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石橋真弓さん

どんな環境でも、続けることで飛躍する!フラワーデザイナー兼ネットショップオーナー・石橋真弓さん

駐妻のキャリアについて、気になる人にインタビュー。
第17回は、ジャカルタ駐在への帯同中に、フラワーアレンジメントサークルを開催された石橋真弓(いしばしまゆみ)さんへのインタビュー。
趣味のフラワーアレンジメントが、現在はアトリエとして事務所を構えるほどの仕事になり、現在はネットショップ運営や女性の起業応援へと発展しています。

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ー こんにちは!まずは簡単にご経歴を教えてください。

新卒で就職した会社では貿易事務の仕事をしていました。その頃フラワーアレンジメント教室に通い始め、8年間続けた後に講師の資格を取り、ブライダルコーディネーターの学校に通いました。就職から9年経った頃に退職し、友人と銀座にアトリエを開いてブライダルの装花や企業から花束のご依頼を受けたり、教室をしたりしていました。開業2年後に結婚し、すぐに夫がインドネシアのジャカルタへ駐在となり帯同しました。
ジャカルタでは、駐在員の奥様にフラワーアレンジメントを教えていました。口コミで人が集まり、週に40名ほどの方がいらっしゃって、5年間で約120名もの方とお花を通じた出会いがありました。
帰国後は群馬転勤となり、東京と群馬を行き来しながら教室をしました。2010年から現在までは三鷹市に住んでおり、2011年からアトリエブルージュを運営しています。

ー 駐在より前から開業の道を歩まれていたのですね。独立までの経緯、銀座のアトリエでのお仕事について教えてください。

たまたま始めた習い事が、生涯の仕事に
趣味で始めたフラワーアレンジメントや仕事に、とても充実した会社員生活でしたが、その頃は未だ産休を取り復職する女性が少なく、結婚・出産後にも仕事を続けられるのか不安になりました。女性の環境が変わってもできる仕事にしようと思った時に、それまでずっと続けてきたフラワーアレンジメントがあると気づきました。そうして、プロ養成講座などに通い、退職前に自分のカリキュラムを作って独立の準備をしました。

順調に滑りだした銀座でのアトリエ開業

銀座での開業はスムーズに進みました。近くに大きな会社が多い場所だったので、退職や異動の際に花束の依頼をいただけました。前職の知人から紹介でお仕事を頂くこともあり、人とのつながりが大切だとも感じました。

ー 独立してすぐにお仕事があったとは、素晴らしいです。順調にスタートされたものの、2年後にご結婚されてすぐ、ご主人が駐在員となられたとお聞きしました。赴任先のジャカルタでも教室を開催された経緯をお聞かせください。

ジャカルタでのスタートは手作りチラシから

帯同して2ヶ月、語学や習いごとをしてましたが、子供もいなく時間があったので、お花をアレンジしたいな思い、サークルで生徒さんを募集しました。
語学学校のカルチャースクールからお花の教室の講師のお話もいただきましたが、実現には時間がかかりそうでした。そこで、自分でチラシを作成して日本食スーパーに貼ったところ、たくさん問い合わせがきて一気に20人くらいの人が集まりました。教室を始めてからも生徒さんが増え、週1日・3クラスでやっていたクラスを週2日・5クラスに増やしていきました。当時は若かったこともあり、周囲からどう思われるか、などあまり考えないままスタートしたところがありましたが、いざ始めた後もトラブルなどは無かったです。

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南国のクリスマス・ショッピングモール

好きなことを楽しむ、毎週のスケジュール

毎週月曜朝5時ごろ花市場で仕入れをしてカリキュラム作りを行い、火・水曜日には朝昼夕方の3回ずつ教室を開催していました。他の日は、ゴルフや現地の染物を習ったり、陶芸教室に通ったり、友人といろいろな会を開いたりと、駐在生活をたくさん楽しんでいました。
お花は仕事というより趣味でしたね。せっかく好きなことができるのだからと、特に火・水曜日はとっても楽しかったです。

何もないところから始める。駐在中だからこそ身についたスキルと自信

週末には現地のマーケットに行き、たとえばバスケットや大きな貝殻など「いいな」と思ったものは購入しておいて、それらを用いて自分がデザインしたアレンジメントを造り、生徒さんに同じものを作ってもらうというスタイルでやっていました。ジャカルタは日本に比べると花や資材の種類が少ないので、「何もないところから始めて、限られたもので乗り切った」という経験は、その後この仕事をする上で力になったと思います。「どんな状況であってもお花に関してはこなせる」、という自信がつきました。

ー毎週カリキュラムを作るとなるとお忙しかったのではと想像するのですが、家事や育児との両立はどのようにされていましたか?

周囲の助けを受けながら、家事と仕事の両立住んでいたアパートの現地の友人に花屋を紹介してもらい、運転手さんには花屋とのやりとりを仲介してもらったり花市場へ連れ行ってもらったり…と、周りの方に助けてもらいながら教室を行っていたので、両立は難しくなかったです。妊娠してからはメイドさんに来てもらい、次第に家のことだけでなく教室の下準備なども手伝ってもらうようになり、ずいぶん助かりました。 出産時は一時帰国し、生後4か月の子供を連れてジャカルタへ戻りました。生徒の皆さんが待っていてくれたので、すぐに以前と同じスケジュールで再開しました。週末にジャカルタへ戻り、翌週の月曜日には仕入れに行き、火曜日から教室を再開し始めましたね。

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仲良しのプレイグループのママ友達と1泊旅行

ー 翌週からですか…。お話を聞いていると本当に行動力に驚かされます!お仕事に関する悩みはなかったのでしょうか?

