INTERVIEW

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プロフィール:​​京都大学卒業後、伊藤忠商事に入社し、取引審査、部門予決算管理、部門戦略策定を経験。在職中2010年NZ、育休中2015年アメリカと二度夫の駐在に帯同、育休満了し退社。現在三度目の駐在でアメリカに帯同、現地でCSAを通じて Organic Farmerのサポートを実施中。

キャリアという花を咲かせるために、帯同中は種を蒔き根を広げる

大学卒業後、伊藤忠商事に就職。休職制度、育休延長や再雇用制度等を使いながら2度帯同された後、帰国。現在は退職し、3度目の帯同期間中です。海外での子育てや社会との繋がり方などについてお聞きしました。

帯同する気がなかった私が帯同を決意するまで

ーはじめに、これまでのキャリアについて教えていただけますか?

京都大学法学部卒業後、伊藤忠商事に入社し、約12年勤めました。入社4年目に結婚、その後夫のニュージーランド駐在が決まりました。しかし、当時はそもそも同行する気がありませんでした。

ーそうなんですね。どうして帯同することになったのですか?

仕事ができて尊敬する先輩の一言が大きく影響しました。仕事命のような女性の先輩から「私だったら一緒に行って支えてあげたい」と言われて。とても驚きましたし、支えてあげたいとは全く考えてなかったと考えさせられました。それから、 確かにそういう道もありだと思い、1年だし、(当時は)配偶者海外転勤休職制度もあるし、一緒に行くことにしました。

3度の帯同と退職

ーニュージーランドではどのような生活を送りましたか?

社会人生活では、自分の時間がとれていなかったので、目一杯好きなこと、やってみたかったことをしました。アロマセラピーの資格をとったり、フェアトレード団体でボランティアをしたりしました。

1年後帰国し、復職。当時私は入社7年目ですごく仕事が楽しい時期でした。復職3年目に妊娠して少し仕事から離れることになったものの、育休後はすぐに帰ってきて働くつもりでした。しかし、出産後夫のアメリカ駐在が決まったため、育休期間を延長して帯同しました。

ーアメリカでの生活はいかがでしたか?

渡米後数ヶ月は夏休みも重なり楽しかったのですが、雨季が始まり車もまだなく、家に引きこもる生活になりました。日本で働きたい気持ちも出てきましたが、会社の人とのやりとりやオンライン研修が気分転換になり、雨季が終わるとコミュニティに入ろうと頑張りました。自治体のホームページや、図書館、知り合ったママさんから情報を集め、子どもを通じた社会的な繋がりを構築しました。

しかし、育休満了が見えてきた頃、夫には帰国辞令が出ておらず、同時期に私の上司が変わるとのことで、会社と話し合うために一時帰国しました。結局、再雇用登録(当時3年)をして退職することに。とても迷いましたが、今は家族で一緒にいることを優先しようと思い決断しました。この後アメリカで2人目を出産、2年後本帰国しました。

日本で再雇用制度を使って復職する道もありましたが私が復職すると、子どもたちに与えたい教育環境が提供できないので、数年は私が子育て、夫が外で働いて稼ぐ役割分担をすると決めました。そして2年後、再び家族でアメリカに来ました。

ー1回目のアメリカ帯同と比較して違いはありますか?

今回は帰る職場がないことが一番の違いです。以前は会社支給の研修をしたりしていましたが、今は将来のキャリアのことも全部自主的にやる必要があります。働けないことについて、当初は不満がありました。自分で意味づけをしなければならない子育てと、他者から直接評価される仕事とでは、後者に前進を感じる価値観で生きてきたので、常に前進していたいタイプの私は、そのギャップに悩みました。

でも悩んでいても仕方がないので、自分の優先順位を決めて、その中で自分の幅を広げようと行動しています。無理にキャリアという花を咲かせようとするのではなく、種まきをして根っこを伸ばそうと思って。興味があることはやってみて深堀りして、ここでしかできないことを見つけて頑張ろうと考えています。

理想の働き方のための投資期間

ー今後のキャリアについて教えてください。

場所や時間にとらわれない働き方をしたいです。夫の駐在はおそらくまだあるし、子どもたちが帰ってきたときに「おかえり」と言える環境を作りたい。一方で、子どもを通じない、個人としての社会的繋がりも欲しいので、両取りできる働き方をしたいです。今関わっているCSAが何かしらに繋がるといいなと思ったり、以前から興味を持っていたコーチングを勉強してみたいとも思っています。

どれにも先行投資がかかりますが、時間なりお金なりを投資しないと何も得られないと思っています。日本だと早く稼がなきゃ、キャリアにしなきゃと焦ってしまうと思いますが、帯同中は、腰を据えてじっくり自分に投資できる時期という意味では、とても良い環境だと思っています。

学生ライター感想:

仕事と子育ての違いのお話が、とてもしっくりきました。子育ては自分で意味づけをしなければならないと仰っていましたが、これは自分が何かで辛くなった時にぜひ思い出したい言葉です。

取材・執筆:渡辺璃香

 慶應義塾大学大学院 修士1年

校正:長崎亜弥香

文責:三浦梓

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