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コミュニケーションで人の「幸せに働く」を応援する! エール株式会社 北村勇気さん 前編

駐妻のキャリアについて、気になる人にインタビュー。
第15回は、「働く楽しさがつながる世界」というビジョンの元、専業主婦歴が長かった女性や元駐妻も多数活躍しているエール株式会社のマーケティング責任者:北村勇気さんのお話。
前編はエールの事業と駐妻経験者の強みについてお聞きしました。

ー 「働く楽しさがつながる世界」をビジョンとし、『クラウド1on1 YeLL』を提供するエール株式会社。そのコンセプトが駐妻キャリアnetのミッションと重なり、エールの業務内容について大変興味深く感じております。
クラウド1on1、という言葉を始めて聞いたのですが、サービス内容を詳しく教えていただけますか?

ありがとうございます。簡単に言うと、企業の社員一人ひとりが仕事の中で新しいチャレンジをするサポートをしています。自分がやってみたいと思うことって、なかなかすぐに行動に移せなかったりすると思います。チャレンジって、必ずしもうまくいくとは限らないじゃないですか。それが怖くて、行動に移せない、そんなことはありませんか?そんな時に、信頼して相談できる人がいると勇気づけてもらってチャレンジすることができる、そんなご経験は皆さんにもあるかもしれません。
我々はそんな相談できる人「クラウドサポーター(以下:サポーター)」を社員の方にアサインして、電話で1on1を行なうことでチャレンジするサポートをしています。

「1on1」 という言葉をご存知でしょうか?
会社内の上司・部下による定期的な1対1のミーティングのことを指します。部下から仕事上の失敗や悩み、今後のキャリアなど、部下側が話したいとを議題に挙げ、相談する場ですね。最近、日本国内の企業でも取り入れられているケースが多くなってきました。
でも、上司・部下の関係だと起こりがちなのは、上司が部下に仕事のフィードバックをする時間になってしまうということ。本来の1on1は、部下が話したいことを話す場。本来の目的とは違った使われ方をしてしまっていることが多いです。

弊社では、クライアント企業の社員と外部の人材であるサポーターとをオンラインで繋ぎ、1on1を行う仕組みを提供しています。企業内だと、どうしても利害関係がありますよね。利害関係があるからこそ、部下の立場に立つのは難しいです。だから、上司が部下に仕事のフィードバックをする時間になってしまいます。ですが、社外の人であるサポーターなら、利害関係がなく部下側の立場に立つことができます。そんな、社外だからこそ作れる信頼関係を元に、サポートをしています。

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ー なるほど。確かに社内に相談できる制度があっても直属の上司に対し、なかなか正直にはキャリアに関する悩みを話せない気持ち、分かります。。。
外部の人材と社員を繋ぐ、って面白いなと思ったのですが、YeLLで行う1on1の特徴はどんなことが挙げられますか??

特徴としては、その手法と相性でしょうか。一般的にコミュニケーションの支援では、コーチングやカウンセリングといった手法がありますが、YeLLがそれらと異なる点は、1人1人に合わせて必要なコミュニケーションを提供する、ということです。
知りたいこと・やりたいことなどを一緒に考えたり、悩みや課題を聞いて解決したり、というように、会話の内容が多岐に渡ります。相手によってはカウンセリング的に関わったり、コーチング的に関わったり、手法を1つに絞りません。そんなプロセスを経て、社員の方の新たなチャレンジを応援しています。

また、そのコミュニケーションの中で、社員とサポーターとの相性はとても重要です。これは極端な例ですが、小さなお子さんのいる女性社員に対し、子どものいない中堅の男性サポーターではなかなか共感を得られなかったりします。人と人なので、どうしても相性があります。

みなさんはいかがでしょうか?
「この人はなんだか話しやすいな」「一緒に話すとあまりに噛み合わないな、、」といったことってありませんか?
ですので、お互いの様々なデータを元にして1対1の組み合わせの提案をしています。ご経歴や家族構成のようなデータも使いますが、1人1人の性格データからも相性を分析しています。 

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YeLLの3つの特徴

ー 性格データですか、、、個人同士の相性をデータから分析されているの、興味深いです。
そのサポーターの方々とはどのような方がいらっしゃるんですか?

サポーターは2019年1月時点で、150名程度が一緒に活動しています。マネジメント層の方がマネジメントの実践の場として、キャリアコンサルタントやコーチの方々が自分のスキルを活かして、また主婦歴の長い女性が、家事・育児の空いている時間を使ってコミュニケーション能力を向上させるために、とサポーターの属性は様々です。
ただ、みなさんに共通するのは、「コミュニケーションで人の『幸せに働く』を応援したい」という気持ちでしょうか。単にスキルアップ・キャリアアップだけでなく、そんな世界をつくりたい、そう思い、共感してYeLLでサポーターとして活躍しています。

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サポーターの価値観

ー コミュニケーションが仕事になる、って面白いです!
「コミュニケーションで人の『幸せに働く』を応援したい」という気持ち、素敵ですね!!
ところで、サポーターとして現駐妻や元駐妻の方が多数活躍しているとお聞きしました。異国・異文化で生活してきた駐妻だからこそ、コミュニケーション能力が高い、など駐妻としての経験を活かせる点もあるのでしょうか?

