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水相麻由美さん

駐在生活をとことん楽しむ!かんたんおやつマイスター講師、水相麻由美さん

駐妻のキャリアについて、気になる人にインタビュー。

第14回は、ブラジル駐在から帰国後、かんたんおやつマイスターの資格を取得し、かんたんおやつのレッスンを行う教室を開講された、水相麻由美(みずあいまゆみ)さんへのインタビュー。水相さんが作られたお菓子は、どれも繊細で美しく、サンパウロでも評判だったそう。

ー  よろしくお願いします。自己紹介をお願いできますでしょうか。

大学卒業後は食品商社に入社しました。入社後間も無く、夫の名古屋転勤により退職し、4年間専業主婦でした。その後夫がブラジル、サンパウロ駐在となったことをきっかけに、独学でお菓子作りを始めました。単なるお茶会から徐々に噂が広がり、友人から誕生日ケーキのリクエストをもらったり、友人の友人からお菓子を食べてみたい、というお声を頂いたのでFacebookの非公開グループ M-amoを立ち上げ、自分が作ってきた約40種類以上のお菓子を掲載し、写真を単純に楽しんでもらいながら、その中でご要望のケーキがあればお作りさせて頂きました。また、友達に作り方を教えてほしい、と言われたときに失敗しないポイントを説明しながら一緒に作ったりすることもありました。

ー 独学でお菓子作りを始められ、他の人に教えられるレベルまで到達されるのは中々難しいように思います。サンパウロでお菓子作りを始められたきっかけを教えて下さい。

お菓子作りを始めたのは、元々スイーツが大好きだったからですが、サンパウロに来て本格的に始めたきっかけは、ブラジルのケーキが甘党な私でも食べられないほど甘く、これなら自分で食べたいものを作るしかない!と思ったことでした。ただ、ブラジルに滞在して2年ほどが経過した頃、働くわけでもなく、こんなに時間があるのに、何もしない、できないのはもったいないなと思うようになりました。そこで、ブラジルに居ても、できることは何かないか?と考え、幼少の頃から変わらず好きなこと、「食」に関わることをしようと思いました。そうして駐在中でも取得できる資格を探し、いきついたのが食育メニュープランナーでした。強い関心を持っている食関連ならば、勉強も苦にならず続けることができ、日々の献立を考える際にもきっと役に立つだろうと思って、取得することにしました。結果、すべての課題に95点で合格し、優秀修了証を受領することができました。

ー 「食育メニュープランナー」の資格を取得されるなど、駐在中から積極的に活動されていたんですね!その後、お菓子作りを帰国後のキャリアにしようと思われた経緯を教えて下さい。

日本に帰国してからは、ブラジルでの経験をキャリアに繋げたいと思いました。そして、ブラジルでの経験から得たものは何だったのか?を改めて振り返ってみて気が付いたのは、「自分の作ったお菓子で、喜んでもらえる幸せ」でした。人に喜んでもらうことがただただ楽しかった・・・!

ブラジルでは、言葉の壁があった為、日本人駐在員にお作りさせて頂くことが多かったのですが、ブラジル人の社員の方々への差し入れやブラジル人の旦那様への誕生日ケーキのリクエストを頂いたこともありました。ブラジル人の方には、日本人向けに作っている私のケーキは甘さが足りないだろうな、と心配していましたが、「このケーキはどこで売っているんだ?」ととても喜んでいたとのメッセージを頂いたときは嬉しかったですね。「おいしい」は、人種や言葉の壁を超えることを実感しました。

作ったお菓子をきっかけにたくさんの方に出会えたので、日本でも同じようにお菓子作りを通して人との繋がりを大事にしたい、また「これ、おいしいね」と喜んでもらいたいと思いました。 ただ、お菓子作りのキャリアと言っても、洋菓子店でプロとしての技術を磨くために働くべきか、他の道を探すべきなのか、悩んでいました。そんな時、駐妻時代の友人のお母様の御紹介で「おやつマイスター」の存在を知りました。

今まで手間と時間がかかるお菓子ばかりを作ってきたので、「おやつマイスター」のモットーである「かんたんに作れるおやつ」という言葉が心に残りました。今まで何度、子供たちに「触っちゃダメ」「あとでね」を繰り返してきたことか・・・。それまで、子供達よりも、お菓子づくりを優先してしまうこともありましたが、「かんたん」というハードルが下がることでお菓子作りをしていても心に余裕ができるかもしれない。子供の「一緒につくりたい!」という声にも応えられるし、子供も満たされる時間が増えるかもしれないと考えました。また、いずれどこかの国に駐在になったとき、「子どもが小さくて中々外出できない!でも自分のために家族の為に何かしたい」という悩みを抱えている子育てママ達のお役に立てる資格なのではないかと感じました。

