INTERVIEW

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プロフィール:大学卒業後、総合商社の機械グループで営業・事業投資先管理を経験。2019年夫のアメリカ赴任に帯同。コロンビア大学国際公共政策大学院在学中。

産後10日目で大学院に復帰!情報収集しつつ自分のしたいことを追求する

アメリカで大学院に進学中の福島さんにお話を伺いました。帯同前のキャリア、帯同先での大学院進学、出産について話していただきました。

国際政治への関心から商社へ就職

―学生時代からのキャリアについて教えて下さい。

私は戦争や平和など国際政治について興味があり、大学では法学部政治学科に進学しました。大学4年生の時、結果にシビアなビジネスの世界でまずは自分の実力を養う必要性を感じ、日本の商社に入社しました。国際政治と関係のある資源グループを希望しましたが、機械グループへの配属になりました。当初の希望とは異なりましたが、与えられた環境で目の前の仕事を頑張ろうと思い、しばらく国際政治への関心は脇に置いたままでした。

入社5年目の時、配偶者のアメリカ駐在が決まり結婚しました。その時点で、まだ商社で胸を張ってこれをやった、と言える様な仕事をできた自信がなかったので、帯同せず仕事を続けました。2年間の別居中、夫とは1年に2週間しか会えませんでした。

生涯を通じて良い仕事ができる人間になることは、幼い頃からの目標だったので、簡単に仕事を諦めることができませんでした。しかし、もし明日地球が終わるならば、やはり家族を優先すると考え、会社を辞めてアメリカに行きました。

人生を見つめ直し大学院へ進学

―アメリカ到着後の生活について教えてください。

夫の駐在後、仕事復帰することを意識して生活していました。生活リズムを保つために、夫が会社へ行く時間に私も家を出て、夫が帰って来る夕方まで地元の図書館で勉強をして過ごしました。

また、会計を学ぶために通信制の学校に通い始めました。しかし、あくまでも必要性を感じて始めたことで、好きではありませんでした。そこで、自分の好きなこと、したいことなど、自分の人生について考えるようになりました。模索した結果、やはり国際政治に興味があると気づき、大学院への進学を決めました。

カリキュラムが1番魅力的に見えたコロンビア大学院への受験準備を始めました。エッセイ、論文、テスト対策、推薦状を書いてもらうなど、忙しかったです。

―帯同中、1度就職されていましたね。

大学院入学まで半年ほどフリーな時間があり、社会勉強を兼ねて現地のコーポレートガバナンス関連の会社で働きました。商社時代の事業投資先管理の経験が役に立つと思い4ヶ月ほど働きました。

―大学院在籍中の出産について教えてください。

大学院に合格した5月に妊娠が判明し、12月に出産予定でした。予定通り9月に進学するか、辞めるか、または延期するか迷いました。妊娠や出産、育児をしながら大学院に通うということが本当にできないのか、調べてみようと思いましたが、周りには大学院進学中に出産をした人がおらず、進学したい気持ちと、出産や子育てという未知の経験への不安に戸惑う日が続きました。そこで、インターネットで「大学院 妊娠」と検索して、見つけた経験者の方にSNSを通して直接連絡を取りました。皆さん親切に話してくださり、それまで漠然としていた、大学院のカリキュラムと、妊娠・出産・産後のイメージがおぼろげながら掴めました。その上で、赤ちゃんの命と自分の健康を最優先することと、自分が大学院で達成したいと思う目標に集中することが、両立できると信じて、覚悟を決めて進学することにしました。

―この経験を通して、何か学んだことはありますか?

あまり人がしていないことを自分ができるのか不安に思う場合は、体験者から話を聞くことが大切だと感じました。そもそも、「(何が)できるだろうか」という悩みは、理論上やったことがない人にはわからないので、「できる」と言えるのは経験者だけです。ところが、やろうとすることがマイナーであればあるほど、「できる」という意見に触れる機会が少なくなってしまいます。私もこの経験を積極的に発信することで、やってみたいけれどできるかどうか不安に思う人の力になれればと思います。

また、優先順位をつけて時間を賢く使う習慣が身につきました。例えば妊娠中は、1日8時間は絶対に寝るなど自分の体調と赤ちゃんの命のために最低限守りたいと思うルールを決めてその枠内で行動するようにしました。

再確認した国際政治への興味

―この先のキャリアプランについて教えてください。

まずはしっかり勉強をして、来年5月に大学院を卒業したいと思っています。その後、具体的にどのように働くことになるかはまだわかりませんが、駐妻の経験を通じて、自分が情熱を感じることは、できるだけ多くの人が幸せに暮らせるために世の中を改善していくことだとわかりました。1番自分が得意なことで最大限貢献できて、インパクトを出せる領域で仕事をしたいと思っています。 

学生ライター感想:

自らの興味分野を追及する福島さんの姿から非常に刺激を受けました。また、不可能だと思うことも徹底的に情報収集をしてトライすることの大切さを感じました。

取材・文:伴仲 紗恵

 津田塾大学 多文化・国際協力学科/1年

校正:山口友梨子

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