キャリア支援を軸に新たな世界観を広げる!モスクワ駐妻から学ぶキャリア設計
プロフィール:都内の組織・人事コンサルティング会社にて、10年弱、企業の教育研修や組織活性化に関わる。2018年夫のモスクワ転勤により退職。第2子出産・育児の傍ら、キャリアコンサルタント国家資格を習得しモスクワへ。2男の母。駐妻キャリアnetにてキャリアサポート活動の立ち上げに関わり、その他様々な活動に携わる。
キャリア支援を軸に新たな世界観を広げる!モスクワ駐妻から学ぶキャリア設計
今回は、モスクワに駐在帯同し子育てをしながら駐妻キャリアnetでキャリアサポートなどに携わる坂本智子さんにお話を伺いました。これまでのキャリア経験と現在についてインタビューさせていただきました。
仕事に熱中していた日々
―海外転勤に帯同する前のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?
駐在帯同前は、都内の経営コンサルティングの会社で約10年弱働いていました。メインは組織開発で、製造業のお客様さんが多かったためので、工場のおじさんたちとワイワイしながら、一緒に目標や計画を作ってそれを運用していくまでの支援をしていました。
他にも、企業教育のプログラム開発を行いお客様にアピールして実施したり、若手社員と一緒に社内報を作りどうやって会社を良くしていくか議論したりなど本当に様々な経験をさせてもらいました。
―学生の頃からコミュニケーションをとるのが得意でしたか?
もともと、すごく内向的でした。後ろの席の子に話しかけられないくらいでしたね。
コンプレックスが強かった分、周りが輝いて見えたんですね。必ず自分にないものを持っている、だからこそ周りの人がどんなにすごいのか、どんな強みがあるのかにとても興味がありました。人の考えを聞いてその人の強みをを掘り出して聞いていくのが面白い、と気づいたのは社会人になってからでした。何より聞いていくことによって相手が輝いていくプロセスがすごく嬉しいんです。
自分のキャリアを誰かのキャリアに
―次に、海外滞在中にキャリアを意識して取り組んでいたことについて教えていただけますか?
仕事を辞める決断をした時、これまで自分の専門性が一体なんだろうと思った時、「キャリア」が一つのキーワードだと思い、第二児を妊娠して帯同までの1年間で、キャリアコンサルタントの資格を取りました。
ロシアでは現地就労が困難なので、無理をして働くよりかは自分自身の世界観を広げる時間にしたいと思っていました。渡航前に悩んで、「駐妻」「キャリア」で検索して駐妻キャリアnetを見つけてこの活動に関わりたいと思いました。帯同後、当時代表の金村彩香さんに連絡をして対応していただき岩井真理さんと出会い、一緒にキャリアサポート活動を立ち上げました。
駐妻キャリアnetで多くの方と出会って、今までにないような物を得られている実感があります。ボランティア活動や現地の人との交流など、どういう形なのかはあまり関係なく凝り固まっていた一つの価値観を離れて、新たな世界観を広げることはすごく大事だと思いました。これまでの活動を通じて今改めて思うのが、キャリアの形は人の数ほどあって、これが正解というものがないということ。月並みですが自分も周りの人も一番幸せな形を見つけられるような社会や組織を作っていきたいなと思っています。
従来の形に囚われない組織づくりの実践へ
―最後に、本帰国後のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?
どこかの企業に属して正社員として働くことも一つの選択肢としてありますが、それに囚われない働き方をしてもいいと思っています。従来の組織ではない組織形成に興味があって、ビジョンでつながれる組織作りや、それをサポートするようなことをやっていきたいです。
今、働き方が多様化していて、大企業、スタートアップもあれば、非政府組織(NGO)、非営利団体、個人がエージェントになって動いている人もいます。型にはまるのがもったいない気がしているので、自分の組織感が共鳴する既存の組織があるならジョインしたいですし、ないのであれば誰かと一緒に立ち上げたいという思いです。
学生ライター感想:
坂本さんのキャリアを大切にしたいという思いと経験を生かして人の役に立ちたいという熱意に感銘を受けました。自分の将来について考える良い機会になりました。
取材・文:津田京香
津田塾大学総合政策学部/ 大学2年
校正:三浦梓