INTERVIEW

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プロフィール:1986年生まれ。大学卒業後、大手飲料メーカーに入社。2016年に夫のアメリカ赴任に帯同。キャリア継続のため子どもと帰国し、現在は希望だった人事を担当。

好きなことしよう、アメリカで変わった考え方

就職するも若手の頃から育休や夫の駐在でキャリアを中断することがあったYさん。帯同中に出会った多様な人や文化に触れ、さらに仕事に向き合いたいと考えるようになった背景についてお聞きしました。

キャリア中断でズドーンと凹んだ 

ー帯同前はどのようなキャリアを歩まれていたのですか。

新卒で大手飲料メーカーに就職し、数年後子どもを出産しました。若手の頃から育児と仕事を両立するという状況で、周りが仕事ばかりしている中、非常に焦りを感じていました。当時は広島で総務の仕事をしていたのですが、いずれはより良い組織風土、会社を実現する施策を作る東京の部署へ行きたいと思っていました。しかし、広島に住み夫も広島勤務だったので、子どもと2人で東京異動希望を出す自信もなく、くすぶっていた時だったかなと思います。

ー帯同はどのように決断されたのですか?

「家族は一緒がいい」という娘の強い主張があり、娘の気持ちを優先しました。自分も仕事を続けたい思いがあったので葛藤はすごくありました。夫はステップアップしている一方、自分はキャリアを中断していると思うと、「ただでさえ育休で中断しているのに」と、気持ちがズドーンと凹みましたね。

好きなことをやろう、そう思えた出会い 

ー帯同中はどのように過ごされていたのですか。

娘の生活にフルコミットしていましたね。私も帰国子女だったので、言葉がしゃべれない中に放り込まれるつらさを知っていました。そのため、せっかくの海外経験がマイナスではなく楽しかったと娘に思ってもらうことが、私の目標でした。学校の勉強もサポートしましたし、現地のママ友と交流してなるべくいろんな経験をさせてあげようと取り組みました。結果、娘の頑張りもあり言葉もしゃべれるようになり、「人は違って当たり前」という文化を肌で感じてもらえたのもよかったと思います。

ー帯同中に印象的な出会いはありましたか?

国籍問わずママ友と仲良くなりました。多様なバックグラウンドを持つ方々で人間的にも立派な人が多く、子どもや教育への関わり方も全然違って、とても刺激的でした。その中に旦那さんを日本に残し、自分と子ども2人連れて渡米している方がいらっしゃって、「とてもかっこいいな」と思いました。その方自身も、子どもも非常にすごくイキイキしていて、家族関係も良好で。家族の形はいろいろで、自分の好きなことをしていいと思えたきっかけだった気がします。

夫の駐在が伸びることが決まり、会社の制度上これ以上休職できない状況になり、娘と2人で帰国し仕事に復帰しました。この決断ができたのも、キャリアという選択肢を選び成功されている素晴らしいワーママを身近で見ることができたからだと思います。また、慌ただしくても、仕事と両立する生活をするほうが自分には向いていることを、アメリカで実際に過ごす中で確信してしまった部分もあります。仕事は大変なことも多いけれどすごく楽しいし、つらさも含めて仕事が好きなのだと改めて実感できました。

キャリア中断はマイナスじゃない 

ーこれからのキャリアについて教えてください。

現在、私は人事部という帯同前から希望していた部署にいます。まさに自分のやりたかった制度や人の働き方に携わることができています。私の子ども世代が「仕事でなんでも実現できる」と信じられる環境を作ることが目標で、微力ながら貢献できたらなと思っています。そのために会社の制度などを改善していきたいし、会社の皆がイキイキ働ける環境作りが今のモチベーションです。

ー駐妻の皆さんに一言いただけますか?

今、頑張っていることを中断して帯同することは、自分にマイナスなことと捉えがちだと思います。ですが帯同中しっかり家族や自分と向き合うことで、自分の軸がより強固になり、帰国後のキャリアにも繋がっていきます。他にも海外で文化や考え方の多様性を肌で感じたことは、組織にも貢献できるのかなと思います。なので帯同中はキャリア中断をマイナスに捉えず焦りすぎず、過ごしてもらいたいです。

学生ライター感想:

Yさんの海外での出会いやさまざまな文化に触れて行く中で、考え方や価値観が広がる様子をお聞きできたのがとても嬉しかったです。また仕事に誠実に向き合われている方であるのが伝わり、そんな姿勢を私も見習いたいと思いました。

取材・執筆:バルカツ 梨舞

 津田塾大学 3年

校正:長崎亜弥香

文責:三浦梓

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