけで無我夢中で働きました。入社3年目の時にロンドン駐在の話をいただいたのですが、駐在に行ってしまったら結婚はできるのかといったプライベート面で心配はありました。しかし、結婚や出産は自分ひとりでなんとかなる話ではないので、考えても仕方ないなと思うようになりました。「なるようにしかならない」のであれば、くよくよしたり、計画的に人生設計をするよりも「今自分ができること、自分がしたいこと」を優先することが大事だと思い、楽しみな気持ちでロンドン駐在を決断しました。

―ロンドンではどのようなお仕事をされていたのですか?

個人の裁量が大きく、仕事を任せてもらえる機会が多くありました。具体的には出向先の会社やその関係会社の経営管理業務を一手に引き受けたり、セミナーで積極的に他の参加者との人脈を広げたり、自分からお客様に会いに行って自社紹介や自社の提供価値をプレゼンしたこともあります。駐在期間が2年と限定された中で結果を残さなければならず、焦りもありましたが、今思えば非常に良い実践の場でした。またロンドンにいる他の駐在員が集まるコミュニティに参加し、会社や立場の違う方々と出会えたことで、視野を広げることができました。この出会いは自分にとって財産になっています。

今の自分の状況を受け入れ、自分でできることを探して動く

ー日本に帰国後、今度は駐在帯同の決断をされた時のお気持ちはいかがでしたか?

帯同を決断したのは、育休からの復帰目前のタイミングでした。出産後、半年もたたない頃から早く職場に復帰し、仕事がしたいと思っていました。一方で、もともと夫は仕事の都合上、駐在の可能性があり、もし駐在が決まったら、自分は退職する選択肢を取るだろうなと思っていました。だからこそ夫の駐在が決まるまでは自分の仕事を悔いがないようにやり切ろうと強く思っていました。

しかし、想定以上に早く駐在が決まり、仕事に対する想いが高まっていた自分の気持ちをどう整理すれば良いのか、駐在の話を聞いた直後は腑に落ちず、しばらくはつらい気持ちを抱えていました。今まで夫と同じように働き、稼いできたのに、「なぜ私だけ我慢しなきゃいけないの?」「私だってまだ働きたかったのに」という気持ちをなかなか消化できませんでした。その後復帰先の上司などにも相談し、子どももまだ小さかったのでやはり家族は一緒にいた方がいいと考え、帯同を決断しました。

ー帯同するにあたりやりきれない難しい経験をされたからこそ、今駐妻で同じ悩みを抱えている方との繋がりにつながっているんでしょうか?

そうですね。ドイツに来た当初は街中散策をしたり、新しい人と出会ったり、刺激的で楽しかったのですが、環境に慣れてくると、「私は本当にこのままでいいのかな。」「私は働きたい思っていたのだよな。」とモヤモヤした気持ちが再燃してきました。その頃にSNSで「ドイツ在住で、キャリアにモヤモヤを抱えている人同士、一緒にお話ししませんか?」という声かけがありました。その会に思い切って参加し、定期的にいろいろな話をしていくうちに自分と同じような悩みを抱えながらもボランティアや地元のコミュニティと前向きに関わっている人や資格の勉強をしている人などに出会い、多くの刺激をいただきました。

そのような出会いを通じて、ドイツの人材紹介会社に登録してみたり、フリーランスとしての仕事を始めたり、定期的に話をしていたメンバーでキャリアに悩むドイツ在住女性向けのコミュニティを立ち上げたりしました。自分がドイツでできることを探そうと動き始めたらどんどん前向きになり自分の世界も広がっていきました。

後悔のないよう全力を注いでいきたい

ー今後はどのようなことを行っていきたいですか?

今はドイツの駐妻コミュニティを立ち上げたばかりですが、情報発信や定期的な集まりを開催することで自分と同じようにモヤモヤを抱えている方や、帯同やキャリアに対して不安を持っている方のサポートをしたいと思っています。自身の経験としてなかなか消化できない気持ちを抱えたままでも、まずは新しい可能性を信じて行動することで、結果的に前向きな気持ちになれたので、その経験を皆にシェアしていきたいと考えたからです。帯同中は長い間悩みを抱えながら、人生でいちばん悔しい経験をしましたが、この経験を乗り越えられたことが今は自信に繋がっています。もし日本に来月帰ることになっても後悔のないように、ドイツで今しかできないことに全力を注いでいきたいと思っています。

学生ライター感想:

やりたい事や目の前のチャンスに挑戦し続け、苦しんだ経験も将来の自分や他人の為に活かす姿勢がとてもたくましく素敵で、憧憬の念を抱きました。

取材吉岡千咲

 津田塾大学学芸学部国際関係学科/4年

文:三浦梓

校正:室田美鈴

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