駐妻キャリアnetサポーターバトンタッチ 〜 新たな出会い・挑戦の場 〜
駐妻のキャリアについて、気になる人にインタビュー。
第17回は、駐妻キャリアnetの新旧・運営サポーターである中田(張)夏彌さんと、池田晴さんにお話を伺いました。なっちゃんの独り言/Vol.6でも書かれていましたが、夏彌さんは4年間のブラジル・サンパウロ生活を終え、7年ぶりに日本へ本帰国されます。そのタイミングで駐妻キャリアnetの運営サポーターは卒業されますが、夏彌さんがサポーターをされたこの1年間で感じたこと、得られたこと、今後の展望などを、2019年から新しくサポーターとして加入された晴さんとの対談形式でお伝えしていきます!
ー いつも、駐妻キャリアnetの運営サポーターとして沢山ご協力頂き、ありがとうございます。
まず、お二人にお願いしている「サポーター」について、ピンと来ない方もいらっしゃると思うので、そもそも一体どのようなものなのかご説明頂けますか?
夏彌:
駐妻キャリアnetは、運営メンバー4名が毎週オンラインで1時間程ミーティングを行い、コンテンツの企画・進捗確認、コミュニティ管理、イベント・セミナー開催準備、内外部の協力者との擦り合わせや今後の展開などについて、運営活動に関し幅広く議論されています。その他、随時Chat Work上でやりとりをしつつ、完全ボランティアで活動しています。サポーターは、そういった運営業務全般にサポートメンバーとして3ヶ月更新で関わることができるポジションです。ただ運営業務全般と言っても、自分の興味のある分野や、今までの経験を活かせる内容の仕事を選択することが可能ですし、仕事量などに関しても勿論希望を事前に伝えた上で参加できるので、どの程度コミットするかはサポーターメンバーそれぞれで異なります。
実際、私はコミュニティの運営サポートを担当して、新規会員とのやりとりを行うところから徐々に仕事を増やしていきました!
晴:
私は2019年1月からサポーターになったのですが、始める前に「ビジョン共有会」と言ってオンライン上で自分の今までの経歴や今後のキャリア展望などについてお話する機会を頂きました。初めは、何かお手伝いしたい!という気持ちだけが先走り、一体自分にどんなお手伝いができるのかはっきりと分からなかったのですが、「ビジョン共有会」で丁寧にお話を聞いてくださったので、前職の経験を多少なりとも活かして、ウェブ関係のお手伝いをさせて頂けそうなことが分かりました。また、今までの自分の経験から、向いている職業や自分の性格などについても新しい気づきが得られて、「ビジョン共有会」はとてもプラスになりました。
ーところでお二人は、以前働いていた時はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
夏彌:
私は台北にある日系半導体メーカーで営業アシスタントとして働いていました。その後結婚し日本へ引っ越したので、社会人としてのキャリアは3年程です。
晴:
私は家電メーカーでWebマニュアルの作成を行う部署に出向し、どのような内容のマニュアルを作れば来期商品のスペックをわかりやすく提示できるか、アイディア・企画の担当として働いていました。また日本語のマニュアルをスペイン語にするローカライズ作業のサポートや、英語マニュアルの最終チェックを任されたりしていて、日々充実していました。
ー その後、お二人ともご主人の仕事の関係で仕事を辞め駐妻になられた訳ですが、駐妻キャリアnetでサポーターになった経緯を教えて頂けますか?
夏彌:
私は、人伝に駐妻キャリアnetが2017年の7月にブラジル・サンパウロで立ち上げられたことを知り、すぐ会員となって「お役に立てるなら何かお手伝いさせて欲しい」とお伝えしていたのがきっかけです。私は台湾人なので、サポーターになれば日本語のブラッシュアップができるのではないか?と言う思いがありました。また私は社会人としての経験が浅いので、日本人はどのようにして仕事を進めるのか?と言うノウハウも学べればと考えていました。
晴:
最初の駐在帯同生活を始めたポルトガルで、仕事をまた始めたいと感じつつ仕事ができない状況に対して何かアクションを起こしたいと思っていた時、「駐妻 仕事」でネット検索したのがそもそもの駐妻キャリアnetとの出会いでした。その後、図らずも夫の次の駐在地がブラジル・サンパウロとなったため思い切って連絡を取って昨年末に行われたブラジルオフ会に参加したことがサポーターになることを決めたきっかけです。その際、運営メンバーによる完全ボランティアで駐妻キャリアnetの活動がここまでのクオリティで行なわれていることに驚き、自分が見ているだけ、参加するだけでは申し訳ない気持ちとなり、何かお手伝いしたい!とお伝えし、早速サポーターに立候補しました。
ーありがたいお言葉、本当に嬉しい限りです…!実際駐妻キャリアnetでサポーターをするにあたり、ご家族の反応やご自身のプライベートの変化はありましたか?
