INTERVIEW

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プロフィール:1986年生まれ、東京大学教養学部出身。在学中、スペイン・マドリードに留学。大学卒業後、静岡県の楽器メーカーに就職。経理要員として様々な管理系ポジションに従事。コロナ禍に社内結婚のパートナーの海外駐在が決まる。2022年4月、11年間勤めた会社を退職し、中国杭州に渡航予定。

キャリア継続を望んだ私が退職して帯同を選んだ理由

中国での帯同生活を目前に控えている鈴木さんに帯同に向けた準備からキャリアに対する思いまで詳しくお聞きしました!

11年間、メーカーで経理財務/内部監査業務

​​ー帯同が決まるまでのキャリアを教えてください。

総合大学に進学しましたが、もともと語学が好きだったので、大学時代は語学を中心に勉強していました。英語以外に、第二外国語はフランス語を選択しました。さらにフラメンコサークルの活動を通してスペイン語に興味をもち、スペイン留学も経験しました。語学力を生かせる仕事に就きたいと考え、ご縁のあったメーカーに就職しました。入社後は、本社の経理・財務部に配属になり、単独決算・連結決算などの経理の基本実務を担当しました。数年ごとのさまざまな管理系部門へのローテーションを経て、計11年間働きました。最初の頃は正直ルーチンワークが多い仕事にやりがいを感じられない時期もありましたが、この基本的な積み上げが自分が希望していた海外関連の仕事につながるはずと思って続けました。最後の3年間は内部監査の仕事をしました。そこでは今までの経理の知識だけではなく、英語力も生かすことができ、経営視点の考え方も知ることができたためとても面白かったです。

帯同中の過ごし方について自ら模索した日々

ーパートナーの駐在が決まったときはどのような思いでしたか?

夫の中国駐在が決まった時は、妊娠が分かった直後だったこともあり、夫は単身赴任をしてもらうので良いと考えていました。

しかし実際に子どもが産まれると、子どもの成長を夫と共有して一緒に過ごしたいという気持ちが強くなりました。一方、帯同することで自分のキャリアが中断されてしまうことにとても抵抗がありました。夫とは同じ会社だったので、「なんで私が会社を辞めなきゃいけないの?」と思っていましたね。会社には再雇用制度という、「家族の駐在に帯同することを理由に退職した場合は帰国後再雇用される制度」があったため、社内では配偶者の駐在が決まると退職して帯同するという強いイメージがありました。私は前々から海外志向が強く、会社で高い評価も頂いていたので、私が退職するということに対してモヤモヤを感じていました。

ー帯同を決意されてから、帯同中の生活に向けて何か取り組まれましたか?

キャリアを中断させたくないという気持ちが強かったので、私も中国駐在ができないか会社に尋ねたのですがそれは難しかったので、退職し現地就労を検討しました。そんな時、会社が帯同家族に現地で働くことを認めていないことを知りました。疑問に感じたので理由を聞きましたが、「かつてからの運用だ」という回答しか得られず、全く納得できませんでした。そのため、「今の会社にこだわってモヤモヤした気持ちでいるよりも、新しいキャリアを模索しよう」と思い、再雇用申請はしませんでした。

ただ元の会社に戻らない以外にどんな選択肢があるのか知りたかったため、転職エージェントに登録したところオファーがあり、外資系企業から内部統制の仕事をフルリモートで行うというお話をもらいました。残念ながら中国のビザの関係で本採用には至らなかったのですが、内定を頂いた時はとても安心しました。さらに内定を得た段階で、会社が帯同家族に働くことを認めていない件について改めて会社に意見を送ったところ、「今の時代にそぐわない運用のため、今後社内の制度を見直して帯同家族も働くことができる仕組みを整えられるように変えていきたい」という回答をいただけました。ずっとモヤモヤしていた段階から一歩進められた気がして、諦めずに言い続けて本当に良かったと感じました。

 

家族と一緒に過ごしたい

ー今後はどのようなキャリアを考えていらっしゃいますか?

自身の経験を生かせてかつ会社のマインドに共感できるような会社で働きたいと思います。また「女性だから」や「子どもがいるから」という理由でキャリアを諦めることなく、一人一人のポテンシャルやスキルを生かすことができる社会になってほしいと思っています。そのため、日本社会の女性の働き方に対する考え方が少しでも変化するきっかけを起こす活動ができたらいいなと考えています。

ーどのような帯同生活にしたいですか?

家族で一緒に暮らして、夫と一緒に子育てをしたいという気持ちが一番です。

小さい頃は成長のスピードがとても早いのですが、夫はまだ一時帰国した時の1カ月間しか一緒に過ごせていませんし、普段はビデオ通話で顔を合わせることしかできていないなので、これから夫と子育てをして、多くのことを共有したいと思っています。

ーこれから駐妻になられる方に向けてメッセージをお願いします。

自分が今何を一番大切にしたいかを重視するのが良いと思います。私は、家族で一緒に暮らすということが大切でその目的が駐妻になることで実現します。そのため、手放さなければいけなくなったキャリアばかりにとらわれず、今後実現する家族でのより良い時間を楽しく過ごしていきたいと思っています。みなさんも今何が一番したいか、何を大切にしたいかを重視して今後のことを決められたら良いのではないでしょうか。

学生ライター感想:

納得がいかないことに対して黙ってしまうのではなく、会社に問い続けることで、会社の考え方に影響を与えた鈴木さんの強い行動力を尊敬しました。また、インタビューを通してご家族を想う気持ちがひしひしと伝わってきました。

取材・執筆:鎌田睦美

 津田塾大学 2年

校正:中山斉奈

文責:三浦梓

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