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「一緒に働きたい」と思えれば、地球のどこにいても問題ない!  駐妻×ベンチャーの可能性―株式会社FEZ代表取締役社長・伊丹順平氏

今回は当コミュニティ代表の加治屋が、経営企画としてリモートで関わっている、株式会社FEZの代表取締役社長・伊丹順平さんに「リモートで駐妻と働いてみた感想」「駐妻の可能性」について伺いました!
今回は、伊丹さん・加治屋・大渕の座談会形式でお送りします。

地球の裏側・ブラジルの駐妻を採用した理由

大渕:

本日はお時間を頂きありがとうございます。現在、経営企画業務を加治屋に依頼されているとのことですが、お二人はどうやって出会ったのですか?

伊丹:

弊社社員の紹介で知り合いました。「リクルートの元同期のブラジル駐妻が仕事を探している」と聞いて連絡をとり、web面談をさせてもらいました。

大渕:

では、仕事を依頼するまで一回も対面で会ったことはなかったのですね。社員さんの紹介とはいえ、地球の裏側ブラジルに住む、「会ったこともない駐妻」に仕事を依頼することに不安はありませんでしたか?

伊丹:

なかったですね。「誠実かどうか」はweb面談の時に見ていたし、紹介してくれた社員からも聞いていた。それに「事業を前に進める」ことが自分にとっては最重要事項で。そのために必要な人材だと判断し仕事を依頼することを決めました。

加治屋:

ありがとうございます。

大渕:

でも「経営企画」という経営のコア部分を加治屋に委託しているわけですよね??情報管理の面で不安はありませんでしたか?

伊丹:

そうですね、先ほど大渕さんは「会ったこともない」と言われましたが、我々の認識では「会ってる」んですよね
彼女とは毎週数時間、定例会議で必ず話をしている。自分がGoogle出身で、海外とのweb会議に慣れているのもあるかもしれないですが、「会っていない」という感覚は全くないんです。
そして信頼関係があるから、彼女には会社に関わる全ての情報をオープンにしています。

加治屋:

FEZは、情報を全て開示してくれるので、とても仕事がしやすいし、モチベーションや仕事の質を高く保つことができる。ここまでオープンにしてくれる企業は珍しいと個人的には思います。

毎日会えないことの、意外な「メリット」

大渕:

採用後のギャップはありましたか?

伊丹:

成果としては想定以上ですね。
彼女は頑固、というか、自分にルールを設けていて、時には「この仕事はできない」と断ってくることもある。

大渕:

加治屋は頑固なのですね…。なんだか少しわかる気がします…(笑)

加治屋:

すみません(笑)

伊丹:

逆にそれが信頼感を増すんですよ。こちらも忙しくてきちんと依頼できないこともある。その時にいい加減に仕事をされるよりも、きちんと確認したうえで仕事を進めてもらえるのは本当に助かります。
彼女が中途半端な依頼を断るのも、成果にコミットしているからですし、自分もその仕事の目的や優先度を考え直すきっかけにもなる。そして、出来上がった成果物は全てこちらの期待を超えてきます。

あとはギャップというか、会えないことのメリットを感じることも多いですね。
話をするのは週に何度かのweb会議になるんですが、会える時間が少ない分、質の高いコミュニケーションをとれるようにお互いが意識します。
うちくらいの企業規模だと、複数の社員から一度に声をかけられることが良くある。もはやサンドバックのような状態。(笑) 
例えば、新規事業の良いアイデアが出てきそうなときに

「社長!机が汚い!」

とか言われるとアイディアが全部吹き飛んでしまったりするんですよ。。(笑)

加治屋:

なんだかその光景、想像ができてしまいます。。(笑)

大渕:

(笑) 対面で近くにいるからこその甘え、って多分ありますよね。「コミュニケーションは密であればあるほどいい」と考えがちですけど、「会えない時間」ってけっこう大事かもしれないですね。

加治屋:

良い緊張感はありますね。

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仕事を切り分けられない=仕事がない、は勿体ない

大渕:

そんなお二人ですけど、伊丹さん、一番初めに加治屋に依頼した仕事は覚えていますか?

伊丹:

新規サービスの顧客向け提案資料ですね。彼女に考えていることを話して資料を作ってもらいました。この資料がきっかけになって、そのサービスは当社のメイン事業になりましたよ。

大渕:

業務委託の駐妻の作った資料がきっかけで、メイン事業ができるなんて、すごいことですね!

