帯同を決断し、新しい働き方について考える
プロフィール:大学卒業後、大手メーカーに就職。6年間の営業を経て、別業界への社外出向を経験。その後、人事部多様性推進担当に配属となる。現在は夫の海外赴任に伴い休職し、2019年12月よりフィリピンに帯同。語学や資格試験の勉強をしつつ、フェムテック企業2社でのインターン中。
帯同を決断し、新しい働き方について考える
現在フィリピンに帯同中の長崎(金田)亜弥香さんにインタビューさせていただきました。ハードワークを経験して女性の働き方について考えた長崎さんは、帯同を機に様々なことに挑戦されています。「新しい働き方」を求めて奮闘する長崎さんに迫りました。
ハードワークを経験して考えた女性の働き方
―長崎さん、本日はよろしくお願い致します!早速ですがインタビューに移らせていただきますね。長崎さんは大学ご卒業後に某大手メーカー(以下、A社)に入社されたそうですね。A社に入社後はどのようなことをされていたのでしょうか?
A社に入社して6年間は営業を担当していました。3年間は飲食店向け、3年間は量販店向けに営業をしていました。結構なハードワークでしたね。(笑)当時は、営業に配属されていた女性もあまり多くはありませんでした。
―A社で営業を担当されつつ、働き方改革プロジェクトに参画されたということですが、どのようなものだったのでしょうか?
「営業女子の働き方会議」のようなものでした。A社以外の企業も参加する社外イベントであり、このプロジェクトでは、「営業女子の今後の働きかた」を考えて実証実験をしました。
―営業女子が集まったプロジェクトだったのですね。長崎さんがこのプロジェクトへの参加を決めた動機や背景は何だったのでしょうか?
当時、営業担当をしながら女性の働き方について思うところがありました。1つはハードワークということ、もう1つはロールモデルとなるような営業女子があまりいなかったということです。こうした状況の中で、「この先もこの働き方で働き続けられるのか」疑問を感じていました。ちょうどその時に働き方改革プロジェクトを知り、参加することになりました。
―その後、大手デパートへの社外出向が決まったそうですが、そこでは具体的にどのようなことをされていたのでしょうか?また、環境や仕事内容の変化に何か戸惑いを感じることはありましたか?
お客様向けのパーティーやイベントなどの企画運営をしていました。華やかに聞こえるかもしれませんが、業務としては泥臭いものもありました。最初は慣れないことばかりで苦戦したのですが、実は、その時初めて部下をもつ経験をしました。部下をマネジメントすることも初めてだったため大変でしたね。また、部下も全員年上の方だったこともあり、社歴が短い私にできることは何かを見出すことに苦労しました。
帯同を決意―新しい道を選択するということ
―配偶者の海外転勤に伴い、現在フィリピンに帯同中(A社休職中)ということですが、帯同を決断するにあたって何か迷いはありましたか?
実は、帯同することに関してはいい機会だと思っていました。一緒に暮らしたいというのもあって、夫について行くことに迷いはなかったですし、今までのキャリアを振り返ったときに「私はこのままでいいのかな」とも感じていました。そこで、フィリピンという新しい環境で暮らすことをチャンスにしようと考えました。
―非常にポジティブですね!
結構前向きに捉えていましたね。しかし、休職を決めた後悩むことも多いと感じました。いざ休職をするとなると、ブランクが生じてしまうことに不安を感じたり、仕事がしたいという気持ちにどう折り合いをつければ良いのかわからなかったりしました。加えて、新しい道を選択するという決断に自分が責任を持てるのかどうかも不安でしたね。
―新しい道を選択した現在、何かチャレンジしていることはありますか?
現地の大学院や現地就労等、キャリアのために色々計画していたことがあったのですが、コロナウイルスの影響でできないことが多く四苦八苦しています。ロックダウン中なため家から出られないのですが、オンラインの英語学習や、キャリアコンサルタントという国家資格の勉強に励んでいます。
―企業でのインターンやボランティアもされているようですね。
女性の健康問題解決を掲げている会社2社でインターンをしています。どちらもフルリモートで働くことができています。時間を自分でうまく組み合わせることができるため、将来に向けて働き方の実験をしています。
新しい働き方を求めて
―今、将来のお話が出たと思うのですが、どのようなプランをお持ちなのでしょうか?
休職期間終了後も夫の任期が続いていれば、会社を辞めるか否かの決断をしなければなりません。そこで今は、会社に復帰する・しないに関わらず、できる範囲で自分のキャリアに役立つことを中心に取り組んでいます。帯同中に取り組んだことに自信を持てるようにしたいですね。将来的にはこれらを生かして、リモートワークのような新しい働き方で場所(国)を超えてどこまでやっていけるかを追求したいと思っています。
学生ライター感想:
コロナ禍という大変な環境下であっても、「休職したからブランクがある」のではなく、「休職したからキャリアアップできた」と言えるよう、今できる最大限のことにチャレンジし続けるお姿に非常に刺激を受けました。
取材・文:中村陽
津田塾大学 学芸学部 英語英文学科3年
校正:山口友梨子