はい、現駐妻や元駐妻の方もいらっしゃいますね。
今サポーターとして活躍している駐妻経験のある方々を見ていると、駐妻時代の経験は高いコミュニケーション能力の形成に関わっているのでは、と思うことが多いです。これは私の仮説ですが、コミュニケーションの中でも特に3つの能力が総じて高いように思います。

1.自分の意思を伝える能力が高い
今まで生活してきた環境とは異なる環境で、自分とは考えが異なる人に対して、自分から意思を伝える回数が圧倒的に多いはず。生

活環境も考え方も異なる人に意思を伝えるのは一般的にとても難しいです。それを繰り返していることが、この能力を高めているのではないでしょうか

2.相手が本当に言いたいことを受け取る能力が高い
相手の話を聞く際、文化の違いなどのバックグラウンドを踏まえて話を受け止める必要があるため、日本のように感覚的に理解することはが難しいはずです。その受け止めを繰り返しているからこそ、相手の言いたいことを聞きとる能力が高いのではないでしょうか

3.自分自身を理解する能力が高い
海外の多様性のある社会の中で、周りと関わりを持つためには「自分の意見を持つ」必要があるはずです。そのため、必然的に「自分自身の在り方」を考える、要するに自分を理解する能力が高いのではないでしょうか 。

ー なるほど、日頃意識せず過ごしてきましたが、確かに、現地の方々はもちろんのこと、その他の国の方々とも話す機会は多いですし、日本人同士でも「初めまして」の方ばかりで、日本とは異なったコミュニケーションスキルを使っているかもしれませんね!

ところでエールのようなベンチャー企業では、リモートワークなどを通して、仕事の一部を外部へ業務委託されている話を聞く機会が増えているように感じます。そのような仕事を得るために、海外に滞在している間に身に付けておくと良いと思われるスキルなどあれば教えてください。

ビジョンの実現のために頑張るわけですが、我々としては、社員だとか業務委託だとか、そういう括りは関係ないと思っていて。同じビジョンを持つ方々と一緒にどんどん新しい仕事を創っていきたいと思っています。弊社の社員は5人しかいませんが、サポーターも含めると180名くらいの仲間たちが一緒に取り組んでいますね。

そんな仲間たちの中でも、人によってもちろん特技やスキルは様々。でもやはり、その人だからこそ、その人の人生だからこそ身につけられるものがあると素敵ですよね。これも私の考えになってしまいますが、駐妻だからこそ磨けることはたくさんあると思います。先ほども挙げたことではありますが、

1. コミュニケーション能力の向上
駐在中は日本では得られないコミュニケーションの機会が多いと思います。先ほど挙げた3つの能力もぜひ「自分はどうだろう?どこが得意かな?」と振り返ってみてください。振り返ってみると、自分のことに気づけて面白いと思いますよ。

他の観点でもお話しすると、私は「相手に徹底的に興味を持って会話すること」が大事だと思っています。言い方を変えると、相手のための「GIVE」ある会話ができるかどうか。
相手のことを考えて、自分ができる貢献を相手のためにする。サポーターは共通してこの部分がとても得意だし好きですね。とっても大切なことにも関わらず、そのやり方を練習する機会は子供でも大人でもあまりありません。それを、海外での生活の中で学べるように私は思うのです。

2. 好きなことや得意なこと、こだわりに気づく
日本とは違う環境だからこそ、自分の好きなものやこだわりに気付きやすいように思います。例えば、私の場合は場所にかなり影響を受けるのですが、海外や日本の地方に行くたびに、自分の好きなものや得意なことにふと気がついたりします。
他にも例えば、最近、弊社でバックオフィスの業務をしている女性が、好きなことが気がつけば仕事になっていたと話していました。彼女はお子さんの写真を「自分好みに加工したい!」と思って写真の加工を独学で学んだそうです。
そうしたらみるみるスキルが上がって、今では画像加工のお仕事もするようになりました。彼女の場合、お子さんが少し大きくなって時間ができたタイミングで、取り組み始めたようです。これも環境の変化の1つですね。人は、「学んでいる」という気負いがなく、好きなことをしているうちにできるようになります。もしかしたら、今までと違いがある生活環境だからこそ、自分の「好き」や「得意」に気づきやすいのではないでしょうか。

ー ありがとうございました! 自分の好きなことを振り返って考える時間って大切ですね。
北村さんのお話を聞いていると、コミュニケーションの奥深さと、「相手の為に自分はどうあるべきか」を考える大切さを感じます。
エールではサポーター以外の仕事も多数外部委託されているそうで、仕事の切り出しは外部スタッフからの提案で決まることもあるのだとか!
後編ではその取り組みについてお聞きし、多様な働き方があることをお伝えできればと思います。
また、北村さんご自身もエールでのお仕事に加え、大学院での研究や、伝統文化に関する活動をするなどのパラレルキャリアを歩んでおられるとか。「好きなことをキャリアに繋げる」ヒントについてもお聞きしたいと思います。お楽しみに!

インタビュー後編はこちらから!

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