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Nozomiさん

私が駐在帯同から今もフリーランスを選び続けている理由

お久しぶりです、振井蘭です!
前回のインタビューからフリーランスの自由さに興味が湧いてきた私。しかし、チャレンジにはリスクがつきもの!フリーランス、仕事が来なかったらどうしよう?相当な自己マネジメント力が求められるのでは?リアルな経験談に触れたい、と思い、様々な分野で活躍されているフリーランサーの方に突撃インタビュー!
第1回目は海外駐在帯同期間より、フリーランスで働き続け活躍されているNozomiさんにお話を伺います。

Nozomiさんプロフィール

元は中学校正規教員だったが、転勤族の夫との結婚を機に離職。夫のベトナム勤務と同時に、現地JICAにて勤務。帰国後もJICAの仕事に就くが、やりがいを感じていた授業に携わりたいと再び教師を志し、小学校の内定をもらうも、夫の香港駐在が決まり2017年に現地へ。帯同をきっかけにフリーランスティーチャーに。小学生から大人まで、英語から日本語まで、様々な「教える」を経験し、2020年に日本に本帰国後、念願の小学校英語講師や英語資格試験の面接官など、多岐にわたり活躍中。

なぜ駐妻でフリーランサーに?

こんにちは!以前は中学校の正規教員だったと伺っていますが、なぜ香港の駐在帯同をきっかけにフリーランサーになられたのですか?

Nozomiさん

フリーランスという働き方を選択した理由は主に二つあります。一つ目は転勤族なので、契約期間が短い働き方が望ましかったこと。二つ目は、小学校教員免許取得のために通信制大学に入学したので、勉強時間を捻出する必要があったことです。その結果、フリーランスが一番柔軟な働き方として選びやすかったですね。

お仕事はどうやって見つけられたのですか?

Nozomiさん

香港の仕事は、駐在が決まった際にインターネットで検索して、渡航前に直接連絡を取って探しました。
検索でトップに出てきた補習校のホームページを見たら、理念に共感でき、自分にも挑戦できそうで、面白そうだと感じ、学校に直接連絡しました。学校側も興味を持ってくださり、渡航後に直接お会いして仕事がスタートしたという流れです。ビザについては、帯同ビザでも働けることを、一番確実な政府のホームページで渡航前に確認していました。
勉強や仕事が少し落ち着いた頃から、補習校の親御さん繋がりでチューターを頼まれることが増えましたが、経験がないことからお断りしていたんです。でも、たまたま知り合いのご家庭から娘さんのチューターのご依頼があり、ボランティアで受けてみたら、それがとても楽しくて!
中学・高校生と、補習校の子達とは年代も違って、オーダーメイドの個人レッスンはとてもチャレンジングでしたが、どんなことをしたら喜んでもらえるかを考えながら授業を組み立てることがとても面白かったんです。その後、依頼された方から香港人の大人の方の日本語チューターもやってみないかとご紹介があったり、日本人学校で教えてみないかと声がかかったり。それもこれまでと全く違うチャレンジで、楽しかったですね。

たまたま巡ってきたチャンスや変化を受け入れてみたら、楽しかったと!教える内容も対象も変わっているのでかなりチャレンジングな印象ですが。それがNozomiさんのフリーランスの世界を開いたきっかけになったんですね!

フリーランス 仕事獲得のポイント

口コミで依頼が増えていくというのは、Nozomiさんの仕事ぶりを評価されてのことですよね!どんな工夫をされていますか?

Nozomiさん

学習者のニーズを聴いて、それをカスタマイズして提案するようにしていますね。最初に「何ができて何ができないか」「何ができるようになりたいのか」「何が好きなのか」など、趣味などの周辺情報まで聞いて授業に活かすようにしています。英語一つとっても、「旅行で使いたいのか」「外国の友達が欲しいのか」など、目的によって授業の内容は全然変わってきますよね。
先のチューターでは、中高生の女の子たちと一緒に和菓子を作ったり、インスタにあげるにはどんな表現がいいか考えたりして、盛り上がりました。日本人学校に行くときは、生徒の間で流行っているものを知りたくて、例えば「鬼滅の刃」は全部観て予習しました。観る前は興味なかったんですが(笑)担任からの朝のホワイトボード連絡にイラストを描いておくと、子ども達がとても喜んでメッセージをよく読み、毎朝私に会うのを楽しみにしてくれるようになりました。休み時間や雑談で、子どもと話ができるよう準備しておくことで、近い関係を築くきっかけになったと思います。
あとは、生徒のやる気や反応を見て、授業のテンポを変えていくので、授業を見ていた方に「Nozomiさんは状況に合わせた軌道修正力がすごいよね」と言われたことがあります。

朝のホワイトボード連絡

相手が何を望んでいるかや状況を大事に行動されていたのですね!だからこそ仕事の機会が広がっていったのかもしれませんね。受けられた仕事はそれぞれ違って苦労もあったと思うのですが、Nozomiさん総じて楽しそうですよね!

Nozomiさん

そうですね。失敗することもありますが、壁があっても問題解決が楽しいですし、また頑張ろうとやる気になります。香港の日本人学校では、算数を教える仕事もやったのですが、苦手な分野でも「ピザを使って角度の概念を説明したらどうかな」とか、「これをどれだけ面白くさせられるかな」とか、考えるのは楽しかったですね。自分が楽しくないことは、授業を受ける側も楽しいと感じないですよね。自分の楽しさが絶対相手に伝わる。何より自分が楽しむことは大事にしているかもしれませんね。

スキルアップ・自己啓発の仕方

フリーランスだと研修もないし、上司・先輩もいないので、新しいチャレンジは大変そうな印象を持ちますが、どうやって勉強されていらっしゃったのですか?

