コロナ禍での帯同延期、転職を経て20代で駐妻に
プロフィール:大学卒業後、メーカーにて企画開発職として2年半勤務。在籍中結婚を決めたタイミングで夫の海外赴任が確定。帯同のため社会人3年目で退職したが、コロナで赴任が無期限延期に。IT企業に広告営業として転職後3ヶ月で夫が急遽赴任。1年ほど勤務した後、ビザが出た今年1月に25歳で中国 深センへ帯同。
コロナ禍での帯同延期、転職を経て20代で駐妻に
20代で駐妻となり、退職を決めた先のコロナ禍での帯同延期など時代に振り回されながらも今できることに取り組んでおられる江森さんにお話をお聞きしました。
20代で駐妻になるまで
ー学生時代はどのように過ごされ、また就職活動をされていましたか。
学生時代は実践することが非常に好きで、サークル活動でミスコン運営の代表を務めたり、化粧品会社の商品の企画開発やプロモーションのお手伝いをしたり、雑誌やウェブ系のメディアでの活動をするなど結構幅広く活動していました。その活動を通して、商品の魅力を伝える仕事をしたいと思って就職活動を進め、大手メーカーに入社しました。
ー最初のキャリアで苦労したことなどありますか。
仕事では企画開発をしていました。将来社内で活躍する女性社員になりたいという思いで頑張っていたのですが、同期入社の夫と社内結婚が決まり、夫の海外赴任に帯同することになった際に、仕事を辞めざるを得なかったことが1番大変でもどかしい思いをしました。
ー退職せざるを得ない状況だったということですが、どのような気持ちでしたか、また、お仕事も充実していたと思うのですが、日本に残るという選択肢はありましたか。
自分なりに一生懸命働いていたのに、帯同するのであれば辞めなければいけないということで、こんなに簡単に手放されてしまうんだな、自分の代わりはいくらでもいるんだと思ってしまいました。日本に残るかに関しても社内には自分の代わりはいるけれども夫には自分の代わりはおらず自分にしかできないことがあると思い帯同を決めました。またなぜ自分が夫と結婚したかったのか、と立ち返ってみて夫と一緒に暮らしたかったから結婚したという原点を思い出したことも大きかったです。
コロナ禍での帯同延期、転職を経ての帯同
ー退職が決まってから帯同までどのようなことがありましたか。
コロナ禍で夫の転勤が無期限の延期になり、自分の後任への引き継ぎも終わった後だったので、会社を辞め自分は職がない状態になってしまいました。転職活動をしようにもコロナ禍で積極的に採用活動をしている企業も少なく、苦労しました。前職の経験を生かしてIT企業に入社が決まったのですが、その3カ月後に急遽夫の転勤が決まり夫だけ先に転勤することになり、私は1年ほど働いてから帯同しました。
ーコロナに振り回されて波乱の時期だったと思うのですが、心がけていたこと、心の軸であったことなどありますか。
代えがきく存在というのが嫌で、私にしかできない人生を歩みたいなと思っています。映画を見るのが好きなのですが、自分の人生をひとつの映画と例えた時に、主演も監督も脚本家も自分になると思っています。その映画を見た時に、どうしたら一番ワクワクするか、みんなが楽しめるかという視点で人生の選択をしています。
ー帯同中はどのようにお過ごしですか。
中国は予想以上に規制が厳しく、帯同中に仕事をすることができず困りました。働けないことは残念だったのですが、語学学校で中国語の勉強をしたり、その語学学校が運営する日本語教室のお手伝いをしたりしています。今後は帰国後など仕事に生きるスキルを身につけたいと思っていて、動画編集やフォトショップなどの勉強を行なっています。勉強以外にも、せっかく中国にいるので中国国内の旅行などしたいです。
代えのきかない存在を目指して
ー帰国後はどのような計画を立てていますか。
帰国後は以前の会社に復職することも選択肢のうちのひとつとしてありますが、どんな道でも生きていけるよう、今勉強しているスキルを身につけて自分にしかできない仕事をするなどさまざまな活動を視野に入れています。自分のする仕事に対して自分の仕事だから選んでもらえるというような、人ベースで選んでもらえるようになりたいです。自分だからこそできる価値を出せるようになりたいと思っています。
ー今後駐妻になる方に向けてアドバイスはありますか。
同じような境遇の人と話した方がいいと思います。特に自分は20代で駐妻になり、社会人経験も少ないまま帯同し、日本帰国後就職先もないかもという不安もあり、同じ状況の人が少ないため相談する人もおらずつらかったです。自分自身も駐妻さん、特に20代で帯同を決めた人とつながってお話ししたりしたいなと思っています。
学生ライター感想:
20代で駐妻になるという周りに似たような状況の人が少ない中で、コロナ禍での帯同延期、転職、そして帯同とハードな時期を過ごされたことが印象に残りました。その中で代えのきかない存在になりたいと前進されており、江森さんのバイタリティを感じました。
取材・執筆:大園祥央
津田塾大学2年
校正:長崎亜弥香
文責:三浦梓