INTERVIEW

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プロフィール:1986年札幌生まれ。津田塾大学卒業後、電力会社にて途上国の省エネ・再エネ政策立案支援、発電所建設の環境社会調査を担当。 その後、経営コンサルに転向し、SDGs戦略や人権方針策定支援に従事。2017年より配偶者の転勤に同行、南米コロンビア在住。2020年7月「ビジネスと人権」に特化したNGOを立上げ、日本と南米で活動中。

安定志向だったファーストキャリアから、「自分の道」を歩んでいくまで

大企業に勤めたのち、メキシコを経て、現在コロンビアに駐在帯同中の鈴木真代さんにインタビューさせていただきました。『ビジネスと人権』という専門領域でのキャリアについてお話を伺いました。

安定志向だったキャリア選び

―海外転勤に同行する前のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?

就活をするときは長く安定してた会社でガッツリ働きたい、そして公共性の高い仕事に携わりたいと思っていたので、インフラ業界やメーカーを受けていました。結果、東京電力に入社してはじめは各地域の支社・支店の業務に携わっていました。ただ、海外事業に携わりたいと思っていたので、ずっと国際部への転勤希望を出し、たまたま希望が通り、JICA(国際協力機構)の案件を担当することになりました。そこでは1年の3分の1くらいは出張で海外にいて、海外のクライアントと直接対面しながら仕事ができて、すごく楽しかったです。そんな中、東日本大震災が発生しました。会社が責められたり、経営の危機を感じたりして、自分は職場の先輩や上司、仕事内容は好きだったのですごく悩みました。報道を見ていると、自分が責められているような気分にもなって、家族も悩んでいたようです。専門性を磨く方向性なども悩んだ結果、転職することにしました。

―転職後はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

デロイトトーマツコンサルティングに転職したのですが、3回目の異動でCSR・SDGs推進室の発足メンバーになりました。当時は、SDGsや人権問題について、上司と共に、経営者にプレゼンしていくような仕事をしていました。そこで「ビジネスと人権」という領域はまだまだ専門家が少ない分野だと気づき、その領域を深めていこうと考え、今に至ります。その後、配偶者の海外転勤が決まり、退職して帯同することになりました。

人との関わりの中で見えてきた自分の道

―海外滞在後のキャリアはどのようなものでしたか?

はじめは、メキシコに行ったのですが、キャリアが断絶したみたいに思っていました。ラテンアメリカでプロフェッショナルになるイメージもあまり浮かばなかったし、何より前提としてスペイン語も話せるようにならないとですし。ただそのあと、2020年7月に「ビジネスと人権」をテーマに友人3人で自分たちの団体を立ち上げることになり、オンラインで日本向けに活動するようになりました。メキシコの次にコロンビアに住み始めたことも、配偶者の転勤がきっかけですが、良い機会になりました。人権問題も含めて平和構築や先住民の権利への関心が深まり、ここをフィールドにして、専門性もここで深めていこうと思いました。

―そんな中で意識していたことはありますか?

いかに現地に知り合いを増やすか、人脈を築くかということを意識していました。人の権利を扱う仕事をするからには、地元の文化や歴史を知り、その人たちの考え方を知るためにも、いろんな人と話すことが重要だと思ったからです。あとは、大学院で学びなおしをしたいと考えていたのですが、それも友人から同じコースを学んだ方を紹介してもらい、希望した平和学・紛争解決学のコースの詳細を知ることができました。

ラテンアメリカの人権課題解決に向けた取り組み

―この先のキャリアプランについてお伺いしてもよろしいですか? 現在、コロンビアの2つの組織でインターンをしています。1つはビジネス協議会、もう1つは人権NGOです。コロンビアには先住民がとても多いんですね。なので、どちらの仕事でも先住民と多国籍企業の対立をテーマとする案件を扱います。土地や資源をめぐって紛争が頻発しているので、企業と先住民コミュニティの間の社会環境紛争を修士論文の題材として調査しており、今後も先住民コミュニティに寄り添う活動をしていきたいです。また、日本に本帰国する予定は未定ですが、帰国するまでの間、ラテンアメリカの人権課題やその解決に向けた枠組みを自分なりに分析して発信し続けていきたいと考えています。

学生ライター感想
「自分事」と「ご縁」というふたつの言葉が思い浮かびました。その「ご縁」をひきよせる真代さんの人柄がとても伝わってきました。私も問題を自分事として捉え、専門性を深めるために動き続けられる人になりたいと感じました。

取材・文:村山彩
筑波大学大学院システム情報工学研究科修士2年

校正:中山斉奈

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