そんな期待を抱えて、かんたんおやつマイスターの養成講座をとりあえず受けに行こう!と決意し、はるばる岐阜県多治見市まで養成講座を受講しに行き、一般社団法人かんたんおやつマイスター協会 かんたんおやつマイスターの資格を取得しました。2018年9月から自宅にて、かんたんおやつのレッスンを行う教室を開講しています。

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かんたんおやつ養成講座にて、見た目を華やかにするフルーツの飾り付けを試行錯誤中

ー  かんたんおやつを手作りすることで、お母さんだけではなく、子供にも笑顔をもたらすことが出来るという部分が素晴らしいですね! 教室を開講されて、いかがでしょうか。

「かんたんおやつ」は、家にある材料を使って、誰でも簡単においしく作れます。スキルはいりません。レッスンでは失敗しないポイントとちょっとしたコツをお伝えしていきながら、作る楽しさと、家族や大切な人に美味しいと言ってもらえる喜びを皆さんに感じてもらうことができます。

特に、簡単なのにお店よりおいしい!と大絶賛される「かんたんシフォン」は、自分の家族だけでなくレッスンを受けた生徒さんみんなが、そのふわふわさと美味しさに感動して下さり、私自身もとてもやりがいを感じています。

一方で難しさも感じています。現状、発祥地である東海エリアではたくさんのマイスターが教室を開講しているのですが、関東ではそこまで認知度が高くありません。その為、おやつマイスターの魅力を皆さんに伝えたいと思っていても、その想いを感じてお越しくださる生徒さんはまだ40名ほど。

もっと多くのママさんに「かんたんおやつ」の魅力を広め、そして「かんたんおやつマイスター講師・水相麻由美」を知ってもらうための発信力の大切さと大変さを実感しています。

伝える楽しさは、まずは身近から。この美味しさと、手作りする楽しさ、人に喜んでもらえるやりがいを、これからたくさんの人にお伝えしたいと思っています。

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「かんたんシフォン」は、「子供たちが、大絶賛!毎日これがいいって」とたくさんの喜びの声を頂いています

ー 有難うございます。今後取り組まれたいことや想いがあれば教えてください。

2019年は講師試験を受けステップアップしたいと思っています。

「かんたんおやつ」を習得したい生徒さんを増やし、マイスターになりたい人に講師としてお伝えしていく、という2方向から、「かんたんおやつ」と携わっていきたいと思っています。また地域活性を目的とした、公民館でお子様と一緒に簡単におやつ作りをするイベントのお話も頂いているので、その企画も近日中に練ろうと考えています。

他にも広報活動として、ソーシャルラジオ出演のお話も頂いているので、講師試験に合格し、自分自身がステップアップできたとき、「かんたんおやつ」への想いを存分に知って頂くためそのような新しいことにも挑戦してみたいと思っています。

ー 最後に駐妻に向けたメッセージをいただけますでしょうか。

駐在生活は、財産です。

不便なことも多く、不満も溜まりがちですが、日本にはない良いところ、楽しいことがたくさんあります。これほど自分の時間が持てる生活も中々ないと思います。働けないことに悩むこともあるかと思いますが、中々出来ない経験をとことん楽しむことが、今後のキャリアの選択肢を増やすきっかけになるかもしれません。

何を楽しむかは人によって様々だと思います。私は食べることが好きなので、毎日のように色々な友人とランチに行き、ブラジルで人気の習い事にとりあえず挑戦し、たまには趣味のお菓子作りに没頭する。そして、その作ったお菓子をきっかけにしてお茶会を呼び掛ける。予定がない日がないほど、自分のしたいことを、これでもか!!というくらい思いっきり楽しんでいました。 

駐在生活は、過ぎればあっという間です。人生の中のほんの短期間だなと思います。今しかできない経験もたくさん近くに転がっていると思うので、好きなこと、興味のあることをとことん楽しんでください。悔いなく充実した駐在生活となりますよう、私も陰ながら応援しています。ありがとうございました。 

<インタビューを終えてみて>

「駐在生活をとことん楽しむ」ことが帰国後のキャリアに繋った、と語ってくださった麻由美さん。自分都合ではない駐在生活においては、日本との相違やネガティブな点が目についてしまいがちですが、そんな環境だからこそ、「とことん楽しむ」という姿勢がとても素敵だなと感じました。

お菓子作りや人との繋がりといった、ご自身の好きなことを選んでキャリアを紡いで行かれている姿に、とても励まされました!

(担当:後藤麻佑、金村彩香、上原寛子)

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