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仕事も子育ても楽しむ日本人女性のロールモデル

プロフィール:1985年横浜生まれ横浜育ちの薬剤師。大学卒業後、医薬品開発に従事した後、J&Jにて学術担当として働く傍ら2子を出産。その後、夫の米国転勤に帯同し、現地ではJETROにてベンチャー企業の海外展開支援に携わり、帰国後は外コンを経て、医薬品開発のプロジェクトマネージャーとして、国際共同治験を推進中。

仕事も子育ても楽しむ日本人女性のロールモデル

高校生の時にロータリークラブの奨学金を得て留学したカナダでの経験が、自身のキャリアの原点となっている宮島泉恵さん。仕事も子育ても楽しむ日本人女性のロールモデルになるような、宮島さんのキャリアについてお話しいただきました。

英語ができる理系女子の就職活動

―学生時代のキャリアプランについて教えてください。

高校生の時留学したカナダで、世界では英語が使えることはアドバンテージにならないと感じました。そのため大学では専門的なことを学びたいと思い、理系へ転向し薬学部へ。大学卒業後は、語学力と薬学の知識を使った国際的なキャリアを築きたいと思いました。

―帯同することに抵抗はありましたか。

ありませんでしたね。医薬品業界で一番大きな市場を持つアメリカを見てみたいと思いました。英語力と医薬品業界での7・8年の勤務経験があるため、アメリカでも働けるのではないか、また当時勤務していたジョンソン・エンド・ジョンソンの米国本社で仕事を得られるかもしれないと思い、帯同を決意しました。当時はどうにかなるだろうと思っていたため、抵抗はあまりありませんでした。

アメリカでの生活と就職

―アメリカでも仕事を続ける予定でしたか?

そうですね。夫の在籍する会社が、帯同者も就労できる投資家ビザを用意してくれたため、仕事を続ける予定でした。もし就労できるビザがなければ、帯同しなかったかもしれません。

アメリカ到着後半年間は、就職前に現地人の暮らし方に馴染もうと努めました。また子供を連れて観光地に行くなど、アメリカ生活を楽しみました。

―アメリカと日本の就職活動の違いについて教えてください。

まずレジュメの書き方と求められる内容のレベルが高く、注目するポイントも違います。アメリカのレジュメでは、雇用元の人が私を雇いたいと思わせるためには何をアピールすべきかという目線で書かなければなりません。私が行ったシリコンバレーエリアは世界中から優秀な人が集まっており、特に競争率が高かったです。

ー現地ではどんなお仕事をしていましたか?

派遣社員としてJETRO(独立行政法人貿易振興機構)でベンチャー企業の海外支援をするお仕事に携わりました。日本政府という立場から全産業を俯瞰的に見る経験や、製薬業界のビジネスディベロップメントに関わることができ、その後のキャリアの幅を大きく広げることができました。

社会貢献を人生軸に

―子育てと仕事の両立について意識していることはありますか?

子育ての全てを親がする必要はないと思っています。長男が4か月のときから働いて、プロの保育師さんに子育てをサポートしてもらいつつ、得意な仕事を継続していけることが私にとってはHappyでした。

また、子育てと仕事を両立するために情報を集め、自分で両立できる環境を作ることが大切だと思います。カナダでのホストファミリーから影響を受けており、専業主婦をするよりも、自分の得意分野で頑張って稼いだお金で、家事が得意な人に家事を手伝ってもらえるのが幸せだと感じています。そして、子育ても社会貢献だと思うようにしています。子供が大人になれば一人納税者を増やすことになるからです。自分のエゴだけで子育てをしているわけではないと思うと少し気が楽になるかもしれません。

―今後のプランはありますか?

高校生の時、面識も全くない国内外の方々がカナダ留学の費用を自分に投資してくださり、様々な経験をする機会をくださった分、自分もいつか誰かのために投資できたらと考えています。そのため、生活に必要なお金以外にも稼げるようになりたいです(笑)。

直近は5年ほどで現在の国際共同治験の仕事をきちんとできるようになりたいと思っています。並行して少しずつ社会貢献活動のための土台を作っていきたいです。

今回のインタビューも社会貢献の一環になればと思っています。私が高校生の時、国際的に働き子供のいる日本人女性を知りませんでした。自分がロールモデルとなり、大変だけれどどうにかなるということを伝えたいです。そして、独自に複雑化した日本の医薬品業界について、海外の会社にも理解していただき、海外の良い薬をなるべく早く日本に導入する手助けをして社会貢献をしたいと思います。

学生ライター感想:

自分が人から得た影響や、自分が人に与えられる影響について気づき、常に社会貢献を意識し行動されていて素敵だと思いました。宮島さんのポジティブなパワーに刺激を受けました。

取材・文:伴仲 紗恵

 津田塾大学 多文化・国際協力学科/1年

校正:山口友梨子

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