INTERVIEW

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プロフィール:大学卒業後、都市銀行に入行。2年間の支店での勤務を経験後、海外営業部に異動。海外に進出する企業宛に現地法人の設立方法や関連法規、金融規制についての情報提供と営業活動を実施。その後夫の海外赴任に伴い、退職。現在はアメリカ中西部で生活し、ボランティア活動や資格取得に向けた勉強を中心とした日々を送る。

プライドを捨ててチャレンジする

自身が海外で働く目標に向かって着実にキャリアを築いていたものの旦那さんのアメリカ駐在に伴い退職して帯同することを決めたsさん。自身のキャリアを諦めたことやアメリカでの帯同中の葛藤、悩む日々から抜け出す契機となった出来事などをお聞きしました。

海外で働く目標に向かって仕事に邁進

ー帯同前はどのようにお仕事をされていましたか

自分自身が駐在員として海外で働きたいという目標があり、金融業界に総合職で入社しました。入社後は2年間支店で働いた後、海外駐在員に選ばれる社員の多い部署に異動することができました。入社以降も上司とのキャリア面談では海外で働きたい目標を常に伝えていたので自分が希望していた通りのキャリアを歩んでいました。

ー帯同を決めた際の葛藤などはありましたか

葛藤は大きかったです。就活をしていた頃、女性としてのキャリアパス、結婚や出産を意識した就活をしていませんでした。退職して帯同することは自分で決めたものの、私自身男性と同様に仕事に邁進できるものだと思っており、結婚によって仕事を辞めなければならなかったことは自分にとって想定外であり衝撃でした。

ーもし就活をしていた頃に戻るのであれば、出産や結婚することを視野に入れた就職活動を行うと思いますか

戻るとしても、自分のやりたいことを貫いて同じように就活をして同じ会社に入るだろうと思います。しかし、結婚や出産を機に仕事を辞めざるを得ないこともあるということを知っているといないとではいざその選択を迫られたときに大きな違いがあるので、この点をもっと自覚しておいた方が良かったなと思っています。

 

自身のコンプレックスと向き合う日々

ー渡航後、どのように過ごされていましたか

最初の1年半は暗黒期でした。今まで生活のほとんどを仕事が占めていたので、自分の生活に大きな穴が空いた気がしました。自分がアメリカにいる意味も見いだせず、日本で仕事をしていた方が良かったのではないかと思うことも数多くありました。渡航後、米国公認会計士の資格取得の勉強をしていたのですが、この1年半は勉強にも集中できない日が続きました。

ー抜け出すきっかけはどのようなことでしたか

これまでを振り返ると、自分に自信のない性格でした。大学時代、帰国子女の同期と自分の英語を比べて挫折を経験しました。客観的に英語力はあるのに英語コンプレックスを抱えていました。渡米後はスペイン語学校に通っていたのですが、そこでも働きながら語学学校に通う同級生と仕事を辞めて主婦である自分を比べて引け目を感じていました。同級生から自分がなぜ主婦のままでいるのかと驚かれることも苦痛でした。今振り返ると彼らはアメリカで働ける英語力も能力もあるのになぜ働かないのか、というポジティブな意味で話してくれていたのですが、当時は卑屈に捉えてしまっていました。このように他人と自分を比べ自信を失い何事もネガティブに捉えてしまう経験を何度もしてきました。そのような中で英語コーチングを受ける機会があり、英語を使った介護ボランティアに参加することになりました。その活動を通して英語に自信がついたこと、アメリカのリアルなコミュニティと接点を持てたことで自分自身に自信を取り戻すことができ、気持ちを切り替えることができました。

米国公認会計士の資格を取りどこでも働ける人間に

ー今後はどのような計画をお持ちですか

今年度中に資格を取り、できれば帯同中にインターンなど米国公認会計士の経験を積みたいと考えています。帰国後は日本で再就職したいです。米国公認会計士の資格を取ろうと考えた理由は、凡庸性が高く、この資格を持っていることでまた別の国に行ったとしても現地で働きやすくなるためです。今後夫がどこに転勤したとしても働けるように資格を取りキャリアを積み重ねていきたいなと考えています。

ー今後駐妻になる人に向けたメッセージはありますか

多くの方が最初はストレスを抱えると思います。それは決して悪いことでもなく当たり前のことだと思っています。気持ちが追いつかなかったり自信を失う日々の中で大切なことは、自分のプライドや恥を捨ててみること。そうすることで自分の幅も現地での交友関係も広がり、駐在期間を充実した生活にすることができるので勇気を出してみてください。

学生ライター感想:

自分と他人を比べて自信を失うことは誰にでもあることですが、その中で重要なのは他人と比べるのではなく、自分の理想と現状を比べて自分に足りないものを埋めていくことだと思えました。慣れない環境で生きていく中で周囲を気にしすぎてしまうこともあると思いますが、過剰にコンプレックスを感じてしまうことで自分の可能性を狭めてしまうのはもったいないです。恥を捨てる勇気は今後常に心に留めておきたい教訓だと感じました。

取材・執筆:大園祥央

 津田塾大学 2年

校正:長崎亜弥香

文責:三浦梓

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