銀座の頃と、駐在の間は特に悩みはありませんでした。駐在の頃は運転手さんの中には、子供を見ていてくれる人もいましたし、日本人も皆、お互いによそ者同士で助け合える部分があって、孤独にもならず楽でした。 むしろ日本に帰ってからの方が大変でした。
群馬転勤で知り合いもおらず、子供も当時2歳だったので仕事の規模が限られて、もうちょっとやれると思うのに何にもできない!という感じでした。唯一、東京で月一回のレッスンだけは続けていました。群馬でも少しお仕事はありましたが、メインは東京の教室で、そこにジャカルタ時代の生徒さんも来てくれました。

ー 本インタビューの少し前まで、今度はご主人が単身で海外赴任されていたとのことですが、2回目の帯同をしなかった理由と、それに対してご家族はどのような反応を示されたのかお伺いしてもよろしいですか?

ついていきたい思いもありましたが、今あるすべてを手離して、また日本に帰ってきてスタートというのは難しいと考えました。子供が小学校中学年で狭間の時期でもあったので、帯同しませんでした。夫も、赴任先がフィリピンだったのでたまに帰ることができましたし、最終的には「せっかくだから日本での仕事を続けたら」と言ってくれました。夫がよく言ってくれるのは「好きなことを仕事にできる人はそんなに沢山いるわけじゃないから、やるなら本格的にがんばれ」です。

ー 改めて現在のお仕事内容と、今後取り組まれたいことをお聞かせください。

ここ数年はフラワーアレンジメントを軸として、【教室】(生花・プリザーブドフラワー・アーティフィシャルフラワーなどのアレンジメント)、【企業向けイベントの企画や講師派遣】、【ネットショップ運営】 – アトリエブルージュ flowershop の3本柱でやっています。群馬から東京に戻った翌年にアトリエを立ち上げた時は子供が幼稚園生だったので、教室と並行して家でもできるネットショップでもやろうかなという感じで始めました。

今後は地域の女性を応援する側に

今後は、ネットショップでの売れ筋商品の手作りキット販売や講師の育成に力を入れることで、地域の子育て世代の女性が活躍できる場を増やしたいです。これは先日三鷹市の創業セミナーに参加したことで考えたのですが、実はこのセミナーへの参加は、中学生になった子供が社会科見学の施設から私にチラシを持って帰ってきてくれたことがきっかけです(笑)。

駐妻の遠隔サポートあとは、女性が転勤などで環境が変わっても教室を開けるシステムを作りたいと思っています。今、講師として活躍している生徒さんは以前海外駐在に帯同していたのですが、そこで教室を始めたいということで、SNSの動画サービスを使ったりして日本からサポートをしていました。その経験から、海外駐在というのはコミュニティーが深くて狭いので、サポートさえあれば誰でも新しいことを始められるのではないかと思うようになりました。

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ジャカルタでのフラワーサークルの様子

ー お仕事をする上で、どんなところにやりがいを感じますか。大切にしている思いなどはありますか?

この仕事は、お花を通じて喜んで頂けることが励みになります。依頼してくれた人が、お花を頼んで良かったと思ってもらえればそれでいいかなと。また、生徒さんにもお花をご購入いただく方にも、みんなが楽しくできればいいと思っています。さらに最近では、主婦仲間や生徒さんが技術を身に着けて一緒に講師として活躍してくれていることがとても嬉しいです。

ー 最後に、世界中のキャリアに悩む駐妻に向けてメッセージをお願いします。

結婚後は想像以上に環境が変わりました。駐在、出産、国内転勤、その後夫が海外に単身赴任。その間に夫の国内単身赴任もありました。最初に仕事を離れる時は絶望的な思いもありましたが、行ってみれば楽しい駐在生活でした。ジャカルタでは仲の良い生徒さんやママ友もできて、とても良い思い出です。やりたいことを思うように出来ず動けない時期でも「細く、長く、途切れずに」とお花を続けてきました。最近は、「タイミングと周りの助けで次の何かがやってくる」と感じています。 今思えばですが、駐在中、私はお花を通じて仕事というよりもコミュニティーづくりをしてきたと思います。それは自分が楽しむためにやっていました。今現在駐在されている方も、ぜひ楽しんでください。

<インタビューを終えてみて>

駐妻となって半年の私にとって、真弓さんの場合3か月で教室をされていたという事実は、とても驚きでした。お聞きしたエピソードで共通しているのは、「気負いすぎない、考えすぎない、行動に移す。」ということ。とても軽やかです。 例えば、駐妻時代の教室も「チラシを貼ってみたら人が集まった」。大変そうだなあと思う海外での仕入れも「数時間で終わります」という感じ。キャリアに興味があればあるほど、気負って動けなくなりそうだった私は「悩まずとにかく行動する」ことの素晴らしさを改めて気付かされました。
また、ご主人やお子さんの理解があり応援してくれる環境や、駐在中にメイドさんや運転手の方がサポートしてくれるのは、みんなが協力したいと思える雰囲気を持ってらっしゃるからだろうとも感じました。真弓さんの「タイミングと周りの助けで次の何かがやってくる」という言葉の通り、状況に合わせて自分が出来ることを行動し続けていれば、自然と物事が動くんだ。そのように思えました!
(担当:徳永なつ)

brugge

アトリエブルージュ
石橋真弓が代表を務める、武蔵境駅前のお花の教室・ウェディングアイテム、リース、手作りキットのお店。
お花の教室では、初心者から講師コースまで幅広く展開し、オンラインでは、プリザーブドフラワー、リングピロー、ウェルカムボードの手作りキットが人気。

https://ameblo.jp/brugge-flower/

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