INTERVIEW

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プロフィール:大学卒業後日系海運会社にて営業職(外航貨物船運航管理業務)、秘書職を経験。2001年より夫の赴任で4か国帯同。2017年に帰国後、長期ブランクを経て、英語講師、RWC2019開催自治体職員、日系海運会社にて自動車専用船、ケミカルタンカーの運航管理業務を担当。2021年11月より再びタイに帯同中。

家族とキャリア、どちらも全力で楽しむ

複数の帯同経験とさまざまなキャリア経験をお持ちのTさん。帯同中のご家族との生活から、帰国後のキャリアまでを盛りだくさんにお聞きしました!

どんな仕事にも共通すること

ー海外帯同前のキャリアを教えていただけますか?

高校時代の留学経験から、海外に興味があったので、英語を使って海外と関われて、公共性のある仕事をしたいという漠然とした気持ちがありました。大学卒業後は、新卒で日系海運会社に就職し、営業部門の配属になりました。営業部門に4年半所属し、その後、秘書課に異動しました。営業部門での外航貨物船運航管理業務では、円滑に業務を遂行するために、本船のキャプテンとうまくコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが重要であると学びました。これは、秘書の仕事にも通じるところがありました。相手をよく観察して、求めていることを理解するために、コミュニケーションや気配りがとても重要でした。そういった点を認めてもらい、社長秘書も担当しました。営業職と秘書職は全く別の仕事のように見えますが、どちらも信頼関係を築くために対話や細やかな気配りが大切であるという点で、大いに共通する部分があったと思います。

 

家庭での自己実現・キャリアでの自己実現

ー海外帯同中は、お仕事はされていらっしゃらなかったのでしょうか?

はい。私が初めて海外駐在に帯同することになったのは、2000年頃で、当時は、夫が海外駐在になったら、妻は仕事を辞めて帯同することが一般的でしたし、休職やリモート勤務の制度もなかったので、キャリアの継続についてあまり深く考えをめぐらせることはありませんでした。

海外帯同の経験はアメリカシンガポールに2度、ベトナム、チェコ、そして今のタイ・バンコクですが、ビザの関係で働けない国もありましたし、特に子供が小さかった時期は、社会で仕事をしようというよりも、家庭の生活を大切にしていました。

4年暮らしたチェコ・プラハでは趣味の料理を活かして子供の通う学校のコミュニティで、日本の家庭料理を数十カ国を超える国のお母様たちにボランティアで教えた経験もよい思い出です。

ー2017年に日本に帰国されてからはどのようなお仕事をされていましたか?

最初の海外帯同時には自分のキャリアを深く考えられなかったのですが、子育てが一区切りついたため、もう一度社会に戻り、自己実現をしたいと思い、仕事を再開しました。最初は英語講師として、幅広い世代に英語を教えていました。英語の知識がほとんどない方に英語を教えることにかなり苦労しました。

2018年からは、熊谷市のラグビーワールドカップ2019推進室の専任職員として勤務しました。海外帯同中は仕事をしておらず、フルタイムでの仕事は16年半近くブランクがあったので大変でしたが、楽しかった思い出が多いです。特に海外チームの選手と熊谷市の小学生との交流企画はとてもやりがいを感じました。数日後に試合を控えて緊張されていた選手の方から、「子供たちと交流して家族を思い出したよ」「試合前にほっとする時間ができて楽しかった」と言ってもらえて嬉しかったですし、達成感がありました。子供たちにとっても、印象に残る交流になったのではないかと思っています。

その後は、帯同中に知り合った方の紹介で、再び日系海運会社で外航自動車船とケミカルタンカーの運航管理業務につきました。18年以上ぶりに同じ業界に戻り、技術の発展によって便利になっていることを大いに感じた一方で、昔よりもとても情報量が増えたので、情報の取捨選択が重要になってきているなと感じました。

家族とともに

ー今後のキャリアやライフプランはどのように考えていらっしゃいますか?

2021年4月に夫がバンコク赴任となり、11月から帯同しています。できれば仕事を続けたいと考えていますが、夫の海外任期がわからないことと、今はコロナの影響で日本との行き来が簡単にできないため、就労ビザの取得が難しい状況です。そのため、ちょっと二の足を踏んでるというか、悩んでいるところです。まずはこれからの生活に困らないように、日常会話程度までタイ語を習得するため勉強を始めました。

ーこれから駐妻になる人に向けてメッセージをお願いします。

私が最初に駐妻になった時代と今は、取り巻く環境がかなり変わっていて、女性が帯同時に仕事をやめなければいけないという考えも少なくなっていると感じます。また、日本の労働人口も減ってきているせいか、一度退職して家庭に入った人が再度働くことが、比較的簡単になっていると思います。私の価値観ですが、やはり家族は一緒にいた方が良いと考えています。今回の駐在にも帯同することに決めたのは、さまざまなことを同じ空気の中で家族で一緒に共有することが良いと思っているからです。今は、リモート勤務など選択肢が増えているので、自分のキャリアも積み上げながら、家族での海外生活を十分に楽しんでいただければと思います。

学生ライター感想:

Tさんの、ひとつひとつのお仕事に対する情熱が感じられました。また、ご家族で一緒に生活することを非常に大切にされている姿が印象的で、キャリアと家庭の両立についてもとても勉強になりました。

取材・執筆:鎌田睦美

 津田塾大学2年

校正:室田美鈴

文責:三浦梓

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