夏彌:
サポーターを始める前、夫からは「頑張ってね」の一言があり後押しをしてくれました。私がアイディアを出したブラジルオフ会開催前は、成功するかどうか頭が一杯でごはんを作る余裕もなかったのですが、夫は何も言わずに率先して料理を作ってくれました。それまで夫は料理をしなかったのですが、その後も事あるごとに作ってくれるようになり、結果的に家族にとって非常に良い影響があったかなと思います。笑
晴:
サポーターをすることに関しては事後報告だったのですが笑、この活動についての話をする中で、私が「他にも仕事をしたいと悩んでいる奥さんはこんなにいるんだよ!」と伝えると、驚きつつも応援してくれています。また、キャリアの中断や、帰国後の仕事復帰について、みんなで相談しあったり、アイディアを出し合うコミュニティがあることは、夫も、心強く感じているようです。
ーご家族の理解が増すのは何よりですね!お二人がサポーターになってみて感じた難しさなどはありますか?
夏彌:
そもそもの日本語でのコミュニケーションはやはり難しかったです。また、台湾人はビジネスをする上でも豪快で大胆な方が多いのですが、運営メンバーは皆さんボランティアでも仕事に対し真面目で丁寧、そして責任感が強いなと感じました。そして各自が自分の意見をきちんと伝えていて、私は頭の中で考えていることを説明する“アウトプット”の難しさを日々感じていました。
ー では逆に、楽しかった思い出や、自分の中での変化はありますか?
夏彌:
Facebookグループへの参加希望の方々とやりとりをする窓口を担当できたことと、ブラジルでオフ会を開くことを提案し実際開催できたことは特に楽しかったです。変化を感じるのは、自分自身のことが段々分かってきた、と感じるようになった時です。それまで気付かなかった、「自分の知らない、初対面の人と出会うことが好き」ということに気が付けたのは大きいと思います。
晴:
先日サンパウロで行われたチャリティーイベントで、Amigos do Bemと言うブラジル北東部の貧困状態にある人達を支援する団体の担当者を招き彼らのボランティア活動の説明をして頂いたのですが、その通訳を任されたことは、非常に刺激的でした。元々スペイン語を学んでいたためスペイン語の通訳経験はあったのですが、ポルトガル語での通訳は初めてで、そういった自分自身の成長の機会を頂け、新たな挑戦ができ楽しかったです。それまでの自分のコンフォートゾーンを出て、「当たって砕けろ!」と言う気持ちで様々なことに挑戦してみようと考えられるようになったのは自分の中での大きな変化だと思います。
ーなるほど、活動を通して自分の中で新たな気付きや発展があるというのは素晴らしいことですね!では、サポーターをしていて良かったと思ったことはありますか?
夏彌:
自分のネットワークが広がったことと、アイディアを運営メンバーにアウトプットして、手放しに賛成されるのではなくむしろ反対されたり真剣に向き合ってもらえた時、この活動をしていて良かったと思いました。運営メンバーは、駐妻キャリアnetの活動に関して本当に真剣に、情熱を持って議論しています。企画が採用されないということは、自分の考えの浅さや説明足らずで、まだまだ私自身に足りない部分があることの裏返しです。私は常に成長する余白を探しているので、自分の考えに対ししっかりフィードバックをしてもらえたことは貴重な経験となりました。
ー 先程お話に上がったチャリティーイベントも、実は夏彌さんたってのアイディアでしたもんね!お二人は今後新たにチャレンジしたいことなどありますか?
夏彌:
駐妻キャリアnetのサポーターの活動を通して「自分の知らない、初対面の人と出会うことが好き」だと気付けたので、新しい人と接することができる仕事に就きたいなと考えています。具体的には、得意の語学を活かして、不動産やアパレルなどの接客業に挑戦してみたいです!晴さんは何かありますか?
晴:
私は、もっと駐在国・ブラジルの文化に触れたいと思っています。具体的にはブラジル特有の楽器を習い始めようかと計画しています。一方で、日系人の多いサンパウロ生活の影響から、日本文化にも興味が湧き始めたので茶道にチャレンジしてみたいと思います!
ー 最後に、駐妻の方々に応援メッセージをお願いします!
夏彌:
駐妻期間は、自分を見つめるための良い時間だと思います。そのために、①自分のためにゆっくり自由に考える時間を作る②心を落ち着ける③やりたいことを楽しんでやる!この3点を皆さまにオススメしたいです。仕事をしていると忙しくてなかなか考える暇がないと思いますが、駐妻期間を「今まで何をしてきたのか」「現地で何をしたいか」「これから何をしたいのか」ということを自問する良い機会だと捉えて、とにかく楽しんでもらいたいです!私は、キャリアのブランクはポジティブなことだと思っています。ブランクに、自分の好きな色をどんどん塗っていってください!!