INTERVIEW

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プロフィール:大学院卒業後、総合病院に入職。庶務や職員の福利厚生に関わる部署にて旅費精算及び労務管理や安全衛生管理の仕事に従事。2年働いた後、夫の海外赴任について休職し、10ヶ月間渡英。帰国後は復職したが、妊娠出産を経験し、現在育休中。育休中に夫の就業に伴い転居。現在は家庭と仕事を大事に私らしく働くための準備期間としてキャリアの棚卸中。

イギリスで変わった人生観ー熱意を持って楽しんで働くということ

今回は、イギリスでの駐在帯同経験をお持ちのMさんにインタビューさせていただきました。イギリスでの価値観の変化を通して「仕事に対する考え方」にも変化があったというMさん。渡航前から現在までのキャリアを中心に伺いました。

人のためになる仕事を

―Mさんは、大学ご卒業後から現在に至るまで病院で事務職として働かれていたということですが、事務職として働きたい理由などはあったのでしょうか?

もともと「人のために何かをしたい」という気持ちがあったため、それは念頭に置いていました。事務職は、縁の下の力持ちのような役割であり専門職と比べると患者さんと関わることメインの仕事ではないですが、よく考えてみると「回り回って人のためになっているのではないか」と思い、この仕事を選びました。

―「世のため、人のため」とても素敵です!事務職というと、業務が多くて非常に大変なイメージがあるのですが、そのあたりはいかがでしたでしょうか?

そうですね、本当におっしゃる通り(そうだと思います)。入職した頃は、必死になって仕事をしていました。懸命すぎて空回りしてケアレスミスが重なり、周囲の方へ迷惑をかけてしまった時期もあります。見方を変えれば、その分周囲と切磋琢磨しながら業務をしていくという環境であったとは思います。その後、働き方改革の法案が施行されたこともあり、職場でもワークライフバランスの実現などがより重視されるようになってきました。

―ハードワークでも耐えることができた理由は何だったのでしょうか?

私のいた部署は患者さんと業務の中で直接関わる機会が少ないとはいえ、病院内で患者さんなどに声をかけられて道案内をすることなど度々ありました。その際、皆さんが感謝の気持ちを伝えてくださったのが、非常に嬉しかったですね。あとは、医療職(従事者)の方と距離を縮めてさまざまなお話を伺うことができることも一つの魅力だったため、大変な業務にも取り組むことができました。

イギリスでの価値観の変化

―事務職として2年間働かれてご結婚された後に、配偶者の海外赴任に帯同されたということですが、何か不安はありましたか?

私自身以前から海外に強い憧れがありまして、行ける機会があればそれは非常に貴重な経験になると思っていたため、肯定的に捉えていました。ただ、夫の海外赴任が決まりいざ行くとなると仕事で私に残された業務や向き合っているものがあったため、それらをどうこなしてどう引き継いでもらうかは非常に考えたところではあります。

―渡航中のお話に移るのですが、渡航先で何かされていたことはありますか?

ビザの関係でお給料をいただくお仕事はできなかったのですが、ボランティアと自分の好きなことに取り組んでいました。知り合いの紹介で日本語教室のボランティアをしていました。私自身英語の勉強になりましたし、同僚である日本人の学生さんたちの教え方や、人との接し方から学ぶところが多かったため、非常に貴重な経験でした。自分の好きなことに関しては、職人をしている友人が作る伝統工芸品を売るために営業のようなことをしていました。英語が流暢に話せるわけではなかったため、ジェスチャーも使ってやっていました。(笑)

―イギリスでさまざまなご経験をされた中で、イギリスと日本の違いを感じることはありましたか?

渡航前、私は「頑張ることで、人の役に立ちたい」という気持ちが強かったんです。しかし、イギリスに住んでからは、「人生を楽しむことも大事だな」と思うようになりました。自分も相手も大切に、ということでしょうか。例えば、イギリスって曇り空でどんよりしている日が多いですが、その分晴れた日にはお日様が照っていること自体を楽しむ空気がありました。日本で暮らしていると小さなことかもしれませんがイギリスの方は晴れの日に外でダンスやガーデンパーティーをして、非常に楽しんでいました。

これからの仕事への向き合い方

―帰国後、仕事に対する向き合い方に変化はありましたか?

今まで私の場合はハードな仕事との向き合っていましたが、イギリスで「頑張ることだけが正しいわけではない。」ことを学びました。そこで、仕事も楽しむ姿勢でいようと思うようになりましたね。特に、人との関わりを楽しむようになりました。

また、育休者向けのオンラインスクールに通ったことは大きな転換点になりました。そこで自分のビジネススキルを高めたり、これまでのキャリアの棚卸しをしたりする授業を受けたのですが、その時「まだまだ仕事でやり残し、経験していないことがあったな」と気がつきました。自分のことだけを考えてしまっていて、一緒に働くチームのことを考えられていなかったと思ったんです。ある目的を成し遂げるにあたって、やはり他の人とどう連携をとるかが重要だと感じたため、それを意識していければと思っています。また、かつての私のように時間を投入して働くのではなく、生産性の高い働き方といったものも取り入れていきたいです。

学生ライター感想:

「人の役に立ちたい」という熱い気持ちを持って熱心に仕事に励まれていたお姿や、イギリスでの価値観の変化を仕事への向き合い方にも反映させるという、柔軟な思考力を見習いたいと思いました。仕事では単調に業務をこなしがちですが、私も意義や楽しみを見出して取り組みたいです。

取材・文:中村陽

 津田塾大学 学芸学部 英語英文学科3年

校正:山口友梨子

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