INTERVIEW

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プロフィール:大学時代に国際協力NGOを立ち上げ、代表を務める。大学院時代に、フィリピンに留学し、NPOでインターンをする。卒業後は、会計システムコンサルタントとして、企業の基幹システムの導入に携わる。2013年、夫のシンガポール赴任に帯同し、長女を出産。2018年に、夫のニューヨーク赴任に帯同。現地校に通う子どもの子育てをしながら、コミュニティカレッジに通う。

自分の気持ちと真剣に向き合う、その力が生み出すキャリアとは

今回は、子どもの教育に関する国際協力に興味を持ち、学生時代から積極的に活動されてきたTさんへのインタビューをお届けします。NGOで働くという夢を抱きつつ、システム業界に就職されたTさん。充実したキャリアや駐在帯同について、お話を伺いました。

自分に「必要」なキャリアを選ぶ

ーそれでは初めに、配偶者の駐在に帯同される以前のキャリアについて、学生時代のお話からお願いします。

はい。私は、学生時代からアジアやアフリカの子ども達の教育問題に関心があり、国際協力に携わることができる非政府組織(NGO)で働きたいと考えていました。学生時代にフィリピンの非営利組織(NPO)でインターンを行い、非政府組織(NGO)の仕事に携わるためには、まずは企業で働き、社会人としての経験が必要だと感じました。そこで、日本のビジネスの仕組みを知るために、大企業の基幹システムを導入するシステムコンサルティング会社(以下、A社)に就職しました。

ーA社では、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?

大企業向けの会計、流通、購買のシステムの導入や運用を担当しました。まだ20代だったにも関わらず、一緒にお仕事をするお客様は大企業の部長や取締役の方々でした。お客様に信用していただき、良い関係を築くために、試行錯誤をした覚えがあります。お客様やチームのメンバーと協力してシステムを作り上げることに、やりがいを感じていました。入社当初は、数年勤めたら退職し、国際協力への道に進むつもりでしたが、チームリーダーや社内の若手社員教育を任せてもらうなど、自分の役割も変わっていく中で、仕事が益々面白くなり、A社に10年間勤務しました。

環境の変化に適応しながら、キャリアを意識する

ーその後、配偶者のシンガポール駐在が決まったそうですね。

はい。A社から管理職になるお話をいただいたタイミングだったため、帯同には迷いがありました。しかし、自分のキャリアを振り返った際、今の仕事が自分が本当にやりたい仕事なのかという迷いがありました。また、家族と過ごす時間を優先させたいとの思いもあり、A社を離れ、帯同する決意をしました。

ーシンガポールではどのように過ごされたのでしょうか?

自分を磨くことに時間を使いたいと考え、語学学校で英語を学びました。現地で妊娠・出産を経験しました。帰国後のキャリアを意識して、システム系の最新情報をインプットしたり、A社時代の上司や同僚とも連絡を取っていました。せっかく海外にいるのだから、新しい文化や価値観を知りたいと思い、現地で出会った多国籍な友人達との出会いを大切にしました。

ー帰国後はA社に戻られたそうですが、どのようにして、子育てをしながら時短勤務をこなされたのでしょうか?

退職する際に、人事の方が再就職した際に同じポジションで働けるように規定を作ってくださったので、スムーズに再雇用で働くことができました。子どもを保育園に預けるためには、会社に所属していないと難しいという日本の保育状況にはびっくりしました。時間を有効活用するため、夜は子どもと一緒に早く寝て、早起きをして仕事や家事をする生活スタイルに変わりました。自分の時間はありませんでしたが、久しぶりに社会の一員として働くことができたため、精神的には充実していたと思います。

ー現在はニューヨークにて、2回目の駐在帯同を経験されていらっしゃるんですね。

はい。ESLやコミュニティカレッジに通い、ライティングやスピーチのコースを履修して英語力の向上に務めています。子どもの幼稚園や小学校では、先生や他の保護者の方と話す際、実践的な英語を使うことに苦労していますが、積極的にコミュニケーションを取るように努力しています。コロナウイルスの影響で、子どものオンライン授業のフォローもしました。

再燃した気持ち「子どもの教育に携わりたい」

ーお子様を通じてアメリカの教育をご覧になり、改めて子どもの教育に携わりたいというお気持ちになられたそうですね!

そうなんです。日本とアメリカの教育の違いに驚きました。アメリカの子どもたちは、幼い頃から、プレゼンテーションのような発表やライティングの勉強をしています。自分の意見を分かりやすく伝える練習をしているんです。非常に感心しましたし、日本も参考にできる部分なのではないかと感じています。

ー今後のキャリアプランについては、どのように考えていらっしゃいますか?

はい。日本とアメリカの教育の違いを知って以来、日本の教育にも興味を持つようになりました。仕事にできるかは分かりませんが、アメリカの教育の良い部分を、日本の教育に取り入れる活動に携われたら嬉しいです。そのため、本帰国までに、アメリカの教育について勉強したいと思っています。更に多くの選択肢を残しておくために、前職で携わっていたシステムに関する最新情報もチェックしています。7年ほど前から、EDAYAという団体で、フィリピンの先住民族文化を発信するお手伝いをしています。その活動も続けていきたいです。再就職に対する不安はありますが、自分の状況や気持ちと向き合いつつ、キャリアを描いていきたいと思います。

学生ライター感想:

Tさんは、学生時代の関心とは違う分野のお仕事にやりがいを見出すことのできる、素晴らしいキャリア力をお持ちだと感じました。2度の駐在帯同や育児を経験される中、もう一度同じ目標に向かわれる姿が非常に素敵です。

取材・文:笠原菜々子

 津田塾大学学芸学部英語英文学科3年

校正:山口友梨子

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