INTERVIEW

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プロフィール:小中時代を海外の日本人学校で過ごす。大学在学中に交換留学を経験。卒業後はコンサルとしてプロマネや新規サービス開発に従事した後、IT企業の事業開発職に転職。2019年より夫の米国ボストン留学に帯同。現在は帰国し、オンラインでハーバード大学院の勉強を継続しながら次の駐在先であるジャカルタ渡航準備中。0歳3歳の2児の母。

ストレスには正直に、自分なりに幸せにー留学帯同で見出した価値とは

今回は、配偶者の留学に帯同中、家事と育児を両立させつつ、さまざまな分野の勉強に励まれたKさんへのインタビューをお届けします。帯同の際、ネガティブな気持ちを抱かれたというKさん。どのようにして、自分の「幸せ」を見出されたのでしょうか。

「手放したくないほど理想」のキャリア

ー初めに、ファーストキャリアについて教えてください。

社会課題に興味があり、ビジネスを通してそれらを解決できる人になりたいと考えました。さまざまな業務を経験し、短期間で実務能力をつけたいという理由で、コンサルティング会社に就職しました。

ーどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

主にIT企業を相手に、新規サービスの企画から、その運営を管理するプロジェクトマネジメントまで、幅広く担当していました。プロジェクトマネジメントに携わったことで、どの仕事にも役に立つスキルを得ることができました。新規サービスを立ち上げる際、お客様が抱えている課題に寄り添い、それに対する解決策をビジネスで提示することに、やりがいを感じていました。

ーなぜ転職されたのですか?

将来のキャリアの専門性を高めるために、IT業界で新規サービスの企画に携わりたいと考え、IT系メガベンチャーに転職を決めました。コンサルティングのお仕事はお客様ファーストなため、労働時間が長いことに加え、サービスの質向上のために勤務時間外にも勉強や仕事をすることが多く、継続に難しさを感じていたこともありました。

帯同ブルーを克服するには

ーその後、配偶者の留学に帯同されたそうですが、どのようなお気持ちだったのでしょうか?

転職先では、妊娠・出産を挟みつつ、ワークライフバランスを上手に保つことができていました。事業開発という理想の職に就くことができ、将来のキャリアビジョンが明確化しつつあったため、仕事を手放したくないという思いが強かったです。

ー帯同先でも、複雑な心境を抱かれたそうですね。

はい。現地で働くつもりで渡米しましたが、夫の仕事やビザの都合上、働くことができなくなってしまいました。以前は夫婦平等に仕事や家事、育児をしていましたが、私が家庭を支える立場になりました。新しい役割を自分のアイデンティティとして受け入れられず、非常にストレスを感じていました。

ーどのようにして、ネガティブなお気持ちを払拭されたのですか?

日々の生きがいとしてコミュニティカレッジで幼児教育のコースを履修したり、将来のキャリアのためにハーバードエクステンションスクールという社会人向けの大学院で経営について学んだりしました。第二子妊娠中、病院の妊婦向け講座でマインドフルネスについても勉強しました。現地での妊娠・出産を通じて、アメリカでの様々な充実した妊産婦をサポートするサービスやノウハウを知りました。自分の新たな軸として、お産関連の分野に携わりたいと感じ、バースドゥ―ラの資格取得に向けて勉強を始めました。

ー家事・育児と両立させつつ、勉強に励まれたということですね。

勉強時間を捻出するのは大変でしたが、家事・育児のみに従事する生活よりも、精神的には遥かに充実していました。家庭と勉強を両立させなければいけないからこそ貴重な時間を効率的に使うという意識が芽生え、どちらも全力で取り組むことができるようになりました。

ストレスには正直に、自分なりに「幸せ」に

ー現在は日本にいらっしゃいますが、近いうちにインドネシアのジャカルタへ帯同されるそうですね。

はい。コロナウイルスの影響により、ハーバードエクステンションスクールでの勉強をオンラインで続けられることになったため、経営の修士学位取得を目指します。可能であれば、現地就労を目指したいです。並行して、バースドゥーラの勉強や、お産支援の活動も開始したいと考えています。

ー最後に、海外生活を通じて、どのような考えを大切にされてこられたのか、伺ってもよろしいでしょうか?

ひとつ目は、自分の気持ちに正直になるということです。自分自身と向き合い、何がどのようにストレスなのかを考え一つひとつ解決することが大切だと思っています。自分の感情に正直になることが、問題解決への近道になります。二つ目は、自分にとっての「幸せ」の定義を作るということです。留学帯同により、思い描いていた日本でのキャリアとは違う道を進むことになりましたが、そのおかげで、変化する環境の中で充実した生活を送る術を学ぶことができました。これからも、より広い枠組みでキャリアについて考え、人生の「幸せ」を模索していきたいと思います。

学生ライター感想:

海外生活を通じて、日本で思い描いていたものとは異なる「幸せ」を見出されたというエピソードが印象的でした。「幸せ」のひとつとして、勉強に励まれる姿が素敵だと思いました。

取材・文:笠原菜々子

 津田塾大学学芸学部英語英文学科3年

校正:山口友梨子

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