INTERVIEW

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プロフィール:大卒後、8年の社会人経験の後、夫の海外赴任帯同離職。インドネシア5 年、アメリカ2年滞在。帰国後は5社8ポジションのパート勤務後、公益法人WEBスタッフ として14年ぶりに正社員復帰。現在は認定NPO法人フローレンスWEBディレクター。Facebookグループ「ブランク復職女子のカフェ」主宰。2児の母。

元システムエンジニアの母親が、再就職するまでの道のり

今回は、システムエンジニア、予備校の本社部門でパンフレットやカリキュラムの制作担当などを務めたのち、配偶者のインドネシア赴任に同行された宇田葉子さんにインタビューさせていただきました。帰国後は、公益社団法人に再就職し、自身の経験から再就職したい女性を支援する活動も行っていらっしゃいます。

システムエンジニアへの道

海外転勤に同行する前のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?

大学時代、技術・家庭科の教員免許課程の勉強をしていたときに、初めてプログラミングに出会い、非常に楽しかったのでコンピューター関連の仕事に就きたいとぼんやり考えていました。私が就職活動を始める頃、教員採用試験は狭き門で、就職氷河期になってしまったのですが、福利厚生が整っていて、男女平等に働ける環境ということからシステムエンジニアを目指しました。ダイアモンドコンピューターサービス㈱に就職して銀行駐在システムエンジニアとして5年間勤めました。その後、転職し、学校法人河合塾の本社でパンフレットやカリキュラムの制作などを3年間担当しました。

プログラミングは好きだったのですが、銀行内のエンジニアの仕事は、プログラムを書くことよりも、何度も何度もテストをしたり、ドキュメント整備をしたりすることが中心でした。それは銀行という正確性が求められる・失敗が許されない業務なので仕方ないのではありますが、ストレスを感じていました。加えて、東京生まれ、東京育ちで東京しか知らない人生だったので、他のところに行ってみたいと思い、転職をしました。転職先の仕事は自分に合っていたと感じていて、自分の理想とするものが仕事と合致していたのと、生徒の模擬試験の結果を分析して生徒指導に活かすなどシステムエンジニアの経験があるからこそできる仕事ができたので、非常に楽しかったです。配偶者のインドネシア転勤を機に退職しましたが、専業主婦になった後も「また働きたい」と思えたのは、この予備校勤務時代の充実した経験があったのが大きいと思っています。

キャリアチェンジのための帯同期間

次に、海外滞在中にキャリアを意識して取り組んでいたことについて教えていただけますか?

仕事は辞めてしまいましたが、本帰国したら日本で働きたいという思いはありました。奥様ライフだけになってしまってはいけないと思い、ボランティア活動をしていました。日本人で現地向けのボランティアをしている団体に参加し、孤児院で人形劇をしていました。日本人女性で成り立つジャカルタマザークラブで活動もしていました。インドネシアでは就労ビザはありませんでしたし、帯同中に子どもを2人出産したので仕事はできませんでしたが、ボランティアは出来る限り参加していました。その後は、配偶者の留学に帯同しアメリカに2年間滞在しました。

ーアメリカに行くことになり、日本に残ろうと思いましたか?

日本に残ることは考えていませんでした。配偶者のアメリカ留学はインドネシア赴任前から予定していたものでしたが、海外赴任で延期していたものでした。アメリカにも行くつもりでインドネシア駐在に帯同していましたので、日本に残るという選択はありませんでした。それと、子どもにとって、海外で生活することは非常に良い環境だと感じていたので、迷いはなかったです。アメリカの生活はインドネシアの生活と異なり、シッターさんがいない環境だったので、日々の生活に慣れることや子育てに奮闘していました。

子供と共に成長していきたい

最後に、この先のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?

本帰国してから、再就職先を探したのですが、7年間海外にいて、ブランクが空いてしまったため、受け入れてくれる会社がほとんどありませんでした。子どもを預ける保育園も見つかりませんでした。仕事をしないと子どもを預けられず、子どもを預けないと仕事ができない、という状況でしたし、ようやく見つかった仕事も、子どもが小さかったので、フルタイムではなくパート勤務になりました。

その後、子どもが大きくなったので、公益社団法人の正社員として再就職しました。行政から委託を受けた福祉情報のWebサイトの管理者を務めました。また、入社後に保育士資格を取得しました。ブランクから再就職するのに非常に苦労したので、国家資格があるとキャリアの強みになると感じ、取得しました。

また、「ブランク復職女子のカフェ」というFacebookグループを立ち上げ、女性の復職について情報を共有できる場を作りました。私自身、同じような境遇の人に出会ったことがなかったので、オンラインであれば簡単に繋がれて、情報を共有したり励ましあったりできるかなと思い、始めました。

8月から転職するのですが、特定非営利活動法人フローレンスという子育て支援を行う団体に内定をいただいています。本帰国した時に子どもの預け先もなく、再就職もできない状況でしたが、フローレンスが子育てを支援する活動をしているのを知り、このような仕事に就きたいと考えていました。そのため、団体の仲間として働けることは非常に嬉しいです。

個人的には、今後は日本で子育てしている外国人を支援していきたいです。駐在帯同時代に、現地の方にたくさん助けていただき、子育てを全うして無事に帰国することができたので、今後は私が日本で子育てをする外国人の方を支援する番だと思っています。そして、自分の子ども達が勉強や部活動を頑張っているのを見ていると、親が怠けていてはいけないと思っています。2人とも女の子なのですが、彼女たちが社会に出る頃には女性が居心地の良い社会にしておきたいので、できることをやっていきたいです。

学生ライター感想:

今回は、子育ても仕事も両立させている宇田葉子さんにインタビューをさせていただきました。女性の再就職の厳しさを痛感し、もっと再就職しやすい社会になれるよう私もできることをしていきたいと思いました!

取材・文:津田京香 

 津田塾大学総合政策学部/ 大学2年

校正:長崎亜弥香

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