Nozomiさん

同僚の先生の授業を見せてもらうようにしています。香港でも日本でも、必ず現場を見に行くようにしていました。あと補習校の場合は、親御さん向けのレターや教材関係など、残されていた書類は過去に遡り全部読みました。コロナ以降、なんでもオンラインで情報が取れるようになったので、YouTubeで教育委員会や文科省が出しているビデオを観たり、興味のある分野の教師同士のオンライン勉強会やウェビナーに出席したりしました。

そうか、情報がないというのは幻想で、取りに行けばいくらでもあるということですね!Nozomiさんはなんだかインプットされている姿も楽しそうですね。

Nozomiさん

そうなんです!いいなと思ったら今度取り入れてみよう、とか、自分だったらこうやるな、とか考えながらインプットしていますね。後は現場でやってみる!返ってきた反応を見て、その場に合った方法を見つけていくことですね。

フリーランスのリアル(メリット・デメリット)

実際にフリーランスになって感じられるメリット・デメリットは何ですか?

Nozomiさん

メリットは、「やったことがないことにもとりあえず挑戦できる」ことだと思います。これまで色んな仕事経験の話をしましたが、その一つ一つが最初から正規職員の立場だったらやっていたかどうかわからないですね。やってみたいけど向いているかどうかわからない、という仕事でも、短期契約でなら挑戦しやすいと思っています。
また、「1つに絞らずにやりたいことを同時並行できる」点も、私にとっては大きなメリットです。小学生から大人まで色んな人と関わりたいし、英語でも日本語でも言葉自体に興味があるので、色んな学びに携わってみたいんです。仕事量を自分で調節できるので、今はあえて余力を残して、やってみたい新しい仕事を入れられる時間や、勉強に充てる時間を作っています。
やりたいことだけに集中できるって、これって最高じゃないですか!
デメリットとしては、短期契約になるので一つの仕事の給与が少ないことでしょうか。私は最低収入のラインは設けていないので、自分の為になると思えばボランティアでもやりますが、プロとしてのプライドもあるので、仕事内容とのバランスを見ながら選ぶようにしています。
また、ずっと就職活動している状態が続くので、大変に感じる方もいらっしゃるかもしれません。私は仕事を探すのも楽しいので、そんなに苦にはならないのですが。
あとは、責任範囲が明確な分、線引きがあり、自分にいいアイデアがあっても提案が期待されなかったり、毎日一緒に仕事をするわけではないので、戦友レベルの人間関係をつくることが難しいのは、少し寂しいですね。ただ、色んなところに交友関係が広がるので、そこはメリットだと感じています!

香港、離島にて

まとめに代えて〜帰国後もフリーランスを選び続ける理由

改めて今、帰国後もフリーランスを続けられている理由を教えていただけますか?

Nozomiさん

香港で、フリーランスの「一度にいろんなことに挑戦できる」という楽しさに、気づいちゃったからですね!フルタイム・正規職員だとある程度1つに絞る必要もありますが、フリーランスだとどんな場所でも、色んな内容の仕事に挑戦でき、自分の可能性の広がりを感じています。今はいくつも並行して美味しいところをつまみ食いしている状況ですが、その中でもこれだと思うものが出てきたら、そこでフルタイムで働くということも、もしかしたらアリかもしれません。フリーランスなら、選択肢を閉じる必要がないんです。
マルチに働けるということは、どこでも働けるということだと思うんです。提供できるメニューを増やしておくことによって、どんな場所に行っても働き続けられる人材になれるんじゃないかなと思います。

マルチ人材ですね、時代の最先端行ってますね!
皆さんに向けて最後にメッセージをお願いします。

Nozomiさん

もしフリーランスを検討されている方がいたら、自分が何が好きで何がやりたいかを知っておくことが大事だと思います。できるけどやりたくないこともあったり、経験はなくてもやってみたいこともあったりしますよね。求人も常に変化しているので、出会った時に自分がやってみたいことなのかを即決して、チャンスを掴めるかは大事だと思います。だから、いつでも動けるようにウォームアップしておく。それをやりだしたら、フリーランスの始まりですね。
やりたいことが見えてきたら、SNSや仕事仲間に発信して知ってもらったり、やりたい仕事がありそうな募集サイトは調べ上げ登録したり、ネットワークを広げておくことも有効ですね。
実は今、5年越しの夢が叶って、香港に行く前にやりたかった小学校の英語の先生をやっているんです!他にも、日本に来る外国の子どもを教えてみたいなど、やってみたいことがたくさんあります。今があるのは、そういった自分を分析することや、自分の状況をオープンに発信していたからだと思います。

素晴らしい、おめでとうございます!
どんなチャレンジも楽しさに変えてしまうNozomiさん、これからもどんどんキャリアの可能性が広がっていきそうですね。本日はどうもありがとうございました!

(企画・取材:坂本智子、編集:吉田千明、校正:中山斉奈、デザイン:秋元かおる)

ー インタビュアー 

振井蘭(フリイ ラン)

ブラジル駐在歴1年。中堅自動車メーカー営業企画8年経験後、夫の駐在帯同のため退職(夫も同じ会社)趣味は海外旅行。フリーランスに興味はあるが、手に職がないので二の足を踏んでいる妊活中。
※注 架空の人物です。

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