INTERVIEW

  1. HOME
  2. ブログ
  3. インタビュー

プロフィール:大学卒業後、JX金属で経理、監査、内部統制を経験。夫の米国赴任に帯同の為退職。渡米中は、日本庭園インターン、州立大学日本語学部アシスタントティーチャー、日本人補習校アリゾナ学園教員、米国企業Cerelion(但し就業開始時に帰任が決まり即退社)を経験。帰国後は自動車メーカーに就職。現在第二子の育休中。

自分の直感を信じて、妥協しない道を

アメリカ駐在帯同の本帰国後、日系大手企業に就職し現在育休中の越谷佳代さんにお話を伺いました。

直感に従って選んだファーストキャリア

―海外転勤に帯同する前のキャリアやライフプランについて教えていただけますか?

数学科のため、周りの学生は情報系の会社に行く方が多かったのですが、私は企業分析もよくわからないまま、幅広く興味を持った会社を受け数社から内定を頂きました。その中で前職のJX金属に入社を決めた理由は仕事を見学したときに生き生きとした従業員の方々、ダイナミックな工場の様子や楽しい同期に魅力を感じたからです。。社員を大切にしてくれる雰囲気を感じ、「ここにしよう!」と直感で決めました。

―その直感は合っていたと感じますか?

はい。もちろん大変なことやつらいこともありましたが、何を選択しても必ずあることだと思うので。私(社員)を大事にしてくれるという気持ちは、退社の時まで感じられたため間違いはなかったと思います。

―退社のきっかけは配偶者の方の転勤ですか?

そうですね。その当時、会社規則では辞めるか辞めないか、2つの選択肢しかありませんでした(現在は異なります)。夫と息子が寂しがったことがきっかけで自分のキャリア設計を少し考えようと思ったときに辞めるという選択肢をとりました。

周りの言葉を鵜呑みにせずにできることを見つける

―海外滞在中のキャリアはどのようなものでしたか?

はじめは自分の無力さにさいなまれる日々が続き、少し荒れていました(英語苦手、運転苦手)。そんな私を見て夫が連れて行ってくれたアリゾナの日本庭園でインターンスタッフとして働くうちに、段々生活に慣れていきました。その後、アリゾナ州立大学日本語学科の先生に自分のレジュメを直接送り「アシスタントティーチャーにしてください!」とお願いし、アシスタントティーチャーをさせてもらうことになりました(渡米前に日本語教師の講座で学びました)。そうして楽しく2年くらい生活したのち、米国治験会社のお仕事を紹介して頂き働こうとした直後、日本帰国となりました。

―滞在中のキャリアで意識していたことはありますか?

当時、「アメリカで駐妻は働けない」という都市伝説がありましたが、「本当かな?そんなはずはない」と弁護士や夫の会社に確認すると労働許可書取得で働けることがわかりました。「労働許可書って英語でなんて言うの?」という状態でしたが、ホームページで調べ、労働許可証を取得しました。

駐妻の就労について調べている際に、駐妻キャリアnetの真実さん(初代代表)にコンタクトが取れました。同じようにキャリアについて考えている方がいると知り勇気づけられました。駐妻キャリアnetで私のインタビュー記事も書いてくださって少し自信が持てました。特に意識していたことではありませんが、この自信が先ほど話した治験会社、現地の会社に行ってみようという気持ちにつながりました。同時に私がいま活動している駐妻caféという団体を立ち上げようとしている飯沼ミチエさんに出会い、立ち上げメンバーになりました。

自分の心の赴くままに

―この先のキャリアプランについてお伺いしてもよろしいですか?

今はとりあえずサラリーマンで良かったなと思っています。帰国直後はフリーランスに憧れた時期もあったのですが、日系の大きな会社で、規則が整っており有給休暇をきちんととれるため、心身に余裕ができました。今は育休中で、育児を楽しんでいます。これから仕事時間を増やしたいと思うことがあると思います。今はキャリアプランを固定していません。その時々の身の回りの環境や気持ちに沿ってしなやかに対応したいと思います。

―最後にメッセージを頂いてもよろしいですか?

二つあります。

①「駐妻は数少ない『期限付きの生活』なので、楽しむ努力をして生活するべし!」。

②「自分の価値を安売りしないように」。

①については、仕事ができない、キャリアがつながらない、というマイナスなこともあるかもしれませんが、今できることを考えましょう。一見、帯同前とつながりのない活動のように思えても、後になって振り返るとその経験は無駄ではなく不思議と「今」の礎となっています。点と点でつながって最後は線になっているはずです。

②については、駐妻だから給料が下がっても仕方ない、仕事が派遣しかない、ということはないので妥協しないことが大事です。また、自ら帯同期間を「ブランク」と呼ばず、またそういう会社はお断りする。絶対に自分に合った会社はあるので、自分を安売りせず信じてほしい、と思っています。

学生ライター感想:

「直感」を大切にされていて、自分の心地よいほうに赴くままに、というキャリアも選択肢のひとつとして考えられることを改めて感じました。

取材・文:村山彩

筑波大学大学院システム情報工学研究科修士2年 

校正:三浦梓

関連記事

インタビュー

SNSもチェックしてみてください!