駐妻になって出会った新しい自分
プロフィール:大学卒業後、スポーツメーカーに入社。プロモーション、ルートセールス、指定管理・PFI事業で経験を積む。配偶者の海外赴任に伴い退職し、ブラジル在住3年目。初めての海外生活を楽しみながら、リモートワークや駐妻キャリアnetでキャリアサポート活動を実施。帯同中にキャリアコンサルタント資格を取得。
駐妻になって出会った新しい自分
今回は、内資系スポーツメーカーにお勤め後、配偶者のブラジル転勤に伴い、駐妻になり、新しいキャリアを歩んでいる奥村綾香さんにインタビューさせていただきました。
スポーツに燃えていた学生時代
―海外転勤に帯同する前のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?
私は小学校から大学までずっとバスケットをやっていたため、大学でもスポーツの勉強がしたくて、スポーツコースに進学しました。将来どのようなキャリアを歩みたいとか、しっかりと考えてはいなかったのですが、ぼんやりと、男女関係なくバリバリ働きたいことに加え、バスケや大学のゼミを通じて「とにかく考えなさい」と教育を受けていたため、キャリアについても自分で考え、選択しないといけないとは思っていました。
大学卒業後は、内資系のスポーツメーカーに就職しました。入社後はプロモーションの仕事を担当し、営業を経て、その後、新規事業であった指定管理・民間資金活用による社会資本整備事業の営業兼スーパーバイザーを担当しました。社内で組織改編があったため、前例や資料がないところからスタートした新規事業は非常に大変でした。プロモーションを担当時に、チームというより、個人で仕事をしている印象があり、違和感を感じながら仕事をしていました。また、組織改編によって新規事業担当に異動した時は、つらいこともありましたが、心機一転して、積極的に頑張ろうと思えたのを覚えています。異動を経て、いろんな仕事や人に携わるうちに、自分はメーカーに就職したのですが、モノより人への興味が強いと気付き、人に関わる仕事を今後したいなと思うようになりました。
―海外転勤が決まった時の心境はいかがでしたか?
配偶者が会社の同期で、自分も一生懸命頑張ってきたのに、向こうに行ったら私には辞める選択しかないと思ったらすごくショックでした。しかし、ちょうど転職やキャリアチェンジについて考えていた時期でもあり、周りの人に相談すると、「いいじゃん!行っちゃいなよ!」と背中を押してくれる人が多かったので、いっそのことキャリアチェンジのための帯同期間にしようと決めました。また、海外で多様な価値観に触れることで、仕事を続けていく際このままでは厳しいと感じていた自分の極端すぎる思考(0か100か、白黒はっきりさせたい等)も、なんとかしたいと考えていました。
キャリアチェンジのための帯同期間
―次に、海外滞在中にキャリアを意識して取り組んでいたことについて教えていただけますか?
キャリアって「仕事をすること」というイメージがあると思うのですが、人生100年生きるとして働く時間もどんどん長くなると考えたら、ライフとキャリアは切り離せないものだと思いました。ブラジルに来て、人間的な幅が広がりました。いろいろな人がいて、それぞれに幸せの形があることがわかりました。
帰国したら、人に関わる仕事にキャリアチェンジしたいと考えていたのと、今やりたいことがあるならやってみようと思い、帯同中にキャリアコンサルタントの資格を取ったり、英語を使った業務委託を受けてみたりしました。キャリアが続くように、今の自分にできることがないかということを常に考えるようになりました。
帯同することが決まって、駐妻キャリアnetの会員になりました。セミナーに参加して、交流の場が広がったことで、仕事を紹介していただいたり、駐妻キャリアnetでキャリアサポート活動ができるようになりました。
モットーを軸にこれからも
―最後に、この先のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?
キャリアコンサルタントの資格をとって、駐妻キャリアnetで実際に活動してみると、やっぱりこの業界で働きたいと思います。具体的に言うと、人材エージェントのような、人のキャリアやお仕事に関わる仕事をしたいと考えています。働き方の面でみると、フリーランスも素敵だと思うのですが、今せっかく海外にいて、柔軟な価値観に触れているため、それをもって日本の企業で働いてみたいので、一旦企業に再就職しようかと考えています。ライフプランは、今妊娠しており秋くらいに出産、来年の年明けに子供を連れて本帰国する予定です。
最初は、生活のセットアップや保活などがあるため、どうなるかわからないのですが、できるだけ早く働きたいと思います。
―働き続けたいという思いは、結婚しても、出産しても変わりませんか?
そうですね。子供が生まれて1秒も離れたくないとなればまた考えるかもしれませんが、人間っていろんな側面をもっている方が人生も豊かになるだろうし、人としても深みがあると思うので、職業人としての部分も自分の中で継続していきたいです。
学生ライター感想:
今回は、インタビューのサポートをしていただいている綾香さんへのインタビューだったのですが、綾香さんのキャリアに対する人生観やライフプランなど、普段知れない一面を知ることができ、とても参考になりました。今後のキャリアについて前向きに考えている方で、背中を押された気分になりました!
取材・文:津田京香
津田塾大学総合政策学部/ 大学2年
校正:長崎亜弥香