INTERVIEW

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プロフィール:新卒で楽天に入社後、カフェグローブ・ドット・コムでWebディレクター、グーグルでストラテジストを経験。2012年夫のアメリカ転勤に帯同。帰国後はフリーのWebディレクターの傍ら、副業でフラワーアレンジメントの仕事を行う。その後UNHCR協会に転職。夫の転勤に伴い2020年9月よりオーストラリア在住。

キャリアに正解なんてない、目の前のチャンスと直観を信じ て自分だけのキャリアを積み上げていく

今回は、アメリカのヒューストンで初めての駐在帯同経験を経たのち、現在はオーストラリアのメルボルンにて2度目の帯同生活をされている松本幸さんへのインタビューをお届けします。バリキャリ、ワーママ、フリーランスへの転向、専業主婦など、帯同前後の様々なご経験についてお話を伺いました。

キャリアウーマンからワーママ、そして駐妻に

ー初めに、ご主人の駐在に帯同される前のキャリアについて教えていただけますか?

就職氷河期だったということもあり、出版社で雑誌を作りたいという思いは叶わなかったのですが、当時はまだ無名だった楽天株式会社に採用され働くことになりました。直観的に、これからの時代は紙媒体よりもインターネットでの情報発信の方が面白くなっていくのではないかと思って入社し、営業部や編成部でのweb企画などを担当しました。ハードでしたが、仕事がものすごく楽しかったです。その後は女性向けポータルサイトを運営するカフェグローブ・ドット・コムという会社やグーグルへの転職を経験しましたが、新しいことをどんどん提案して作り上げていけるベンチャー企業での仕事にとてもやりがいを感じていました。

当時はバリキャリコースを歩んでいくと思っていましたが…結婚・妊娠・出産を通して「仕事中心」の考え方が変化してきました。仕事よりも子供の方が優先順位が高くなったのです。しかし、そうなると仕事に全力投球はできないというワーママの難しさや大変さを痛感しました。そして時短勤務からフルタイムに戻るタイミングで夫の駐在が決まったので、やはり家庭を第一に考え、帯同を決めました。

フリーランスという選択、2度目の駐妻

ーヒューストン帯同中、そして帰国後のキャリアについて教えていただけますか? 

帯同中は、やはり帰国後の再就職に不安を覚えていました。それでも海外での生活は新たな刺激になると思い、大学の英語コースに通ったり日本語の図書館で読み聞かせのボランティアをしたりして、自分なりに充実させることはできたと思います。

帯同中に二人目の子供が生まれ、帰国後は専業主婦をしていましたが、次第に社会に出て仕事もしたいと思うようになりました。帯同中のブランクがあるので就職できる自信はなかったのですが、元同僚がフリーランスの仕事を紹介してくれました。そのおかげで、仕事の感覚を取り戻し、「ブランクがあっても大丈夫」という自信がつきました。帯同前は正社員の道しか考えていませんでしたが、子育ても家事も仕事も趣味もできるフリーランスの魅力に気づきました。

その後もフリーランスを続けましたが、昇給は難しかったですし、以前から人道支援に関わる仕事をしてみたいという思いもあったので、UNHCR協会(ファンドレイジングをするNPO法人)で、正職員として働くことにしました。フルタイム勤務に復帰し、やりがいもありましたが、ベンチャー企業との価値観の違いに戸惑うなど、大変な面も大きかったです。

ーその後、メルボルンへの2度目の帯同が決まったそうですが、どのようなお気持ちでしたか?

夢だった人道支援の仕事を手放すのは惜しかったですが、コロナ禍で家族と一緒に自宅で過ごす時間が増えてから、改めて家族との時間の大切さに気づきましたし、それだけでなく、もう少し自分自身の時間を確保して健康にも注意していきたいと考えていたので、帯同自体に迷いはありませんでした。私は頑張りすぎてしまうタイプなので、働き方を見つめ直すいい機会になったと思っています。

ー現在はメルボルンにいらっしゃいますが、1度目の帯同生活からの変化はありますか?

前回の帯同では「仕事」という自分のアイデンティティーを失ったような気持ちになりましたが、今回はキャリアの喪失感はありません。一度フリーランスを経験したおかげで帰国後のキャリアにも前回ほどの不安はないので、今の生活を楽しみながら視野を広げていきたいです。

専業主婦だってキャリア

最後に、この先のキャリアプランについて教えていただけますか?

本帰国後のキャリアについては、具体的には決めていません。私は、当初の理想とは離れていますが、転職や海外生活などの目の前にあるチャンスを掴むことでキャリアを築いてきたと思っています。キャリアに正解はないですし、自分の狭い世界よりも「直観」を信じて進んできた結果、面白いキャリアを積み上げていくことができました。今回の帯同生活中に、専業主婦も大切な仕事で、それも含めてキャリアだと気づいたので、その中で自分ができる活動やそこで感じられることを大切にしていきたいです。

学生ライター感想:

「キャリアに正解はない」という、キャリアウーマンやワーママ、専業主婦など様々なご経験をされてきた松本さんならではの答えが、とても素敵に感じられました。私も今取り組めることに真剣に向き合っていきたいと思いました。

取材・文:笠原菜々子

 津田塾大学学芸学部英語英文学科3年

校正:中山斉奈

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