INTERVIEW

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プロフィール:2009年アメリカへの交換留学を経て大学卒業後、会計系コンサルタントとして日本オラクルに入社。その後、外資系コンサルティングファームにて金融系グローバルプロジェクトのプロジェクトリードを複数経験。2018年男児を出産。2019年からパートナーの海外赴任により家族でカリフォルニアに居住中。

駐妻として模索し、見つけた新しい働き方

外資系コンサルティングファームにて5年ほど勤務し、出産育休を取ったのちアメリカへ帯同。アメリカで休職中に行った就職活動や復職した今とこれからについてお聞きしました。

帯同には前向きだった

ー帯同前はどのようなキャリアを歩まれていたのですか。

青山学院大学卒業後、新卒で日本オラクル株式会社に就職し、3年ほど会計コンサルタントとして勤めました。その後外資系コンサルティング会社(以下会社)のテクノロジー部署に転職。金融系グローバルクライアントに常駐し5年程毎日英語でミーティングを行う環境下でプロジェクトマネージャーを務めていました。入社6年目に出産し育休を取得、数か月後にアメリカへの帯同が決まった状態で復帰しました。

ー帯同の決断はどのようにされましたか。

夫婦で話し合った結果、家族全員でアメリカに行くことを決めました。その頃もう既にお腹に子供がいたので、子供に貴重な経験をさせたい思いも行くことを決めた理由の1つですね。また、その時は「リモートで働くことや現地で新しい仕事にトライすることも可能だろう」と楽観視をしていたこともあり、帯同についてネガティブな気持ちはなかったです。

就職活動を経て会社初の海外リモートワーカーに

ーなるほど。帯同中はどのように過ごされていたのですか。

渡米後すぐに子供の預け先も見つけ労働許可証を取得し復職する気でいましたが、時差がありリモートの仕事は簡単には見つからず休職状態が続きました。休職が可能な期間は2年と決まっている中、復帰できるか不安だったため現地で就職活動を行った時期もありました。

ーそうだったのですね。就職活動はどうでしたか。
2019年の11月にアメリカに来て、就職活動を始めたのが2020年の春頃。ちょうどコロナの時期と重なり求人先は少ない状況で、英語の能力やロケーションから応募できる仕事はかなり限りがありました何社かトライしてみましたがうまくいかず。他にも日本語を生かせる仕事がないかを探しましたが、これまでの自分の経験を活かせるポジションがなく転職はしませんでした。特に、アメリカで日本語を話せることは思っていたほどメリットにならないことを痛感した時期でした。

ーその後、どうされたのですか。

休職中でもメール等にはアクセスできるので、定期的に情報収集していたところ、コロナ禍でリモートワークが全社的に浸透し、今後も継続していく動きを知りました。そこで、改めてアメリカから働けないか社内のポジションを探り、運よく過去にお世話になった人から仕事を紹介してもらい復職につなげることができました。

会社としても、帯同で海外へ行った社員を日本所属のままリモート勤務させることは初めてのケースでした。そのため正式に認められるまでに時間もかかり、大変だったのも事実です。しかし、駐妻になる方には「一度道が閉ざされても、もう無理と思い込まないこと」をお伝えしたいです。世の中には常に変化があり、その度にチャンスがあるはずなので。実際、直近でも労働許可証(EAD)の更新が間に合わずまた休職を取らざるを得ない状況になり、自身の就労ビザ取得について弁護士に相談していたのですが、EADの有効期限が切れる前日に移民局のポリシーが変更になったことをその弁護士を通じて知り、勤務を継続できるということもありました。諦めないでいろいろな道を探っていると、真っ直ぐでないにしろ道は開けるものだと感じました。

ーでは今はどういったお仕事をされているのですか。

復職時は所属部署の運営、I&D(インクルージョンアンドダイバーシティ)を推進する仕事から始まり、今は縁あってUSチームとの仕事にも幅が広がりました。

ー田谷さんの仕事へのモチベーションを聞かせてください。

正直、時差や子育ての両立など大変な時は、なぜそこまでして働いているのか自分に問う時もあります。明確な答えはないのですが、ひとりではできないことを誰かと実現することが生きているということ」なのかなと、思っていて、それの1つが私の場合仕事なのかなと思います。私の性格的に交友関係をどんどん広めるのが苦手なので(笑)、ある意味強制的にいろいろな人と協業できる会社での仕事には大変ながらも面白さを感じます。それがモチベーションなのかもしれないですね。

ジレンマと感謝、これからのミッション 

ー今後のキャリアについて考えていることを教えてください。

帰国の時期もまだ曖昧なので将来について考えるのは難しく感じています。というのも、今はとにかくできることを探してやっている状態で、「特定の分野の知識を重ねる」というキャリアの積み方ができていないんですよね。そこには常にジレンマを感じています。とはいえ、今働けている環境・理解やサポートして下さる周囲の方には本当にに感謝していて、自分ができることはなんでもチャレンジして貢献したいと思っています。

今は仕事の1つとして、会社のI&Dを推進するプロジェクトに携わっています。私の場合子連れでの帯同でしたが、育児・介護や外国人社員など一人ひとりの事情はさまざま。そんな彼らの働きたいというパッションを支え、受け入れる体制を整えていくことが良い会社を作り、会社の成長につながると思っています。「社員全員が自分らしく働けるようにサポートする」I&Dの活動には、非常に意義を感じており帰国後も1つのミッションとして掲げ、活動していきたいと思っています。

学生ライター感想

駐妻のリアルな現実をお聞きする中で、不安な時期の過ごし方やマインドの持ち方など参考になる点が多かったです。田谷さんの仕事に対する姿勢から「少しずつ、でも確実に行動し続けること」の大切さを教わった気がします。

取材・執筆:バルカツ 梨舞

 津田塾大学 3年

  

校正 ・文責:三浦梓

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