INTERVIEW

  1. HOME
  2. ブログ
  3. インタビュー

プロフィール:大学卒業後、横浜市で中学校教員を経験。その後、夫の海外駐在に2度の帯同。ベトナムではJICAで国際協力の仕事に携わり、香港では補習校や日本人学校で教員として働く。2020年に帰国後、小学校英語講師、外国籍児童への日本語指導員、英語資格試験の面接官などを兼務。フリーランス教員として個人指導も行う。

自分のプロフェッショナルは「教えること」ー帯同中の経験が付加価値に

地元の横浜で教員として働いたのち、ベトナムと香港、2度の帯同を経験し、帰国後も教員として働くNozomiさんのキャリアについてお伺いしました。

地元の横浜で一生教員をやると思っていた

ー帯同前のキャリアについて教えてください。

大学2年生の頃から教員を目指し始め、ゼミの活動として適応指導教室や児童養護施設でボランティアを行い、卒業後に中学校の英語教員となりました。教育は社会問題の解決につながり、国の基盤を作る仕事だと考え、大変やりがいを感じていました。

ーその頃はどのようなキャリアプランを描いていたのでしょうか。

私は横浜で生まれ、横浜で育ったため、当時は横浜で教員になることにこだわりを持っていました。一般的に教科書は全国で統一されていますが、例えば4月の教材に「桜が咲いた」と記載があっても、実際に北国ではまだ桜が咲いていないこともあります。その場合は教員が教える順番を工夫したり他の地域の話をしたり、現地の教員ならではの授業を設計すると思います。横浜をよく知っているからこそできる授業があると思い、就職直後は一生横浜の教員でいるつもりでした。

ーベトナムへの帯同が決まったときはどのような心境でしたか。

「一生ここで働く」と思っていたものの、実は静岡にいる夫との結婚を機に一度退職を決意したタイミングでした。仕事は大好きだけど家族と支え合うことはもっと大事だし、学校はどこにでもあるのだから仕事はどこでもできると考えが変わっていました。帯同に関してはもちろん驚きましたが、「面白いことになったな」という気持ちでした。

2度の帯同、「プロフェッショナル」として働く

ー帯同中はどのように過ごしていましたか。

帯同が決まってから実際に渡航するまでに1年あったので、その期間にベトナムで教員の仕事を探しましたが空きがありませんでした。そこで別の仕事を探し、JICA(国際協力機構)の事務所で働くことに決めました。草の根技術協力事業の担当者として働き、刺激的な毎日で面白かったです。

ーその後はどのようなキャリアを歩んでいたのですか。

ベトナムで2年間過ごしたのち、日本に帰国しました。帰国後も日本で帯同中と同じJICAの仕事をしていましたが、さまざまな専門家と関わる中で自分も「プロフェッショナル」といえる分野で働きたいと思うようになりました。自分にとって専門性はやはり「教育」だと思い、再び学校に戻ろうと就職活動を行いました。その頃に日本でも小学生から外国語教育を開始することとなり、小学校への採用が決まった矢先に夫の香港駐在が決まりました。

ー決まったお仕事はどうされたのでしょうか。

挑戦したかった仕事だったので迷いましたが、帯同を決めました。香港への転勤がわかった後すぐに教育分野の仕事を探しはじめ、最初に見つけた学校で働くことにしました。そこでは現地校やインターナショナルスクールに通う日本人に日本語を教えていました。またその期間に小学校教員免許も取得し、縁あって日本人学校でも教壇に立ちました。

ー海外でも仕事を続けようと思う原動力はどこから来ていたのでしょうか。

1度目のベトナムでの帯同経験が自分にとってプラスになったという実感がありました。なので香港でも良い経験をすべく、「帯同期間を有効に使おう」、「より魅力的な教員になって帰国するぞ」という気持ちが原動力になっていたと思います。

海外に住んでいた経験が付加価値に

ー現在はどのように過ごされていますか。

非常勤でさまざまな学校に行っています。帯同中に帰国後の仕事を調べる中で、面白そうと思ったものを全部やってみようと考えました。今は英語だけでなく日本語を教える仕事もしており、同時並行でさまざまな経験ができています。

ー現在のお仕事に駐妻の経験が活きているのでしょうか。

そうですね。海外に行かなければ日本語を教えるという仕事は考えつきませんでした。小学校で英語を教える際も、海外に住んでいた経験が付加価値になっていると思います。

ーこれからのキャリアやライフプランはありますか。

さまざまな経験を通して、私は改めて英語を教えているときが一番楽しいと思ったので、今年度は小学校英語に腰を据えて専門性を高められるように頑張る予定です。実は香港帯同前に決まっていた仕事への採用が決まったので、そこで今よりも責任のある立場で力をつけて、どこに行っても通用するような教員になりたいと考えています。

ー最後に駐妻の方にメッセージをお願いします。

駐妻の期間は大きなチャンスだと思っています。キャリアのはしごを外されることで、自分が考え付かないような面白いことが突然起こるかもしれません。

今までやりたかったけど時間がなくてやれなかったことに挑戦してみるのもいいと思います。帯同の経験は全員ができることではないので、オンリーワンの人材になれるし、何をとってもチャンスですよ!ということを伝えたいです。

学生ライター感想:

「教育」に対する誇りが感じられ、努力を惜しまない姿がすてきでした。自分にとって誇りをもって向き合えることが何になるのか仕事を通じて見つけていきたいです。

取材・執筆:村山彩

 筑波大学大学院システム情報工学研究群 修士2年(取材当時)

校正:室田美鈴

文責:三浦梓

関連記事

インタビュー

SNSもチェックしてみてください!