INTERVIEW

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プロフィール:東京都出身、ドイツ在住。オランダ・エラスムス大学にて経営学修士、イギリス・UCL教育大学院にて教育学修士を取得。東京で外資系企業や教育ベンチャー企業に勤務した後、ミャンマーやベトナムで国際協力に従事した。現在はドイツから調査や編集ライティングの仕事に従事し、欧米事情等を日本に伝えている。

自分を生かせる場を探し続ける。後悔しない選択を

監査法人で働いたのち、オランダやイギリスの大学院や、日本のスタートアップ企業、東南アジアでの国際協力の仕事など多様なキャリアを築き、現在ドイツでフリーランスとして働く駒林歩美さんにお話を伺いました。

自分のやりたいこと、できることを軸に

―海外転勤に帯同する前のキャリアについて教えていただけますか?

高校生時に短期留学でいったマレーシアの田舎での暮らしの違いに衝撃をうけ、それ以降東南アジアが好きになって、途上国に関わるような仕事がしたいと考えていました。大学時代にもアメリカへ留学、非政府組織(NGO)でインターンを行い、世界で起きていることを伝えたいと思ったのですが、報道機関でそのような問題をすぐに取り上げることは難しいと考えました。そこで企業のリスク管理という観点から支援できないかと考え、監査法人系のコンサル会社に就職しました。新人研修もなく、リーマンショックの影響もあり、自分から仕事を探さなくてはいけないという環境で鍛えられました。その後仕事はもらえるようになったのですが、実際仕事をすると、興味があるのは人材育成だと気づいたので、キャリアを考え直したいと思い、オランダの大学院にMBA留学に行きました。

―すごい行動力ですね。その後はどうされたのですか?

日本に戻ってきて、「グローバル人材の育成」というキーワードで仕事を考え、コンサル会社でグローバル企業のファイナンスについて経営者に発信する仕事をしていました。しかし、財務経験なしに自分にできることは少ないと思い、より「人材育成」という視点で働ける仕事に転職しました。移ったベンチャー企業は、学生や若手社会人に対して国内外での課題解決プログラムを企画・運営するところでした。業務にも興味や意義を感じられていたのですが、私が担当していた事業が打ち切られることになりました。そこで人材育成という観点で、より必要としている人を支援したいと思い、東南アジアに行きたいと思いました。

東南アジアで働き結婚、そしてヨーロッパへ

―東南アジアに行かれたのですか?

はい。ベトナムに行って機会に恵まれない若者の職業訓練と就労支援をしている非政府組織で、現地の方と同じお給料で働いていました。はじめから短期契約で半年くらい働いたのち、この経験を活かして国際協力機構(JICA)のミャンマー事務所での職業訓練担当者の仕事に応募しました。バラバラな経歴でも採用いただけて、仕事はそれなりに充実していたのですが、イギリスで働いていた夫と結婚することになり、契約を延長せずに1年余りでイギリスに移りました。

―イギリスに行ってみていかがでしたか?

ビザの関係で長くいられないことがわかっていたので就職は諦め、ロンドンの大学院で途上国の教育について学びました。知的好奇心をくすぐられ、過去に経験した仕事に関わる内容だったので、自分がやってきたことを俯瞰して見直す1年間でした。

―その後についてお聞きしてもよろしいですか?

夫の異動で、ドイツのデュッセルドルフから2時間余りの小都市に住んでいます。来て1番のショックは、英語が通じなくてドイツ語を勉強しないと暮らしにくかったということです。来て1ヶ月後からドイツ語を学びはじめ、少しずつ分かるようになってきたところでコロナが来てしました。

ロックダウンの間にもオンラインで学習を続け、今はドイツ語のみの地域の活動にも何とか参加できるまでになりました。仕事はリモートで日本とヨーロッパ間のプロジェクトに従事していました。

自分の価値は自分で見出す

―現在とこれからのキャリアについてお伺いしたいです。

今は、編集ライターの仕事がメインで、英語や、ドイツ語のメディアから把握した内容を日本語記事にまとめ直したり、ドイツの政治や社会に関する記事を書いたりしています。ドイツではひとつの専門性を築き上げるキャリアが一般的で、広く浅く経験してきた私の市場価値は、ここでは低いです。しかし、日本語と英語とドイツ語ができて、ドイツ在住で欧州事情も把握していることと今までの経験を合わせれば、日本の企業から仕事を受けるうえでは、役に立てると思っています。

フリーランスという働き方は合っているので、今後は、執筆の仕事をもっと発展させ、その道でできることを増やしていきたいと思っています。

―最後に読者の方にメッセージを頂いてもよろしいですか?

今できること、自分が貢献できることを考え続け、それを発信して、探し続けているとチャンスは意外とあると思います。私の経歴もきれいではないですが、変化する興味を追いかけ続け、偶然もあって今に至りました。特に私は、職種や職場が合わないと思ったら、よりよい可能性を探してしまう傾向があって、その良し悪しもありますが、合わないところで無理をして後悔するのはよくないと思います。探せば選択肢はたくさんあるので、もっと自由にしても大丈夫だよ、と伝えたいです。お手本にはなりませんが、諦めずに探すことの大切さの参考例として見てもらえると幸いです。

 

学生ライター感想:

駒林さんは綺麗なキャリアではないと仰っていましたが、自分のやりたいことや自分がその場所で貢献できることを探し続ける姿がとても素敵で、思い切りの良さや発信力など見習いたい点がたくさんありました。

取材・文:村山彩 

筑波大学大学院システム情報工学研究科修士2年 

校正:長崎亜弥香

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