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帯同をきっかけに多様な価値観や働き方を認める社会の実現に取り組む

プロフィール:大学院卒業後、三井物産に総合職として入社し金属原料の営業を経験。その後コンサルティングファームに転職し、日本企業向けに新規事業策定や業務改善などのプロジェクトに従事。2021年夫のブラジル赴任への帯同後はフリーランスで人事コンサルとして評価制度設計やNPO法人での企業向け新規事業立ち上げに従事中。

帯同をきっかけに多様な価値観や働き方を認める社会の実現に取り組む

大手総合商社に新卒で入社した後、コンサルに転職。ブラジルへ帯同し、フリーランスコンサルタントとして働く一方、NPOでも活躍されています。そんな室田さんに活動の原動力や帯同の背景についてお話を伺いました。

帯同までの準備期間

ー帯同前のキャリアについて教えてください。

学生時代から国際協力に興味があり、大学院卒業後、総合商社の総合職として入社をしました。そこで夫とも同期という形で出会いました。会社で経験を重ねる中で、画一的なキャリアパスが見えてしまい、それが自分の望むキャリアではないと思い、コンサルティングファームに転職しました。

元同期の夫には今後、定期的に海外転勤があるとわかっていました。入社して仕事しかしていなかったので、もし夫に帯同し会社を辞めたら、「私のキャリアはどうなるのか」と不安に思い、汎用性の高いスキルが身につき、柔軟な働き方ができるコンサルを選びました。その後、2年働いた頃に、夫のブラジル駐在が決まりました。

ーその後どうされたのですか。

私は仕事があったので、夫に先にブラジルへ行ってもらいました。一方で私はいつ行くのか、向こうに行って何をしようか、と悩みとても不安な時期でした。そんな時に駐妻キャリアnetを見つけ、「フリーランス」として働くという選択肢があることを伺いチャレンジしてみようと思いました。

その後コンサルを辞め、海外で働く準備期間として渡航の半年前からベンチャー企業にてフリーランスのコンサルとして働きました。そして今はブラジルから人事コンサルとして日本企業の仕事をしています。

ー帯同を決めた理由はなんでしょうか?

もともと海外で生活してみたかったというのもあります。また夫と結婚した以上、今回帯同しなかったとしてもこの先夫が駐在する度に帯同するか悩むことになりそうです。ならば、一度帯同しフリーランスで働くことにチャレンジして、無理だったら帰国すればいいやという気持ちで帯同を決めました。

ジェンダー平等に向けて励む今 

ー帯同中だと思いますが、今はどのようにお過ごしですか?

仕事としてはフリーランスで人事コンサルをしています。またジェンダーの平等を進めるNPOにて、多様な働き方やジェンダー平等に取り組もうとしている企業向けの事業立ち上げに取り組んでいます。NPOでの活動は0からの事業立ち上げであることや社会課題の解決に向けたチャレンジであるため、ハードルが高く、解決へのアプローチに悩むことも多いです。今はNPOメンバーと共に少しずつ前に進めていて、とても楽しいです。最初のステップとして「働き方の多様性」をキーワードとしたインスタグラムも始めました。

人事コンサルの仕事は忙しいですが、充実しています。この仕事も、実はジェンダーの平等への活動の糧になると思ったことが挑戦するきっかけでした。企業風土を変えるためには

経営層からのメッセージや人事制度設計が大きく影響します。人事コンサルでの経験を通じて経営層や人事が何を考えているのか、どういうサポートがベストかを考え、自身の知見を深め、NPOの活動に還元していきたいです。

ージェンダー平等をいつから意識されているのですか。

そうですね、夫の駐在関連で会社から帯同者向けへの研修を受けた時からだと思います。そこでの研修は専業主婦向けに特化した内容でした。日本をリードする大企業が持つ帯同者に対するイメージがいまだに1つに絞られていることに強く違和感を持ちました。社員時代に会社が女性社員のエンパワーメントに尽力していることを知っていたからこそ余計に疑問を感じたのだと思います。そこでジェンダー平等を含めた社会の多様性に課題意識を強く持つようになり、現在のNPO法人にも入ることにしました。

多様な価値観や働き方を認める社会の実現へ

ー今後はどのような活動に力を入れていきたいですか?

NPOと人事コンサルの仕事は今後も続けていきたいと考えています。仕事を通して多様な価値観を認め、自らの意思でさまざまな選択ができる世の中を作っていきたいです。自分がやりたいと思ったことを、気兼ねなくチャレンジでき、お互いに尊重しあえる家庭や社会を目指して活動していきたいと思っています。

ー今後駐妻になる方へアドバイス等はありますか。

私は帯同前ありがたい出会いがたくさんありました。駐妻の経験者とつながることで、帯同に対して「自分だけ」が不安なのではないことを知りました。また出会った方々がさまざまな活動をし、充実した生活を送っていることを知り、自分も前向きにチャレンジしてみようと思うことができました。なのでこれから駐妻になる方には、仕事や自分がやりたいことと家庭を両立する可能性が多くあるということを知ってもらいたいです。

学生ライター感想:

自分の望むキャリアを選べるよう、スムーズに行動されているのがとてもかっこ良いと思いました。また、ジェンダー平等のトピックには個人的にも興味があったので、問題に取り組まれているお話がとても興味深かったです。

取材・執筆:バルカツ梨舞

 津田塾大学4年

校正・文責:三浦梓

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