伊丹:

そうですね。ただ実際には、最初の頃は「リモート」の「フリーランス」の方に何を依頼すればいいのか見えなくて、お互い手探り状態でした。
本当に上手くいくと確信したのは副社長を、加治屋さんのカウンターパートにつけたときですね。彼は自分がリモートで働くことに慣れていて、仕事の切り出し方も心得ている。

多くのベンチャーは前に向かってがむしゃらに進んでいて、本当はめちゃくちゃ仕事があるのに、「仕事を切り取って依頼する」ことができなくて結局、「リモート人材に依頼する仕事は無い」ということになってしまいます。すごく勿体無いことだと思います。

仕事を切り出す事のできる「キーマン」をつけることも、リモート人材と仕事をするうえでは欠かせないかもしれません。

多様な働き方がこれからの主流になる

伊丹:

自分は加治屋さんとの事例で、「多様な働き方の人材を活用することが、企業の成長のキーになる」と確信しました。

ベンチャーにとって、人材の確保は死活問題ですが、優秀な人材を採用することは非常に困難です。雇用形態や対面でのコミュニケーションにこだわっていては、優秀な人材を確保するチャンスを逃してしまうと思うんです。

ツールとネット環境、そして、仕事の切り分けさえできればどこにいる人にも仕事は依頼できる。
FEZでもリモートワークの人材は今後増えていくと思いますし、他の経営者仲間にも、加治屋さんのようなリモートワークの事例を是非紹介したいと考えています。
私だけじゃなく、こんな考え方の人は増えていくと思います。

大渕:

伊丹さんのような考え方の経営者の方が増えて、成功事例が増えていくことはリモートワークを考える駐妻にとってもかなり明るい兆しになると思います!

駐妻の「ネットワーク」「チーム」「ナレッジの共有」に期待

大渕:

一方で、個人的なことで恐縮なのですが、ブランクが長くて営業以外特に経験のない私から見ると、自信がなくて「じゃあ、私はこれができます!」と手をあげることに躊躇してしまいます。

伊丹:

駐妻のネットワークを組織して「チーム」で戦うのがいいと思います。一人で全てをやれる人はいない。でもチームで、各自ができることを出し合って、「企業の課題を解決します」という提案にメリットを感じる経営者は多いのではないかと思います。

即戦力として活躍できる方は能力を発揮してもらって、リハビリが必要な方はその方達のサポート役としてライトな仕事から始め、感覚を取り戻す、そして皆の知見をネットワーク内で共有し合いながら成果をあげることができると、非常にいいのではないでしょうか。
またチームで働くことで、互いの専門分野や知識を互いに吸収して成長していくことも可能になると思います。そして、皆が益々パワーアップして、仕事の幅が広がっていく状態を作れると素晴らしいですよね。

まずは手を動かし、経験することでチームとしてのパフォーマンスもあがり、個々の知見も増えていく。仕事を通じて成長していくことで帰国後の再就職もスムーズにいくと思いますよ。ベンチャーの起業家は相性が合う方とは是非一緒に働いてほしいと考えているはずです。

大渕:

確かにそれだと「チームで働く」という喜びも感じられるし、皆の励みになりそうですよね。なんだか私まで勇気をもらいました!
最後に一言、キャリアに悩める駐妻にお言葉いただけますか?

伊丹:

仕事をしてみたい、と思われているのであれば、是非小さなことからでもチャレンジしてみてください。探せば人材を欲している企業は沢山あります。まずは動いてみる、そして成功事例をたくさん作っていってください。

成功事例を知れば絶対にみんなお願いしたい!と思うはずです。
どうぞ自信を持ってください。応援しています!

大渕・
加治屋:

本当に貴重なお時間ありがとうございました!

<インタビューを終えてみて>

元高校球児で甲子園出場経験もある伊丹社長。論理的な語り口の合間にも事業に対する想い、熱気が溢れていた。

常に走り続けてきたからこそ、形に囚われず、企業を前進させるために多様な雇用形態を推進しているのだろう。

冒頭にある「会っていないという感覚がない」という伊丹氏の発言。いまだにテレビ電話でも緊張してしまう私にとっては衝撃だった。ネットやツールの発達のおかげで世界中のどこにいようが社会とつながる方法があること、また自身を成長させられるチャンスもあることが良くわかった。我々が一歩を踏み出す勇気を持つことで、応援してくれる企業も今後より広がりを見せるのかもしれない。(担当:大渕久恵)

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伊丹順平(いたみじゅんぺい)

株式会社FEZ 代表取締役社長
2009年 東京理科大学工学部卒業後、同年P&Gジャパン株式会社に入社。大手流通会社を担当。
2012年 Google合同会社に入社。消費財メーカーやリテイル(小売)業界へデジタルマーケティングの立案、提案。またオムニチャネル化の企画立案に従事。
2015年 株式会社FEZを創業し、代表取締役に就任。
趣味は、野球、釣り、旅行。甲子園出場経験あり。

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株式会社FEZ
Googleやリクルート出身者が創業した、小売業界とテクノロジーの融合による「お店とネットの融合が日本の消費を元気にする」を目指すwebベンチャーです。(https://www.wantedly.com/companies/fez-inc

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