INTERVIEW

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プロフィール:早稲田大学卒業後、横浜銀行にて個人営業に従事。2014年に夫の海外赴任(中国無錫)に帯同。2017年に帰国し、国際開発センターへ就職。2018年に第一子を出産後、産休育休を経て復職。

自分にできることを柔軟にやってみてから考える

中国・無錫への海外転勤に帯同後、育児をしながら海外出張の多いコンサルタントのサポート業務を行っている高橋未紗さんの柔軟なキャリアについてお伺いしました。

人とのかかわりを軸に行った就職活動

―海外転勤に帯同する前のお仕事について教えていただけますか?

学生時代は早稲田大学の文化構想学部で、「人生のライフストーリーについて」という研究をしていました。どのような人生をどのようなきっかけで、ということをインタビューしており、卒業後も人と関わる仕事がしたいと考え、ご縁のあった横浜銀行に就職しました。

初めの半年は窓口などの現場業務を体験し、その後の2年間はお客様に資産運用のご提案をする個人営業の仕事を行いました。専門的な仕事であり、人生経験が豊富なお客様に何千万というお金を預けてもらうためプレッシャーを感じることも多かったです。

―当時、先のキャリアについてどのように考えていましたか?

ジョブローテーション後2年間、仕事をやっていく中でようやく慣れ、自分の仕事のやり方が確立してきたところでした。当時は支店に配属されていたので、本店で営業以外の仕事もしてみたいと思っていましたが、まだそこまで深く考えられるような状況ではなく、もう少し経験を積もうと考えていました。

―海外転勤に帯同すると決めたときの心境についてお伺いしてもいいですか?

7割くらいネガティブ、3割くらいポジティブな気持ちでした。「3割のポジティブ」は仕事を辞めて新しい生活ができる、ということでした。「7割のネガティブ」は無錫という聞いたことのない土地への不安と、空気や食べ物は安全だろうか、という心配がありました。

自分にできることを。学び、発信したことで得られたもの

―実際に帯同してみてどうでしたか?

約3年間住んでいたのですが、非常に楽しく過ごしました。日本語も英語も通じないので、中国語が話せなかった最初の頃は生活するのが大変でした。しかし、中国語を家庭教師や現地の大学で勉強したことで、とても生活しやすくなりました。無錫は駐妻が少ない土地ではあったのですが、徐々に気の合う友人もできて、より楽しく暮らせるようになりました。

―そのような中で意識していたことはありますか?

3~5年間の駐在期間ということがわかっており、日本に帰った後は再就職したいと考えていたため、ぼ~っと過ごすのはよくないと思っていました。ただ、中国で帯同ビザだと働けないので、中国語の習得も含め、何か自分にできることはないかと探しながらの3年間でした。日本人の知り合いを増やしたいとの考えもあり、ブログで発信してみることにしました。このお店が美味しかった、や、ここに行ってみた、と写真をあげていると、コメントをもらったり会ってみたいと言われたりして、実際にお会いした方もいました。

さらにそこから友達ができ、インターナショナルスクールの先生をやってみないかと誘われて小学生に日本語を教えたり、(株)村田製作所の工場で中国人の方に日本語を教えるボランティア活動をしたりしていました。

―前職とは全く異なるお仕事だと思うのですが、どのように考えていましたか?

キャリアにつながるかはわからなかったのですが、とりあえずやってみる、という気持ちでした。時間がたくさんあったので、動いてみてから考えよう、と。はじめの頃は夫としか話さずテレビを見て1日を過ごす、という生活をしていたため、外に出て人の役にたてることがとても嬉しかったです。人とのつながりができたり、日本語を勉強している中国人の友人が頑張って話しかけてくれたり、やってみて良かったと思っています。

ライフスタイルに合った働き方を

―帰国後の就職について教えてください。

大学卒業後の当時はなぜか有名な会社に総合職で入らなきゃ、という気持ちがあったのですが、帰国後はそのような考えもなくなり、子育てをしながら自分らしく働けることを意識して勤務先とライフスタイルのあったところに軸を絞って会社を探しました。海外との関わりがある仕事に就きたいとも考えており、今は国際開発センターという国際協力機構(JICA)の仕事を受注している会社で、海外出張の多いコンサルタントのサポートをしています。

―今後のキャリアプランについてお伺いしてもよろしいですか?

今はまだわからないのですが、また今後海外駐在に帯同するとなったときに、キャリアが中断されると思います。今やっている仕事を帰国後も続けられるように資格の勉強をしようと考えています。

―最後に読者の方にメッセージをいただけますか?

環境を変えるということは勇気がいることです。ただ、変えてみてから考えてみてもいいのかなと思います。変えてみることで、自分の生き方がいい方向に変わることも多くあり、私は柔軟に生きることで自分の人生が楽しくなりました。フレキシブルに対応していくのも人生を楽しくする一つの選択肢だと考えています。

学生ライター感想:

未知の土地に帯同することになり、不安なことや大変なことも多々あったと思いますが、ネガティブさを感じさせない高橋さんの強さや明るさが素敵でした。私も「とにかくやってみる」精神を持ち続けたいと思います。

取材・文:村山彩

 筑波大学大学院システム情報工学研究科修士2年

校正:長崎亜弥香

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